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風の時代座談会 女性星座番外編 #1|「風」以外の星座はこの時代をどう生きる?

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「マイカレンダー」2021年冬号で行った初の試み……それが12星座座談会!

男性星座(火・風)の先生6人、そして女性星座(土・水)の先生6人にお集まりいただき、鏡リュウジ先生と円卓を囲み(実際はオンラインですが)来る「風の時代の新生活様式」を検証していく、というものでした。

この豪華メンバーの座談会がとてもではないけれど2pに収まるはずなく!
載せられなかった番外編をお届けします!

女性星座座談会(土・水)にご参加いただいた先生は、こちら!

牡牛座(土)……みずまち☆ゆみこ先生
蟹 座(水)……いけだ笑み先生
乙女座(土)……桜田ケイ先生
蠍 座(水)……千田歌秋先生
山羊座(土)……アイビー茜先生
魚 座(水)……ニシー(#占う男)先生

座談会_女性星座

東京以外にお住まいの先生ともこうしてお話しできる、オンラインって本当に便利……! ※取材が行われたのは2020年11月中旬です。

女性星座座談会、マイカレ冬号本誌では2020年の水瓶座in土星期(3月下旬~7月頃)の振り返りがメインでしたが、その後の「風の時代」についてもしっかりお話しいただいています!
風とは相容れない性質を持つと言われがちな、土・水のエレメントに太陽を持つ先生方は「風の時代」をどのように見ているのでしょう?

* * * * * *

〈月〉のカードに描かれたザリガニ

ニシー:風って教科書的には「理性」とか「理屈」を表しますよね。僕は毎日のように鑑定でお客さんと会っていて、どの人の体験も固有の事象だとはわかっているんですけど、でもそれを何回も繰り返すうちに、だんだん「あれ?同じだ……」ということを感じることが多くなってきてて。
それはタロットカードで言うところの〈月〉に描かれているザリガニ、あれを見ないようにしている感。ザリガニを無視しようとしてるというか、もしくはザリガニを理解した気になっているというか。「理性」とか「理屈」が強い人ほどそれをなんとか言語化しようとするんですけど……。「それって言語化できます?」って話なんです。

――〈月〉に描かれている「ザリガニ」は本能的なものを表すと言われていますね。

ニシー:風の時代って、たぶんそういう「なんだかよくわからないもの」を言葉で表現することにトライしたがると思うんです。言語化して、何とか理屈で説明しようとするはず。でも、水瓶座の段階を経た魚座の立場から言わせてもらうと……「それ、やれますかね?(笑)」っていう。

鏡:ニシーさんの言うこと、すごくわかる。皆が感じている、わけのわからない状況や感情を、わかったように言語化してみせるんだけど、そこで取りこぼされるものがあって。それによって症状が悪化するんですよ。

――取りこぼされたものが「ザリガニ」ということですか?

鏡:うん、ザリガニ。

いけだ:心理学全般もそうじゃないですか。
 
鏡:そうそう。

いけだ:悪化するんですよ。「こういう病名です」と名前を与えて、実体化させるじゃないですか。行動療法とかで整理していったり。でも鏡さんのおっしゃったように「それでも拾えなかった部分」が悪化する。一部を拾ったせいで増幅するんですよね。

鏡:占い全般もそうかもね。

いけだ:ね! おもしろいですね。

鏡:「運命」みたいなわけのわからないものを、どうにかして枠組みの中に抑え込み、入れ込んでいこうとする……、絶対に無理な負け戦をやってるわけだ、我々は。それを、負け戦だってことをわかってない人たちがやると、危ないんだよなあ。

――すべてを風が表すような「言葉」の中に入れ込みすぎると、問題が生じてくるわけですね。

いけだ:そこから取りこぼしたものが、より力を増してしまうんですね。

風を持たないからこそ「風」が見えてくる

ニシー:だから風以外もあるよね、って言いたいですね。風だけだとまずい気がするっていうか……。

アイビー:私もまずいと思います。

鏡:……ニシーさんって、風のエレメントに何か天体があったりするんですか?

ニシー:僕、冥王星が天秤座世代です。

鏡:ということは、冥王星しかないんでしたっけ?

