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風の時代座談会 女性星座番外編 #3|1980年代に今の未来は予見されていた?

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「マイカレンダー」2021年冬号で行った初の試み……それが12星座座談会!
男性星座(火・風)の先生6人、そして女性星座(土・水)の先生6人にお集まりいただき、鏡リュウジ先生と円卓を囲み(実際はオンラインですが)来る「風の時代の新生活様式」を検証していく、というものでした。

この豪華メンバーの座談会がとてもではないけれど2pに収まるはずなく!
載せられなかった番外編をお届けします!

女性星座座談会(土・水)にご参加いただいた先生は、こちら!

牡牛座(土)……みずまち☆ゆみこ先生
蟹 座(水)……いけだ笑み先生
乙女座(土)……桜田ケイ先生
蠍 座(水)……千田歌秋先生
山羊座(土)……アイビー茜先生
魚 座(水)……ニシー(#占う男)先生

座談会_女性星座

第1回では「風の時代」が大きく叫ばれる今、「時代の"風”が取りこぼしてしまうもの」について女性星座ならではの視点で語っていただきました。

第2回では「情報社会」と言われる中で「距離感」と「プライバシー」について、氾濫する情報の中をどう泳いでいくべきか、お話をうかがいました!
「風」から「声(空気の振動)」や「空気のきれいさ」が重要になってくるというご意見も。

そして第3回は、今の未来は「1980年代に予見されていた!?」というお話。1980年と言えば……そう、地の時代の真っただ中で、まるで前哨戦のように天秤座(風)でグレコンが起きた、あのタイミングです!

* * * * *

スキゾとパラノ、そしてユートピア思想

――自分はどのコミュニティに属するのか、またそれとどういう距離感でつき合うのか、といったことが、今後考えるべきテーマになってきそうですね。人とのつながり方とか、深さとか……。

みずまち:
コミュニティの話で言うと、例えば今までだったら「家庭」と「職場」、あともう1個は「趣味」の場所、という感じだったのを、もっとタコ足配線的に足場を作るということもやっていかざるを得なくなるのかなと思います。
私はまったく風に天体を持っていないんですよ。土ばかりなので、「集中させたい」「まとめたい」「固めたい」というのがすごくあるんですけど、中心ではなく、「その周辺」に全力を尽くす、みたいなこともやっていくといいのかなと。「これが目的!」というよりは、あれもこれもそれも……真ん中はむしろ無視、というようなやり方もしていく必要があるのかな、と皆さんのお話を聞きながら思いました。
それといけだ先生の「風に対する感度を上げていく」というお話にあるように、アプリの使い方、知性の磨き方や発達のさせ方は今後、重要になってくるのかな、と思います。

鏡:こうして皆さんのお話を伺っていると思うんですけど……80年代後半に言われてきたことを強制的にさせられるようになってきた感じがあるよね。当時、流行った言葉に「スキゾとパラノ」ってあるんですけど。

※スキゾとパラノ……思想家の浅田彰が提唱した言葉。
「スキゾフレニア(分裂型)」……直観に従って自由奔放に行動するタイプ。そのつどゼロに帰り、一瞬を生きるタイプ。
「パラノイア(偏執型)」……過去のすべてを統合化して背負うタイプ。自分のアイデンティティに整合性のある行動をとろうとする。

鏡:パラノっていうのはパラノイアで「偏執型」。スキゾっていうのは、スキゾフラニアで「分裂型」。人間にはこの2タイプがあるんじゃないか、という話があって。パラノイア型っていうのは、要するに土っぽい人たち。何かに集中して1つのことをガチっとやっていく。そして何かを積み重ねて、自分の役割を果たそうとする。
もう一つの「スキゾ」は、まさにタコ足配線タイプなんです。あれこれマルチタスクでできちゃって自由奔放で、コミュニティを作っていく。教育でも1つの学問をきちっとやるのではなく、文系理系を合わせたような……「ニューアカ(ニュー・アカデミズム)」なんて言われていたけど、「それが知性のトレンドだ!」って。

――なるほど。スキゾタイプが、風っぽい生き方のイメージですね。

鏡:それから80年代で言うと、占星術とは関係ないんだけど『アクエリアン・コンスピラシー(水瓶座の謀略)』(著/マリアン・ファガーソン)や『第三の波』(著/アルビン・トフラー)という本があって。皆、会社ではなく家で働き始めるとか、ネットワーク上でのコミュニケーションが発達することでいろんなサービスの構造が変わるとか、集合知が発達するから、リーダーも1人ではなくなり、社会が一極集中型ではない形で回り始め、その結果、環境問題も解決していくだろう、っていうユートピア思想的なものが、80年代に多く語られていたんですよね。それでよく考えたら、この時期(1980年)に起きたグレート・コンジャンクションって、天秤座でしたよね。

――一足先に「風の時代」だった20年間ですね、1980年~2000年まで。

鏡:当時はまだ夢物語でしかなかったことが現実になってきた時に、今はまだ見えていないダークサイドもあるということが、今後わかってくるのかもしれない。例えば、パラノタイプのように、一つの人間関係に執着していると、裏チャットで悪口を言われたりするけれど、スキゾタイプならそんなに気にしないでしょ。そのコミュニティに重きを置いていないから、何を言われても「別に」だし、嫌なら「抜ければいいや」となる。

――そのくらいの軽さがあった方が、風の時代は生きやすいということですか?

