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タロットで「連想ゲーム」をしてみよう

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雑誌「マイカレンダー」2020年秋号
「今号の4人 ~タロット狂リターンズ」(P122)のスピンオフ!

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タロットで遊ぶ名人&甘党占い師・桜田ケイ、蜘蛛とオカルトをこよなく愛する占い師・LUA、そしてカード会社「ヴィジョナリー・カンパニー」のイケメン広報・山室景志郎、そしてタロット沼に導かれた元マイカレ編集部員・馬場(+司会・マイカレ編集長)。この4名が集まって、ただただタロットの話をする会をオンラインで催した記録です。

〈昼ドラ〉から連想されるカード2枚を当てよ!

編集長:1人がタロット2枚を引いてそこから言葉をイメージ、それが何のカードかを想像だけで当てる「タロット連想ゲーム」。今度は馬場さんにお題を出してもらいましょう。

馬場:あ、はい。では2枚、引きますね。
あー、これは……〈昼ドラ〉です。

編集長:さあ、皆さんどうでしょう。馬場さんが引いた2枚のカードが何か、78枚の中から想像してください!

LUA:なんか……、3枚思い当たるのがあるんですけど(笑)。

桜田:そこから2枚にするのが難しいですよね。

編集長:確かに。何を捨てて、何を選ぶか。そこにセンスが表れますね。
それでは皆さん、出してください……ドン!

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馬場:正解はこちら……〈吊るされた男〉〈ペンタクルの9〉でした。

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編集長:おお……こう来ましたか。やはり「愛人カード」として有名な〈ペンタクルの9〉は含まれていましたね。もう1枚は〈吊るされた男〉なんですね。この2枚の、どの辺が「昼ドラ」なんですか?

馬場:昼ドラって幸せな恋というよりは、がんじがらめになった苦しい恋が多いじゃないですか。だから愛人である〈ペンタクルの9〉に縛られてドロドロ、みたいな。あるいはこの〈吊るされた男〉は〈ペンタクルの9〉に仕留められているところかもしれません(笑)。

編集長:吊るされているというか、拘束・監禁されているんですね、すごい……。そういう意味では桜田さんの〈悪魔〉が近いですか? 〈ペンタクルの9〉も当たっていますし。

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LUA:桜田さんの〈悪魔〉は、良心の呵責みたいな感じがしますね。触りたいけれど触れない感じが出ている。

馬場:すごい……。〈悪魔〉の2人って、恋人同士というよりも、愛人っぽいですよね。

桜田:〈恋人〉ともちょっと迷ったんですよね。

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山室:僕はわかりやすく〈恋人〉と〈ワンドの5〉で愛憎劇ですね。

編集長:愛(恋人)と憎?(ワンドの5)が組み合わさってますね。

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LUA:私の場合、「昼」だから〈太陽〉にして、「メロ」だから、悲しんでいる〈カップの5〉だな、と。

編集長:このお題でまさか「昼」の要素を入れようとする方がいるとは思いませんでしたね(笑)。こうやってみていくと4人中2人が選んだ〈ペンタクル9〉の「THE 愛人」感がすごいですね。

馬場:ライバル格の女性というか、したたかなイメージもありますよね。

編集長:確かに。同じペンタクルでも〈ペンタクルのクイーン〉のほうが、正妻っぽい感じがしますね。

LUA:しますね。

山室:怖い……金が絡んでくるということですね、ペンタクルだし

馬場:三角関係できちゃいましたね(笑)。

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桜田:病院の院長〈ペンタクルのキング〉と院長夫人〈ペンタクルのクイーン〉で、そこで働いている女〈ペンタクルの9〉みたいな……。

LUA:何か、すごく地味な女(=ペンタクル感)なんだけど、でもやってることはちょっと下衆いよね、みたいな。

桜田:ヤバいな(笑)。

山室:リアルですね。もう、そうとしか見えなくなっちゃったりして。

タロットはドラマに置き換えられるか?