ニシー:はい。

鏡:あ、だから逆に風のことがよく見えているのかもしれない。

ニシー:そうかもしれませんね。僕、昔から水瓶座の友達がすごく多くて「賢いな~」と思っていて。でもそれによって呪縛されている感じの人も多いなと思うんですよ。「とても頭がいいんだけど、そんなに全部、理路整然としてなくてもいいのに」って(笑)。

鏡:占いは関係ないんですけど……実は僕、恐ろしくリズム感がないんですよ。そして、スポーツ音痴で、方向音痴だったりするんですけど(笑)、そういうことが上手な”モテる系”の人がいるじゃないですか。そういう奴からすると「お前、なんでできないの?」って。つまり彼らには「運動神経ってものがこの世に存在する」ということがわからないわけ。

――当たり前のように使っていて、それを意識することもないからですね。

鏡:でも、それができない人ほど、そこがよく見えてくるんですよ。だから今、ニシーさんがおっしゃったような「風だけでは行かないぞ」っていうことは、風を器用に扱えない側のほうから発信できることだと思う。
それに今、風をうまく使いこなせている人でも、今後はもっとそこを成熟させなきゃダメだと思うんです。そうすれば「風だけではつかめないものが存在するんだ」ということがわかる。つまりこの世には投げられたボールを目測ではかってパッとキャッチするのが、こんなに難しいと感じる人もいるんだ、ということがわかってくる(笑)。

――なるほど。これは明日、風のエレメントの人が参加される男性星座の座談会で議題にできるといいかもしれませんね。ちなみに、2021年は水瓶座に木星がありますが、一瞬、魚座に入るタイミングがありますよね。

鏡:初夏にありますね。5~7月頃ですね。

――水瓶座の風が吹く中、一瞬そうやって魚座(水)を体験して「風ですくいきれないものがある」と知ることによって、8月以降の2回目の水瓶座木星期の見え方や意識が変わってくるのかもしれませんね。

風がもたらす「スケープ・ゴート」の消失

――実はこの座談会取材、すでにお時間的には終盤に差し掛かっているのですが、振り返りがまだ2020年6月(夏至の日食)までしか到達しておらず、グレコンすら起きていない状態です……(涙)。一足飛びにで恐縮ですが、グレコン後の世界、風の時代はどうなっていくでしょうか?

アイビー:これ、絶対に言いたかったんですけど、スケープ・ゴート(生贄)の消滅が起こると思っていて。少人数のコミュニティで割りを食わされていた人たちが救われると思うんです。
私は風の時代って、風が当たり前になる時代だと思うんです。風が表すような情報とか多様性とか……、「いろんな可能性がある」ということを皆がわかってくる。だから今いるこの「村(ムラ)」が嫌だったら他に移ればいい、ということが安易にできるようになると思うんです。それって昔の、割りを食わされてた人たちの願いだったんじゃないかな、と。
例えばその、キルギスの誘拐婚とか、アフリカの女子割礼とか、そのコミュニティでは当然のこととして行われていても、外側から見ないと「おかしい」と気づきにくいと思うんです。でも風の超監視社会になることで、そこの悲しみはなくなるのかな、と。
そういう意味では、長い時間をかけて、風の時代は「悲しみの均一化」、皆で共有することが本当にできるようになるんじゃないかなって思って。それはつまり「スケープゴート」という言葉も「山羊(ゴート:goat)」の崩壊にも関係してるのかなって、ちょっと思ってます。

――確かに……! 山羊ですね、それは。そういう意味では密室だったところに風が入っていくことで、状況が変わっていくといいですね。

「空気(Air)」の復権が起こり得る

アイビー:あとラジオの復権もあると思います。YouTubeとか動画って、ちょっとやることが多すぎると思うんですよね。ちゃんとした格好で人前に出なきゃいけないとか。そうすると腰が重くてなかなかできないんですけど、ラジオだとすごく簡単にできるような気がしていて。皆が発信するラジオのチャンネルを持つようになるんじゃないかって思うんです。