鏡:でもそうすると、今後は深い人間関係ができなくなるでしょ? 自分たちが持っていたもの……例えば、世代間の意識の継承が非常に難しくなってくるような気がする。ノウハウの継承はできるかもしれないけど、それこそ言葉にならないような関係性とか……。
それから、自由に人間関係を放棄できるってことは、自分の作った人間関係を他の人に継承できない、ということでもあるんですよ。

一同:あー……。

「軽さ」と「重さ」の狭間で

鏡:例えばアイビーさんが一生懸命、他の人たちと人間関係を作ってきたのに、アイビーさんの後輩やお友達、お子さんなどに、そのネットワークへの無条件の信頼みたいなものを渡そうとしても、人間関係や社会が流動的すぎて接続がうまくいかない可能性がある。毎回毎回、一から積み上げないといけない。自由だけど蓄積がない。

千田:だからこそ、逆に「一緒に住む」ということが、ものすごく重要な意味を持ってくるんじゃないですか。一緒に住む人、親友と呼べるほど大事な人は1人しかいないとか。薄く軽いコミュニティにいくつも所属して、適度に離れつつというのがありつつも、そのどこかで深い、ある意味「蠍座的なつき合い」みたいなのは必ず残ると思うんです。むしろそれが肝になっていくかもしれないですよね。

鏡:そうすると、ニシーさんの「コロナ=世界的大ヒット(詳しくはマイカレ本誌をご覧ください)」の話に戻るけど、僕たちの世代は全員が熱狂するピンクレディーのような存在がいたけど、今はそういうのがないとするなら、このパンデミックがその代わりになるかもしれないですね。個々のリアクションは違うかもしれないけれど、それが共通項になって、地球の反対側の人と、10年後、20年後に「あの時のパンデミックは大変だった……」って酒が飲める日が来るのかもしれない(笑)。

――風の時代だからこそ、水の世界にあるような感情の共有の大切さや、人とのつながりの重みが増していくのかもしれない……。このしっとりした結末は、まさに女性星座座談会ならではですね。明日の男性星座座談会(火・風のエレメントの6人)はどんな結論となるのか……非常に楽しみですね!

(男性星座番外編 #1へ続く)

※今回の座談会、開催の裏側はこちら!

PROFILE

鏡リュウジ
かがみりゅうじ●魚座。心理占星術研究家、翻訳家。占星術に心理学的アプローチを交えた「心理占星術」を日本に紹介。待望の新刊『占星術の教科書Ⅲ』(原書房)が発売に。

みずまち☆ゆみこ
みずまち☆ゆみこ●牡牛座。有限会社アクアチッタ代表取締役。グラフィックデザイナー兼占い師として活動。2003年より独学で西洋占星術を始め、わかりやすい占い講座にも定評があるhttps://acquacitta.com/luce/

いけだ笑み
いけだえみ●蟹座。1999年頃から占星術のプロとして活動開始。雑誌への原稿執筆、講師活動、研究会主催に携わる。主な著書に『基本の「き」目からウロコの西洋占星術入門』(説話社)など。http://astro.secret.jp/

桜田ケイ
さくらだけい●乙女座。タロット占い師。占いライター、風船大道芸人などとしても活動。著書に『はじめてでもすぐ占える かんたんタロット』(グラフ社)がある。甘党で有名。http://uranaiyasan.sakurada-ke.com

千田歌秋
せんだかあき●蠍座。東京の麻布十番にある、占いカフェ&バー「燦伍」のオーナー占い師兼バーテンダー。ビブリオマンシー(書物占い)の普及にも努めている。https://khakisenda.wixsite.com/eranos

アイビー茜
あいびーあかね●7歳の時に絵画教室でタロットや占星術の資料にふれたことをきっかけに、この世界へ。宿曜経を現代版リデザインした「ルナモンスター占い」の作者。http://ivy-akane.com/

ニシー(#占う男)
にしー●魚座。#占う男。2005 年、ロックバンド「STAN(STAn)」の Gt.&Vo.としてデビュー。バンド解散後、占いの道へ。「場所は問わず、どこでも行く」スタイルで占い鑑定を行う。https://twitter.com/nsikyg

聞き手/マイカレンダー編集部・山田




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