編集長:不倫はカップじゃなくてペンタクルだというのが意外です。

LUA:確かに「昼メロ」って、「かわいそう」とか「つれない」という感情がつきものだからカップ感だと思いきや、意外とペンタクルかもしれないですね。「正妻になりたいけど、してもらえない」とか「別れたいけど、慰謝料払いたくない、子どももいるし」とか。お金とか立場が絡んできちゃうと、カップではまかないきれないんですよ。

編集長:……確かに! カップ同士なら惹かれたらただ結ばれただけで「めでたしめでたし」でいいですけど、ドロドロになっていくきっかけはペンタクル要素かもしれないですね。ワンドでは、そういうドラマは起こらないでしょうし……。

桜田:ワンドはスポコンな感じ。

馬場:わかります、すごく!(笑)

山室:なるほどー。

編集長:そうですね、ワンドだとそういうドロドロした物語、起こらないですね、多分。

桜田:ドラマでも『あまちゃん』とかは、カップの物語かもしれない。

馬場:ソードだと、どうなんですかね?

LUA:『火サス(火曜サスペンス)』とかかもしれませんね。なかでも死体感がある〈ソードの10〉は、いきなり海辺で発見された人、みたいな。

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一同:(笑)。

桜田:ちょっと日本海側の感じもありますしね。

LUA:それで〈ソードの7〉が刑事の聞き込みシーンみたいな(笑)。こういう人(ソードの5)が嘘ついたりするんですよ。

山室:〈ソードの8〉もラスト、崖で追い込まれてる人みたいなイメージがありますね。

編集長:ソードが『火サス』枠……。小アルカナがドラマの時間帯にたとえられるっていうのは新しい発見ですね。「月9」だと何でしょうか。

桜田:「月9」だと、大アルカナの話になりません? お金かかってそうな豪華キャストじゃないですか。

編集長:有名人がたくさん出るオールスター感が、まさに「月9」ですね。まさかの「ドラマにたとえられるタロット」の話になるとは……。

桜田:タロットは、すべてにたとえられるものなんですよ

編集長:ふ、深い……。深すぎる。

LUA:うん、確かにそうですよね。

タロット2枚で『タイタニック』を表現できるか?

桜田:じゃあこの逆パターンで、話題になった映画やドラマのタイトルを、タロット2枚で表現してみるってどうです?

編集長:やってみましょう。皆が観ているであろう映画……『タイタニック』とかどうですか? それだと水(カップ)に偏ってしまいますか?

桜田:いいんじゃないかな。やってみましょう。

LUA:これ、『タイタニック』への思いもカギになりそうですね。私、正直おもしろさがよくわかっていなくて。「感動するらしいから行こうよ」って誘われて観に行ったんですが、「どこが?」みたいな感じで帰ってきたんです。そういうイメージしかないから、変なカードを出したくなっちゃうかもしれないです。

桜田:自分もそう。一緒に行った子と「どこで泣くの?」って話しながら帰ってきて、それでちょっと仲良くなれたという記憶があります。

編集長:皆さん、意外と『タイタニック』にいい思い出がないみたいですね。大丈夫かな……(汗)。

~カードのチョイス中~

LUA:今、カードを探していて思ったんですけど、タロットの中におばあさんっていないですよね。あっ、〈ペンタクルの10〉がいるか。でもおじいさんだか、おばあさんだかわかんないですよね。

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桜田:あー、確かにそうですね。〈ペンタクルの10〉はおじいちゃんかな、と思ってますけど。

LUA:そうですね、ひげ生えてますもんね。そうすると、おばあさんいないですよね? 〈隠者〉も違いますしね……。これ、今なら男女差別問題に発展しかねませんね

桜田:そうですね。確かに、タロットの中におばあちゃんっていないなぁ。そう考えると〈女帝〉って、もうちょっと年齢上でもよさそうですよね、立場的に。

LUA:そうですね。ちょっと若い愛人感ありますよね?

桜田:側室って言っときましょう(笑)。

編集長:まさかの「タロットにおばあちゃんがいない」……タロット狂が集まると新しい発見が多いですね。そして皆さん、『タイタニック』はどうですか、カードで表現できそうですか。

馬場:はい! 私は何とか。

山室:できました!

編集長:皆さん、用意はいいですか? それではオープン!
LUA先生のカードから見ていきましょう。

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LUA:この人(カップのキング)、ディカプリオに見えますよね?

