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AIC生ブログ|新米とーちゃん新規就農への道のりー自己紹介編ー

マイファームは、「アグリイノベーション大学校(AIC)」という社会人向けの農業スクールを運営しています。
仕事を続けながら週末で農業を学びたい方へ向けて、農業の技術や経営に関しての知識・理解を深める、学びのプログラムを提供している学校です。

今回は、現役でそのAICに通っている、小室亮さんから寄稿いただいた記事をご紹介させていただきます。

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新米とーちゃん新規就農への道のりー自己紹介編ー

はじめまして。アグリイノベーション大学校関東校14期生の小室亮です。

私は新規就農を目指しているものです。
そして、今年は就農に向けて具体的な行動を始めた年!
AICに入学したのもその一つ。今まで働いていた会社を辞めて農園に勤めだしたのもその一つ。

ちゃんと就農できるのかと考えると、毎日、不安や希望だったりいろいろな感情がジェットコースターのように自分の中を駆け巡っていきます。

この1年のブログを通して、新規就農に向けたリアルな過程をお届けしたいと思っています。
今回はまず私の自己紹介からです。

<こんなところに住んでいます>

現在住んでいるところは生まれ育った群馬県のみなかみ町です。群馬県の北部、利根川の源流域にあたり谷川岳など2,000m級の山々を従え自然がとても豊かなところです。その自然資源を活用し、利根川ではラフティングなどのアウトドア、冬にはスキーやスノーボードの人達でにぎわいます。
町内には温泉が18湯あり、宿泊施設も多く、まさに観光の町と言えます。

2017年にはユネスコ人間と生物圏計画のプロジェクトの一つである、「ユネスコエコパーク」に登録され、町として豊かな自然を守り、また、自然資源を暮らす人々で上手に利活用していこうという取組みを進めています。

山間地域であるので大規模な農業をやっている人は少ないですが、米や果樹(リンゴ、さくらんぼ、ブルーベリー等)の栽培が盛んな地域です。米は水月夜(みなつきよ)というブランド米もあり隠れた米どころでもあります。

今就農の場所として考えているところもみなかみ町です。

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(↑ 写真:みなかみ町の風景)

<農業との関わり>

サラリーマン家庭に育ったので非農家出身です。

ですが、近所の祖父母の家が兼業農家で、養蚕や牛の飼育、ほぼ自給用ではありますが、米や野菜を栽培していました。よく子供の頃は祖父母の後をついて田んぼや畑に遊びにいったものです。
そういう意味では農家という存在が身近にありました。

<今までこんなことをしていました>

高校卒業後は上京し大学生活を過ごしたのち、化学メーカーに就職しました。
化学メーカーには6年半勤めまして、経理関係の業務を行っていました。

退職後は群馬県の上野村というところに移住し、ミニトマトの養液栽培に1年ほど携わりました。この時が初めて農業に関わったことになります。
前職ではまさにデスクワークしかしてこなかったので、土に触れたり力仕事で汗をかくことはとても気持ちよかったですね。上野村には1年半ほどいてその後地元のみなかみ町に戻ってきたことになります。

みなかみ町では、わら細工や陶芸などの伝統工芸の手作り体験ができる「たくみの里」にある道の駅を運営する公社に勤めました。
「たくみの里」は、旧三国街道の須川宿にあり、年間で40万人弱の観光のお客様が訪れます。公社では農産物直売所の運営をはじめ、蒟蒻やそば打ちなどの体験、のむヨーグルトの製造しており、ここでは体験施設の運営や経理業務を行っていました。

直売所では主に地元の個人農家の方が中心に出荷をしています。観光地にある直売所ですので、地元の方より観光のお客様の利用が多いのが特徴です。

今回のコロナを影響はもろに受け、直売所の営業は対策を取り続けられましたが、その他のお店は休業を余儀なくされています。
6月にはいりようやくお店が営業を開始してきていますが、まだまだお客様は少ないです。

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(↑ 写真:「たくみの里」旧三国街道須川宿)

<なぜ農業をやりたいと思ったのか>

さて、今回のブログのここが本題なのですが、
正直、自分を農業に導くこれといった大きな出来事は思いつきません。

・農業で地元を活性化したい
・やっぱり自然の中で仕事がしたい
・これからは自分で食物を作る農業の時代だ
・田舎暮らしを楽しむのなら農業だ
・田舎で独立するなら農業だ

などなど、どれもそうだなと思うところではありますが、今だに自分の核心にせまる言葉が見つからないのです。

振り返ると、
私はそもそも田舎が嫌で上京したのですが(笑)、社会人になり始めたころ、急に田舎には今まで気づいていなかった宝があると思うようになりました。

豊かな自然環境。人と人の関係性の深さ。身近にある農。

当時、自分が田舎出身者にも関わらず、本屋でローカルコミュニティや田舎暮らし、地方で起業した人の本を手に取るようになり読み漁っていたのを思い出します。
特に、哲学者の内山節さん(東京と上野村で二居住暮らし。上野村に移住するきっかけにもなった。)の本はよく読み、将来は地元に帰ろうと思うようになりました。

となると農業は地方での主幹産業。

またローカルコミュニティを形成するものだったり、産業としては遅れているかもしれないけれど、様々な要因を判断して作物を作るクリエイティブな職業だと考えるようになり、地方で暮らすなら農業をベースに生計をたてていきたいと考えるようになりました。

就農したい!と周りに話すと反応は様々。
前向きに応援の言葉をかけてくれる方も多い反面、無謀なことは止めたほうがいい、と本気で心配してくれる方もいます。
もちろん無謀だと言われて悔しい思いもしますが、その言葉に返す答えを持ち合わせていません。

みなかみ町では新規就農する人はほとんどおらず、農業を始める人達の多くは先代から引き継ぐ形で農業を始めています。
資金もない、施設もない、土地もない、機械もない。(祖父母の田んぼやトラクターなど少しはあるのですが)
ないないづくしで、この地域での前例もなく、無謀と言われるのもその通りのような気がします。

私にとって農業は、家族と一緒に田舎でモノ・ココロ共に豊かに暮らしていくための手段だと考えています。
今はその思いを心に秘め、この地域でどんな農業ができるのか、知恵を絞りもがいていきたいと思います。

<最後に>

5月に第一子が誕生しました!
まさに公私ともに激動の生活が始まりです(笑)
農ある暮らしを夢見て、新米とーちゃん頑張ります!

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寄稿者:小室亮(こむろまこと)さん
群馬県みなかみ町在住。37才。
地元みなかみで新規就農を目指す新米とーちゃんです。

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