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2024年7月18日の見解
昨日の為替相場ですが、河野デジタル相・トランプ氏の「円安是正」発言により、ドル円・クロス円が大きく崩れました。
ドル円に関しては一時156.100円付近まで下落し、昨日の値幅は2.5円(250pips)ほどの下落幅になります。
その後も要人発言ではハト派意見が続き、ドル円の買い戻しがそこまで無く、引けを迎えることになりました。
NYダウは堅調に推移しておりますが、「S&P・ナスダック」に関しては下落している状態で、日経平均株価も大幅に下落することになります。
では昨日の流れをまとめていきます。
昨日の東京時間では、早朝にNZ(ニュージーランド)の第2四半期消費者物価指数(CPI)の発表がありました。
【NZ第2四半期消費者物価指数】
前期比:予想+0.5% 結果+0.4%(前回+0.6%)
前年比:予想+3.4% 結果+3.3%(前回+4.0%)
![](https://assets.st-note.com/img/1721286632880-KK3peGiTea.png?width=1200)
この弱い結果を受け、瞬間的に下落するも、その後は上昇している状態です。
これがどのような要因かと言うと、以下で考察しております。
まずNZのインフレ率の目標レンジが1〜3%(目標中央値2%)になりますが、CPIに関しては、RBNZの5月時点の見通しが3.6%だったのですが、そこを下回る良いペースの鈍化傾向にありました。
しかし、NZのCPI非貿易財(前年比)に関しては、RBNZの5月時点の見通しが5.3%だったのに対して、今回5.4%(前回5.8%)と鈍化しきれていない状況となりました。
※非貿易財・・・持ち運びが困難であるため貿易できない財やサービスを指します。(主に国内市場のみで売買される財)具体的には、家賃、公共サービス、金融、流通、輸入の困難な生鮮食料品などが挙げられます。
以下の記事になります。
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/ISGCAK6SNBLYRJZDHR4LVJYQY4-2024-07-17/
上記のことからCPI鈍化による「年内利下げ2回」観測は出ていますが、まだRBNZの目標を上回っている状態で、尚且つCPI非貿易財の方が落ちきっていないことから、次回会合(8月)でも一旦「据え置き」されるのでは?と言う見方になって買われたのかな?と言うことです。
ちなみにそれだけではなく、直近で言えば一方的にポジションが偏っている(需給)問題もあって総合的に買われた状況と言えるかもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1721286648140-BKrWiQ2wtc.png?width=1200)
そして昼過ぎぐらいに「河野デジタル相」の「円安是正」発言により、円高方面に流れ・日経平均株価が大幅下落する局面がありました。
おそらく昨日の円高方向に下落したきっかけはこの発言からになります。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-17/SGQYCADWRGG000
【河野デジタル相】
いつかは首相を目指している
為替は日本にとって問題だ
円は安過ぎる。価値を戻す必要がある
円の価値を高め、エネルギーや食料品のコストを引き下げるために政策金利を引き上げるべき
河野氏は海外からも「次期首相」の候補に上がっているだけあって、発言に対して影響があります。
9月の自民党総裁選で岸田総理続行となれば、今後河野氏が発言をしても市場が反応することは限られそうですが、現在は可能性があるので意識はされている状態です。
そして後にも書きますが、米国のトランプ前米大統領に関して、「円安是正」の発言がありました。
あくまで予想になりますが、昨日の大幅な下落に関しては、この2人の次期首相候補と米大統領候補の意見が合致していることもインパクトがあったのではないでしょうか。(未来の日米での協調為替介入)
そして欧州時間に入って英国の経済指標が発表されました。
【英消費者物価指数&【コア】】
前月比:予想+0.1% 結果+0.1%(前回+0.3%)
前年比:予想+1.9% 結果+2.0%(前回+2.0%)
前年比・コア:予想+3.4% 結果+3.5%(前回+3.5%)
【英生産者物価指数】
前月比:予想+0.1% 結果-0.3%(前回-0.1%→±0.0%)
前年比:予想+1.8% 結果+1.4%(前回+1.7%)
【英小売物価指数&【コア】】
前月比:予想+0.2% 結果+0.2%(前回+0.4%)
前年比:予想+2.9% 結果+2.9%(前回+3.0%)
前年比・コア:予想–% 結果+1.9%(前回+1.9%)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-17/SGREONDWLU6800
サービスが6月に予想を上回ってしまい、来月のBOEの利下げ観測が後退することになりました。
どうであれ、昨日のポンド上昇のきっかけとなったのは、このCPIの結果からになります。
