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編集部日記 #16|座談会って何?


12月22日に発売日を迎えました、「マイカレンダー」2021年冬号。

12月1日から22日まで、先生方にご協力いただきまして「グレコンカウントダウン」なるイベントをSNSで行っておりました。

※そのまとめはこちら!
https://twitter.com/i/events/1341211527307644928

グレコン当日までは全力でカウントダウンしてきたものの、【発売日=ゴール&それ以降】のことは何も考えていなかった編集部……(すみません、体力が切れました)。

「何かイベントとかする? 」
「グレコンを肉眼で観測してみます? 編集部の近くだと箱根山(※新宿区の戸山公園にある山手線内で一番高い山)とか……」
「めちゃくちゃ有名な心霊スポットじゃないですか! 星じゃないものが見えたらどうするんですか!(恐」
「編集部に星を探すの上手な人いないから、まったく違う星をグレコンだと勘違いしたりしそう。それもある意味、恐怖だよね……占い雑誌として……」

というグダグダ具合だったのですが、実は密かに占い的イベントが行われていました!

それは……弊社倉庫の大掃除!

グレコンを迎えた22日の早朝、倉庫にある創業以来40年分の紙の山(まさに地層)を一掃するという、いかにも「土→風」的なイベントが行われたのです(写真を撮ったのですがあまりにも……な光景なので今回は割愛)。

さすが占いを生業とする会社……。
無意識に動いていても、大天体の動きとはたいてい自然とシンクロします。

そんなこんなですが、今回の出版用語はこちらです。


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【座談会(ざだんかい)】

お気づきでしょうか。
マイカレ、対談や座談会が割と多めの雑誌です。

呼び方としては「対談(2人)」「鼎談(3人)」「座談(人数問わず)」なのですが、雑誌の楽しさは「複数人のコラボができる」ことも挙げられると思います。

占いの書籍は、単著(お1人の先生が書かれるもの)が多いので、その先生の世界観にたっぷり浸ることはできますが、知識や考えに偏りが出てしまうことがよくあります。また占いは「独学」される方も多いジャンルなので、気づけば自分の世界に閉じこもりがちになってしまうこともあるでしょう。

それを打開するきっかけが、雑誌にはあるんじゃないかな、と思うのです。お目当ての先生ではない先生の記事も自然と目に入ってきます。フォローしていない占術の知識が、別の占術と結びつくこともあります。同じ星を見ても自分とは異なる解釈をする人の考えに「!!」となったりもします。
それが読み手の固定観念を破り、外の風を入れるきっかけになることもあるのではないか……。

またご登場いただく先生方も、異なる価値観を持つ方とお話されて、初めて誌面上で生まれてくる意見もあると思います。

例えば毎回、「これ載せていいの!?」と物議を醸しているらしい(?)連載「今号の3人」は、「何かしらの共通項を持つ者同士だからできる、突っ込んだ&レアな話」をいろいろとお聞きしています。
めでたく季節を二巡することができたので、過去を振り返ってみましょう。

■2019年春号「占い界若手男子編」
 参加者:SUGARさん、一樹さん、竹内俊二さん
■2019年 夏号「タロット狂編」
 参加者:LUAさん、海老原&馬場(元マイカレ編集部)
■2019年 秋号「占いシステム会社編」
 参加者:株式会社ポッケ 廣瀬周一さん、株式会社ザッパラス 石原郁子さん、テレシスネットワーク株式会社 鷹石惠充さん
■2020年 冬号「山羊座の占い師編」
 参加者:章月綾乃さん、銭天牛さん、ミルンさん
■2020年 春号「30・40・50代男占い師編
        ~メルボルン・占星術カンファレンス報告会」

 参加者:鏡リュウジさん、賢龍雅人さん、田中要一郎さん、SUGARさん、ますかた一真さん、一樹さん
■2020年 夏号「映画好き占い師編」
 参加者:ますかた一真さん、湊きよひろさん、水煮さん
■2020年 秋号「タロット狂リターンズ編」
 参加者:桜田ケイさん、LUAさん、山室景志郎さん、馬場さん
■2021年 冬号「わけあり女占い師編」
 参加者:雨宮 零さん、miraimikuさん、七嶋ナオさん

……メンバーが濃い。そしてテーマがすごい。

実は「雑誌の企画なので」は、コラボを生み出す口実として非常に使いやすいのです。編集部で「この方とこの方がお話されたら絶対おもしろい!」とお声がけすることもありますし、普段仲のいい先生方でお集まりいただいて、そこでしか聞けないお話を聞くこともあります。

今後、そこから書籍化したり、イベントができたりするかもしれません。
そういう「コラボ」「実験」「きっかけ」の場として、マイカレが機能していけたらいいなと思っています。

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今号において、その最たる記事が「鏡リュウジと12人の占い師たち」ではないでしょうか。「12星座が一堂に会する」って占い好きの夢だと思います。

牡羊座~魚座まで、12人の先生に「ご自身と同じ星座の人をめちゃくちゃヒイキしたページを作ってください!」とお願いしたのでした。

グレコン当日発売だし、固定観念に縛られないことをやりたい、ということで思いついたのですが、内容だけでなく、誌面のデザインも12星座で違うという前代未聞?の企画に、マイカレのデザイナーさんにも、「だいぶイッちゃってますね(笑)」と褒められる(?)始末……。

