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宿坊体験の楽しみ方

宿坊って行ってみたいけど、どんなところか分からなくて不安と思ったことはありませんか?私もその1人でしたが、今回、福井県にある曹洞宗の大本山永平寺の門前にある宿泊施設に宿泊してきましたのでご紹介します。
永平寺は禅宗の曹洞宗の総本山で、修行道場としては日本一修業が厳しいと言われているお寺です。
そんな場所の宿坊での体験ってどんなだろうかと、ドキドキでしながら訪問しました。


行き方

福井駅から特急バスが出ており、30分ほどで行くことができます。えちぜん鉄道に乗って永平寺口駅からバスで20分程で行くこともできますが、電車の本数は限られていますので、福井駅からバスに乗ることをお勧めします。

宿坊の歴史

宿坊の歴史は約1200年前の平安時代にさかのぼります。当時、天皇や貴族たちが神聖な熊野三山を訪れた際に泊まる施設としてお寺が使われていました。時が経つにつれて武士や一般の人々にも広がりました。江戸時代に入ると寺社で宿泊することが旅行者の間で盛んに行われるようになりました。旅行が身近になるにつれて、この習慣は衰退しましたが、今も多くの寺院や神社がこの伝統を守り、歴史、文化、おもてなしなどを提供しています。

宿坊ってどんなところ?

もともと宿坊は、僧侶や参拝者が滞在し、心身を清める場所として機能していました。現在これらの宿泊施設の多くは一般の観光客を歓迎し、充実した施設とサービスを提供しています。宿坊に滞在すると、通常のホテルとは一線を画す体験ができ、生きた伝統や文化に浸ることができます。多くの寺院では朝のお勤めがあり、宿泊者は自由に参加することができますので、宿坊に宿泊したらこの貴重な体験の参加することをお勧めします。
また、宿坊ならではの体験(写経や禅禅、僧侶による法話)を聞くことができます。

柏樹関

宿坊の種類

宿坊の宿泊施設にはさまざまな形があります。寺院内に滞在した場合、僧侶と同様の厳しい修行体験を受けることが可能です。その他には、敷地内の建物や門前の宿泊施設に泊まるものもあり、伝統的な日本の旅館に滞在するのと同じくらいリラックスした体験ができる施設もあります。

宿坊の空き状況はさまざまで、一部の寺院や神社では特定の時期や季節にのみ宿泊を提供しています。海外からの訪問者の受け入れや宿泊施設の空き状況について、事前に確認しておくとよいでしょう。宿坊は今、海外からの観光客に人気があります。

今回は永平寺の門前にある宿泊施設”柏樹関”に宿泊しました。

柏樹関の部屋

宿坊の選び方

基本的に宿坊はそれぞれの寺院に付随する施設となります。また、宿坊の種類にも記載しましたが、寺院内部、境内の施設、門前の宿泊施設に泊まるのかという選択肢のある寺院もあります。
寺院によって規則や体験の選択が自由な場合もあるので確認しましょう。
また、部屋に鍵がない場合や大部屋での宿泊となる場合もありますので、女性1人旅であれば個室で鍵のかかる部屋の方が安心できるのではないでしょうか?お手洗いや風呂が室内にあるのかなどもチェックポイントになります。

どんな体験ができるの?

寺院内に滞在する場合は、僧侶と同じ日々のスケジュールに従います。こちらでご紹介するのは、永平寺の修行僧の1日の生活スケジュールです。 (日によってスケジュールが異なる場合があります。)朝から晩まで、座禅を行い休憩をほとんど取らずにお勤めをします。永平寺では僧侶の休日は4または9の付く日で、その日に洗濯、入浴、勉強をして過ごし、あまり外出をせず寺院に滞在するそうです。正確なスケジュールは寺院ごとに異なりますが、禅宗のお寺での1日の流れは似ているようです。

修行僧が寝泊まりする場所

永平寺の僧侶の一日:

  • 3:50 起床

  • 4:20 禅

  • 5:30 朝のお勤め

  • 6:30 朝食

  • 7:30 清掃

  • 9:00 禅とお勤め

  • 11:00 昼食

  • 13:00 禅とお勤め

  • 17:00 夕食

  • 19:00 禅

  • 21:00 就寝

お寺の近くの宿泊施設に宿泊すれば、体験には自由に参加できます。私が宿泊した永平寺の門前にある宿泊施設の柏樹関はとても綺麗でまるで旅館のような施設で、精進料理もとても美味しかったです。最近では、ヨガ、華道、茶道、断食などの体験を提供している施設もあります。

精進料理

ここでは柏樹関でのチェックインからチェックアウトまでの簡単な流れをご紹介します。

  • 1日目:

    • 15:00 チェックイン

    • 15:30 永平寺で座禅体験(お話~座禅で40分程)

    • 18:00 夕食

    • 19:00 写経

    • 21:00 就寝

  • 2日目:

    • 3:30 起床

    • 4:00 宿を出て永平寺へ

    • 4:30 法話

    • 5:30 朝のお勤め・法要参加

    • 6:00 境内見学

    • 7:00 ホテルで朝食

    • 10:00 チェックアウト

ご覧の通り、寺院内に滞在するのと、お寺近くの宿泊施設に滞在するのとでは、体験は大きく異なります。あなたが望む体験のタイプに基づいてあなたの宿泊施設を選ぶことをお勧めします。

まとめ

寺院は修行と参拝の場所です。静かで落ち着いたひとときを過ごしましょう。寺院内での修行は非常に厳しく、外界から切り離されます。修行僧は1日のほとんどを「起きて半畳、寝て一畳」という空間で坐禅をしたり、修行をしたりして過ごします。
あなたが寺院内に滞在し修行することが可能かどうかは寺院と相談の上、寺院側の判断となりますので希望の場合は各寺院に問合わせてみてください。

永平寺

最近では英語での体験提供している寺院もありますが、スケジュールや空き状況が限られている場合もあるので、こちらも事前に確認しておく必要があります。

門前の宿泊施設に宿泊した際の座禅や朝のお勤めなどの体験は、自由に参加できるので自分のペースで過ごすことができます。
初めて禅や朝のお勤めに体験する方でも気軽に参加できますのでおすすめです。最近では、大部屋の相部屋だけでなく、高級旅館のような個室や入浴施設のある部屋、茶道や華道などのさまざまなサービスを提供している施設も増えています。

宿坊滞在はあなたを歴史と文化に浸し、内省し、内なる平和を見つけるための静かな瞬間を提供します。一度、体験してみてはいかがでしょうか?

動画はこちら


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