――確かに、ラジオはセットもメイクもいらず、身一つでできますね。

アイビー:あと声優さんがすごく人気になる理由って何だろう?とずっと思っていたんです。それって「声の力」じゃないかなと。声が一番、魂に近いのかなと思っているので、これから魂の時代になっていくとしたら、ほとんどがラジオになっていくんじゃないかな、って何となく思っています。

鏡:「声」も風だよね。空気の振動だから。
それから、ラジオでレギュラーコーナーを長くやっていた自分の経験からすると、ラジオで長くやっている人って、本当に人柄がいい人が多いの。TVの世界が悪いわけではないんだろうけど、まさに「空気感」が全然違います。ラジオ関係の方に「なんでかな?」って聞いたら、「声はごまかせないからじゃないかな」って。TVはいろいろ演出できるけど、声だけだと人柄が不思議にダイレクトにでちゃう。映像よりも電波に乗っている情報のビット数は断然少ないはずなんだけど、不思議ですよね……。

――なるほど。空気ということに関しては、いけだ先生も座談会が始まる前にご用意いただいた「事前アンケート」で、言及されていましたね。

いけだ:……あ、そうでした!(笑)。東海道新幹線に喫煙車両がなくなった話ですよね。

~いけだ笑み先生 座談会事前アンケートより~
■3月1日……東海道新幹線の700系が引退。喫煙ルームを除いて全社禁煙に。
土の時代に国土や民族性、資源が重要だったことと同じように、風の時代は情報や流通、そしてエアー(空気)が大事になることの前触れだと感じるニュースでした。共有財産である空気を汚してはいけないのだ。

いけだ:つまり空気は共有財産なのだから、きれいにしなきゃいけない、ということですね。水とか土というのも目に見える形での共有財産ですよね。日本は水源が豊かな国というだけで、すごく恵まれていたと思うんですけど、これからは空気も大事になってくるのかなと思いますね。

鏡:「換気」もすごく重要ですもんね、今。まさに風の時代だ。

いけだ:強制的にさせられていますよね(笑)。

風以外の3エレメントがもたらすもの

千田:風の時代になるということは、例えば空を飛ぶことが当たり前、みたいなイメージじゃないですか。風が強い人は、普通に空を飛べたりするので、対応が早かったりとか、スイスイ進んでいっちゃったりとか、あるいはものすごくいろいろなアイデアを出したりしてくれると思うんですけど、世界中は風の人ばかりではないわけです。風の時代のカラーを作ったり、イノベーションを起こしたりとか、まとめたりするのは風以外の要素だと思うんですよね。
アイデアがたくさん出てきたところに、じゃあそれをどういうデザインで形にするか、セッティングするか、というのは土の要素かもしれない。どんどんスピーディになって、連絡もとりやすくはなったけど、情緒的な部分はどうするの?という時には水の要素が必要だし、理性やスムーズさよりも、もっと盛り上がろうよ、パーティしようよ、という火の要素とか。
そういう他のエレメントの人たちが、風の時代をカタチにしていくイメージがあるので、そこに注目していきたいですね。
特に土が強い人に期待します。反動もあるでしょうし。摩擦が起きた部分をどうするか?というのがポイントかな、と。

アイビー:今の千田先生の意見にはすごく同意で。風の時代って、やっぱり風が当たり前になる時代なので、他のエレメントたちの基盤みたいなものとか、それぞれが輝き出すのかなって思います。それをどう運用していくかなんですけど、皆、それぞれホロスコープが違うから、それぞれの偏りにプライドを持ってつながっていく、そして他者の偏りを理解することが大事だなと思っています。
あと、ここ1ヵ月くらい、風の時代について考えていたんですけど「子どもは風の子」って言葉があるじゃないですか。すごく気になって調べたら、原文は「子どもは風の子 大人は火の子」らしいんです。

※「子どもは風の子 大人は火の子」
子どもは寒い風が吹く日でも外で遊び回るが、大人は寒がって暖かい火のそば、部屋の中にいたがる。

アイビー:「風=子ども」ということは「風の時代=子どもの時代」なのかな、と。そうすると占星術で子どもを象徴するのは月だから、自分の本性とか家族とか、もっとパーソナルな部分、自分の「ホーム」が大事になってくるのかなと思いました。心理的なホームなら心情とか考え方とかプライドですし、物なら家や財産がホームになる人がいてもいい。あとは愛とか絆とか……。周りに理解されなくても「これが私のホーム」、「こういう関係性が私のホーム」という、それぞれの「ホーム」を大事にする時代。そして各々がそれを理解し合う……私的にはいい時代になってきたな、と思います。楽しみです。