馬場:LUA先生、昨年の座談会(「マイカレンダー」2019夏号「今号の3人」P91)では、〈カップのキング〉を「美川憲一」っておっしゃってました(笑)。

LUA:美川憲一にも見えるんだけど、何だろう……メイクきつめの、唇赤い男子、みたいなイメージですよ。あと、やっぱり船のイメージです。そして〈隠者〉は、本当はおばあさんだとうれしいんですけど、いないから、しょうがなくピンチヒッター、みたいな感じですね。

馬場:しょうがなく(笑)。でも、『タイタニック』で過去を振り返ってるシーン、ありますよね? 

LUA:ラスト、ディカプリオの美しさを思い浮かべてるおばあさん、みたいな感じはするかもしれないですね。

編集長:その辺りは〈隠者〉っぽいかもしれませんね。
では次、山室さんが『タイタニック』から連想した2枚とは……?

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山室:僕、実はあんまりストーリーを覚えていなくて……。何か、船で……バカみたいに波が立ってて、船の上で浮気、みたいな。あれ、浮気する話ですよね?

編集長:超ざっくりなあらすじですね。

山室:フィアンセみたいな人がいるのに、ディカプリオといちゃこらするっていう……。何か、船で、海で調子に乗ってて、そしたら相手は海に沈んで死んじゃった、みたいな。

LUA:その解説を聞いて、いい映画だったなって気がしてきました。
「おいしい人の映画だったね」って。

編集長:皆さん、それぞれ『タイタニック』の見どころが違いますね……。では桜田先生、その心は……?

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桜田:ディカプリオ、確か貧しいけど頑張ってゲームに勝って船に乗った、みたいな感じでしたよね?

編集長:そうですね。そこで〈ワンドの7〉なわけですね。

桜田:そう。最終的に主人公の女の人が、沈んでいくディカプリオを見ながら、次へ進んで行った、っていうことで〈カップの8〉。

山室:ああ、そういう話でしたね。

編集長:……定番の名シーンがまったく出てこないのはなぜなんですかね!? ディカプリオが船首で「俺は世界の王だ」と叫ぶシーンとか、沈みゆく船の上で楽団が演奏する場面とか、もっといろいろあると思うんですけど……。

馬場:私は、正直〈塔〉も迷ったんですよね。

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LUA:激しい事故でしたもんね……。

編集長:え、そこですか!? 今、そこ取り上げます??
そんな馬場さんが選んだカードとは……?

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馬場:この2枚です。映画全体のイメージは壮大なラブストーリーなので大アルカナの〈恋人〉にしたのと、救助ボートのシーンが印象的だったので〈ソードの6〉。死んでいくイメージもあるので、このカードにしました。

編集長:こんなにダイレクトに船(救命ボート)が出ているカードがあったとは……。忘れていましたね。

桜田:そうですね。

LUA:すっかり忘れてましたね。

編集長:それぞれの『タイタニック』を表現していただきましたが、皆さん、小アルカナばかりですし、そんなにこの映画に思い入れがない、ということだけがよくわかりました。

……と、何となく微妙な終わり方になりましたが、お題の出し方さえ間違えなければ「タロットで連想ゲーム」は、オンラインでもできる楽しい遊びなので、ぜひ皆さん、タロット友達と挑戦してみてください!

残り2回、番外編はこちら!

PROFILE

桜田ケイ
さくらだけい●乙女座。タロット占い師、風船大道芸人、イベント屋など多岐にわたる活動を展開。ポーカー、カルタ、神経衰弱などタロットで遊ぶ名人。甘党。ブログでニッチな週末占いを更新中。https://uranaiyasan.sakurada-ke.com

LUA
るあ●水瓶座。タロット本のベストセラー『78枚シリーズ』(日本文芸社)の著者。蜘蛛とホラーをこよなく愛している。ワンド・カップ・ソードの「神の手」コスプレを実演。
https://twitter.com/lua_de_suga

山室景志郎
やまむろけいしろう●射手座。本誌P79 にも登場した「ヴィジョナリー・カンパニー」のイケメン広報。仕事でカードに接していたらいつの間にかタロット沼にどっぷりハマり、自ら占うまでに。
https://www.visionary-c.com/

馬場
ばば●牡牛座。〈ペンタクルのA〉や〈ソードの 2〉を演じ、休日には〈運命の輪〉や〈ペンタクル〉のパンケーキを焼く体験型タロット愛好家。マイカレ WEB 連載「反復横跳び」
元担当。イラスト/海老原
https://mycale.jp/articleDetail.php?aKey=121

司会/マイカレンダー編集長・山田


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