特に12星座座談会の分け方はいろいろなパターンを考えてみたのですが、

●エレメント分け(火・地・風・水、各3人×4回)
●三区分分け(活動・不動・柔軟、各4人×3回)
●前半星座(牡羊~乙女)、後半星座(天秤~魚)分け
●ドライ(火・地)、モイスト(風・水)分け
●アストロダイスを振る(完全ランダム)

……結局、一番バランスがよいと思われる【男性星座(火・風)/女性星座(地・水)】となりました。

実はこの座談会、準備段階から星座的傾向?のようなものがありました。

〇女性星座座談会は日程がスッと決まったのに対し、男性星座会はなかなか決まらず……(アクティブな先生が多いのか?)
〇女性星座会はわいわい和やかムードだったのに対し、男性星座会はどちらかというとディベートというか意見発表的な雰囲気?
〇「座談会」というイベントに敏感な反応をされたのは柔軟宮の先生が多かったような?(場の空気を繊細に察知するから?)

もちろん「太陽星座がすべてではない」というのは重々承知の上です。
「あなたって何座っぽい」とか「何座ってこういう性格だから」と決めつけ始めたら、星占いはただの足かせにしかなりません。
また「自分の星座をこの先生に書いてほしかった!」といったご要望もあるかもしれないのですが、今回に関しては、ぜひ【全部の星座】を読んでみていただけたらな~と思っています。

……というのも、以前、マイカレWEBのインタビューで、鏡リュウジ先生がこうおっしゃっていました。

鏡:(略)SNSでも「自分はこう思うけど、相手はどう思うかな」ということを考えないまま、パッと何かを言っちゃっている。

――「自分はこう! だからこの人は間違っている!」という感じですか?

鏡:そう。白黒つけすぎ、というか。そういう意味では、占いって「世の中にはいろんな人がいるね」っていう話なんですよ。だから星座は12あるし、干支だって12ある。人間はあなただけじゃなく、いろいろなキャラクターの人がいるよ、ということを教えているんです。

――少なくとも12通りの人がいるんだから、あなたの価値観と私の価値観は
違っていてもいいんだよ、ということですね。そういう意味では、占いの考え方は世界に平和をもたらす……かもしれないですかね?

鏡:本当はね(笑)。しょっちゅう派閥争いもしているけど。でも基本的にはいい人たちが多いと思う、この業界。

――占い業界はいい人が多い!!(笑)それは本当にいいことですね。

鏡:中には「これでお金をだまし取ろう」みたいな邪悪な人もいるかもしれないんだけど、本当に占いが好きで占いに携わっている人は、ロマンティックなものが好きな人たちだから。

「占い師」と「占い雑誌」のこれから|鏡リュウジインタビューより


12星座というのは、優劣ではなしに、横の差異、つまり「(とにかく)人間はみんな違う」ということを理解するのに、とてもいいイメージ、仕組みだと思います。「〇座より〇座が優れている」とか、「自分は○座より劣っている」などと卑下する必要はないということが当たり前のようにわかるので……(=いらない星座などない)。同時に、自分が苦手なことを得意としている相手を自然とリスペクトすることもできます。

前置きが長くなりましたが、要は「先生方がものすごく工夫してくださって、自然と他の星座ものぞいてみたくなるページになっていると思うので、ぜひ!」ということです。

* * * * *

しかし……今号1つだけ大きな誤算があります。
それは、「この豪華メンバーによる座談会が6p(実質4p)とはいったいどういうこと!?(完全にページ数を見誤っている!!)」です。
その辺は、風の時代以降の「雑誌の在り方」を考えなければならない、マイカレの課題です。

現在はその過渡期でもあるので「マイカレ STAY HOME 冬ごもり星占いスペシャル☆」として、お家でじっくり読みたい占い記事をガンガンnoteで更新していきます。もう本当に濃い話ばかりです。

「これが無料で読めたら、本誌いらないんじゃない?」
……よくぞ気づかれました。
でも、本誌があるからこその番外編です。
本誌がなければ番外編は生まれていません。

そして本誌があればこそ、2倍楽しめる内容になっている(はず)です。

そこのところ、ご理解いただきつつ、マイカレ冬号、お楽しみいただけたら幸いです!


【おまけの裏話】

ちなみに大変ご好評いただいている、今回のカバー。
実は校了の30分前まで別の色でした。

それがこちら……黄緑。

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何の疑いもなく校了間際まで黄緑で進めてきてたのですが「何かが違う気がする……」と最後の最後でデザイナーさんと相談して変更したのが「白」。

2020年春号より、1テーマカラーシリーズで来ているマイカレ。

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オレンジ→ブルー→イエロー→グリーンというのは、しっくりくる分、
何となく予定調和な印象があったというか……。

もうちょっと「今までの延長線上にはない未来」「ハッとする感じ」が欲しい!ということで、次元上昇感のある白を選ばせていただきました。
緑派の方も、もちろんいらっしゃると思います。緑も素敵です。

今回のカバーの白は、白であると同時に、「十人十色、あなた色、百花繚乱の個性の時代」という意味合いもあったんだな……、と後から思いました。

イメージの中で、あなたの好きな色に染めていただけたら!

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文/マイカレンダー編集部・山田


 


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