「地方自治のしくみがわかる本」 1〜2章
中学生向けの書籍だが、行政を学ぶのにおすすめしてもらったので、この本を読むことに。
一気にまとめるとなかなか進まないのが「積読」する人のクセ。少しずつまとめていきます。
興味深かったところを抜粋…
地方自治は憲法が保障している
日本国憲法(第92条から第95条まで4ヵ条)で、「地方自治」を保障している。憲法で、中央政府などによって地方自治が侵されることのないよう守っている。
基礎自治体・広域自治体
市町村は、住民にもっとも身近な自治体であるという意味で「基礎自治体」
都道府県は、より広い 地域に責任をもつという意味で「広域自治体」
東京都の23区は、法律上「特別地方公共団体」である「特別区」とされているが、基礎自治体である。
基礎自治体をまとめて市区町村と呼ぶことがあるが、大阪市や名古屋市などの「区」は、基礎自治体である「市」のなかの行政区画で、これには含まれない。
最後の文が分かりづらかったので、ChatGPTに補足してもらう。
おや?東京都の23区との違いに混乱する
政令指定都市って聞くけどあれはなに?
なるほど、スッキリ。
なぜ地方自治が必要なのか
3つの観点から説明
①行政サービスの効率の観点から
②民主主義の観点から
③地域独自の政治システムの必要性
行政サービスは非効率で質の低いサービスであっても、タダだから、安い料金だからと、がまんしてし まう。だから、行政サービスは常に効率を心がける必要がある。
行政が求める効率とは
経済性:費用を節約
効率性:少ない費用で、どれだけ多くのサービスを生産したかを評価する
有効性:行政の活動がどれだけ地域問題の解決や住民生活の向上につながったかを評価する
著者の講義の一環から出た考え方
県立飯南高校の「社会科学入門」の行政効率の観点
地域の実情の把握という面から比較すると、自治体は地域の実情をよく知っているのに対して、国は地域の実情を把握することが難しい。サービスのやり方については、国は全国で同じようにしなければならないという制約があるのに対して、自治体は地域の 利用者にあわせたサービスができる。
国は全国一律のサービスが得意
自治体は地域の実情にあわせたサービスが得意
行政サービスの効率の観点 からは、地域のことは、地域の実情にあわせて地域でおこなうほうが効率的である
感想・気付き
※個人的主観
行政が求める効率として挙がっている「経済性・効率性・有効性」については、民間企業となんらかわりない。アクセシビリティという観点で「ターゲット」はとてつもなく広いがそこに効率を求めるのは当然だ。
地域は自然・経済・文化において独自性を持つようになり、地域性に応じた社会組織が形成されてきた。
この一文に対して、実は近い将来と言っても2世代先くらい?には「自然はどうしようもないが、経済と文化は一定揃ってくるのではないか」と考えている。
私はSF的な話を好んで選ぶので、その中の設定は未来の一つの形として、あり得なくはないものと素直に受け止めている。
例えば、アニメの「PSYCHO-PASS」では
職業としての「農業」は喪失し、北陸地方一帯はオートメーション化された無人の穀倉地域となっているという設定。
全ての人に等しく行政サービスを届けるには、やはりある程度一箇所にまとまって生活してもらうのが効率が良い。(とはいえ、住みたくないところに住むのも嫌なのは重々承知)不便なところから人は離れ、自然と街に集約される。もちろん田舎に住む人もいるだろうが、これに人手不足が重なってくると「遠方に住む」というだけで経済的にも効率的にも対応が難しくなるのではないだろうか?そこに登場するのがAIロボットかもしれないが。
去年、長野県小諸市を訪れたとき駅周辺が「コンパクトシティ」の施策のもと、見るからに建物が新築されていた。住む方の意見を聞くことはなかったが、よそ者が見た勝手な感想としては、とても良い施策に見え、地方はこういう形が増えるのかな?と想像していた。
小説だと「三体」にドハマリ。この小説では200年後、家族という概念がなくなり、皆が地下に住む。
血の繋がりや地元という概念は恐らくなくなっているだろう(もちろん、環境の整っていない地上に住む登場人物もいる)お金はかかるが充実した施設を求めるか、田舎で不便でも自分らしく生きるか。現代も未来も全く変わっていないだろうが、何かを求めるにはトレードオフがあるということだろう。
念の為、これらの考えは地方自治を否定する考え方につながるのは理解している。今私がいる現代では、本文にもある通り「地方自治が不可欠」なのは十分に理解している。
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