早起きして世界から逃げる
毎日5時から6時の間に起きる。
カーテンから覗く外の世界をみて、太陽に勝ったかどうかを確認する。今日は引き分けのような明るさだった。
私が起きると、足元にいる犬もすぐ起きる。おはようの撫で撫での間は、世界に2人だけみたいな静かさ。
リビングに行って慎重に息を吸ってみて、昨日の夜ご飯の匂いが残っていると悲しくなる。
カーテンと窓を開ける瞬間が大好き。まだ静かな街。外のいい匂い。
大切な植物と亀に陽が当たると、すごく正しいような堂々とした気分になる。
犬の朝のおトイレを見守ってから、いそいで片付ける。
歯磨きをして、お茶は、窓の近くで景色を見ながら飲むことにしている。
着替えてお散歩に行く。付き合ってあげてるみたいなテンションで歩くけど、まんざらでもないこと知ってるよ。
いちばん木がたくさんある場所で深呼吸する。すこしだけ太陽を直視する。におい嗅ぐために立ち止まったら、かならず付き合う。
まだ誰もいない。
走っている人、おなじように犬のお散歩している人、でも誰もいないような雰囲気。
帰ったら、イヤホンでダイアンのラジオを聴きながら家事をする。昨日のコップを洗って、犬のお水を換えて、亀のお水を換えて、植物に霧吹きする。掃除機をかけて洗濯機をまわす。
2人の話に何回も笑ってしまう。面白すぎたら泣きそうになる。なんでだろう。
家事が終わったら、着替えてお化粧して前髪をふわっとして、イヤホンを外す。
犬をだいすきの撫で撫で。
もう世界は始まってしまって、2人きりではない。
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