ドルも弱かったので、対ドルで久しぶりの1.30000台に突入することになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1721286689716-F2MD6senaU.png?width=1200)
そして欧州時間から大きくドル円やクロス円が下落する局面がありました。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-17/SGQUITT0AFB400?srnd=cojp-v2
一部抜粋しておりますが、以下のような発言内容になります。
【トランプ氏】
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を解任する予定はない
トランプノミクスは低金利と関税
FRBは11月の選挙前に金利を引き下げるべきではない
利下げでバイデン政権を後押しすることを控えるべき
ドルが円に対して34年ぶりの高値をつけた。アメリカにとって大惨事
我々は通貨問題を抱えている
ドル高・円安・人民元安が著しく進行した
自身の政権では通貨安に対抗、関税で対応してきた
日中は自国通貨を低くし国を成り立たせてきた
米国の商品は高くて買えない
相場が反応した重要な発言をまとめると上記になります。
いわゆる「トランプ砲」と言われているやつですね。
トランプ氏が大統領の時と世界の状況が変わっているのは、やはり「インフレ」部分ではないでしょうか。
度々触れてきましたが、トランプ氏の政策は「インフレリスク」があります。
この発言の前はトランプ氏に関わることなら、「ドル高」となる傾向が多かったことから、今回の「円安是正発言」に関してある意味サプライズでしたね。
他にも有料記事にはなりますが、日経で取り上げられていたので、共有しておきます。
<日経新聞>
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB177XA0X10C24A7000000/
そして昨日は要人発言もありました。
【ウィリアムズ米NY連銀総裁】
今後数カ月以内に金利引き下げが正当化される可能性がある
インフレ率を2%に戻すのはこれまで以上に困難になるだろうという懸念に反論
過去3カ月のインフレデータは我々が求めているディスインフレ傾向に近づいている
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-17/SGRJAGDWX2PS00
【バーキン米リッチモンド連銀総裁】
消費者支出が依然として堅調であることは注目に値する
企業は従業員の解雇に消極的であり、一部の業界では依然として労働力が不足している
前四半期のインフレ率は低下した
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-17/SGRUXPDWX2PS00
【ウォラーFRB理事】
データが不均衡な場合、近い将来の利下げはより不確実
シナリオではそう遠くない将来に利下げが行われる可能性がある
6月のCPIデータは2カ月連続で非常に良いニュースとなった
今後2カ月、データを注視する
最近のデータで2%の物価目標達成にさらに自信が持つことができた
利下げが正当化される時期に近づいている
情報にはもう少し証拠が必要。進展は続いている
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-17/SGRSHBDWRGG000
上記をまとめると、警戒はしているものの「ハト派」によってきたかな?と言う印象ですね。
現在FedWatchでも9月に100%利下げと織り込んでいるので、現在の既定路線ではないでしょうか。
後は、FRBがどのような判断を下すかと言うと所で、「パウエルFRB議長」の板挟み状態が続いています。
おそらく本人は「大統領選挙や政治は関係なく、現在やるべき判断を下すだけ」というスタンスだと思いますが。
トランプ氏が「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を解任する予定はない」との発言がありましたが、同時に「利下げでバイデン政権を後押しすることを控えるべき」とも発言しております。
そして現在トランプ氏が優勢であることから、「難しい判断」を迫られてそうですね。
トランプ氏が大統領になれば「おそらく利下げをしろ」と言う流れになりそうだが。。。
そして昨日の米株価に関しては以下になります。
テック系がかなり悪い状況が続いている状態で、「ナスダックの下落」に影響が出ています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721286776418-bzzIuKc6bt.png?width=1200)
本日の指標&要人発言
経済指標
英失業率&失業保険申請件数
ECB政策金利&声明発表
米新規失業保険申請件数
フィラデルフィア連銀景況指数
要人発言
ラガルドECB総裁
ローガン:ダラス連銀総裁
※ネットフリックス決算
上記になります。
本日はECB政策金利&声明発表になります。
おそらく、「据え置き」となり、そこまで動く印象はないのですが、どちらかというと、ラガルドECB総裁の発言に注目ですね。
引き続きポジションの偏りがある状態なので、需給を意識した方がよさそうです。
本日もよろしくお願いします。
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