――そうですね。今まで圧倒的に「仕事(公)>家(私)」だったのが、テレワークやステイホームによって、家と仕事の力関係が逆転したような感じもありますよね。もちろん、この感覚は、業種にもよるとは思いますが……。

アイビー:そうですね。「元に戻る」って感じがあります。今まで社会が、過剰に個人の力を試していたところがあって、それが様々なトライ&エラー、そしてコロナを経て、最適なところに落ち着いた、という感じだと思います。

鏡:そっか……。アイビーさんの世代だと「子どもは風の子 大人は火の子」って言葉、普通にもう使わないんだ、というところに驚き(笑)。

アイビー:そうですね。「子どもは風の子」だけ知ってました。

鏡:それはきっと冷暖房が完備された時代に生まれたってことだよね(笑)。僕たちが子どもの時は、大人はこたつの中にいるけど、子どもはこたつの中に入らなくていいから、出てけっていう意味だったんだよね……。

アイビー:知らなかったので、調べました(笑)。

桜田:風の時代って言っても、実際に定着するまでにはこれから何年もかかると思うんですよ。まずは2020年、コロナ禍で強制的に在宅ワークだったりWeb会議だったり、これからの練習みたいにさせられたけれど、結局は今後何十年かかけて、じわじわと変革や変容が進んで、2100年ぐらいに振り返って実感する。みたいな。
だから、2021年は土か風かとか、いっそ四元素の何とか気にしないで、それぞれが自分の居心地のよさを求めて過ごすことが大切なんだと思うんです。
あんまり無理をして変えても続かないですし、自分自身とやんわり向き合うような意識で過ごせば、自然と自分らしい新しい時代のリズムが見えてくるのでは。

(女性星座番外編 #2へ続く)

※今回の座談会がどういう経緯で行われたのか……裏話はこちら!

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鏡リュウジ
かがみりゅうじ●魚座。心理占星術研究家、翻訳家。占星術に心理学的アプローチを交えた「心理占星術」を日本に紹介。待望の新刊『占星術の教科書Ⅲ』(原書房)が発売に。

みずまち☆ゆみこ
みずまち☆ゆみこ●牡牛座。有限会社アクアチッタ代表取締役。グラフィックデザイナー兼占い師として活動。2003年より独学で西洋占星術を始め、わかりやすい占い講座にも定評があるhttps://acquacitta.com/luce/

いけだ笑み
いけだえみ●蟹座。1999年頃から占星術のプロとして活動開始。雑誌への原稿執筆、講師活動、研究会主催に携わる。主な著書に『基本の「き」目からウロコの西洋占星術入門』(説話社)など。http://astro.secret.jp/

桜田ケイ
さくらだけい●乙女座。タロット占い師。占いライター、風船大道芸人などとしても活動。著書に『はじめてでもすぐ占える かんたんタロット』(グラフ社)がある。甘党で有名。http://uranaiyasan.sakurada-ke.com

千田歌秋
せんだかあき●蠍座。東京の麻布十番にある、占いカフェ&バー「燦伍」のオーナー占い師兼バーテンダー。ビブリオマンシー(書物占い)の普及にも努めている。https://khakisenda.wixsite.com/eranos

アイビー茜
あいびーあかね●7歳の時に絵画教室でタロットや占星術の資料にふれたことをきっかけに、この世界へ。宿曜経を現代版リデザインした「ルナモンスター占い」の作者。http://ivy-akane.com/

ニシー(#占う男)
にしー●魚座。#占う男。2005 年、ロックバンド「STAN(STAn)」の Gt.&Vo.としてデビュー。バンド解散後、占いの道へ。「場所は問わず、どこでも行く」スタイルで占い鑑定を行う。https://twitter.com/nsikyg

聞き手/マイカレンダー編集部・山田


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