見出し画像

風の時代座談会 男性星座番外編 #2|風の時代の判断基準とは

「マイカレンダー」2021年冬号で行った初の試み……それが12星座座談会!

画像2

男性星座(火・風)の先生6人、そして女性星座(土・水)の先生6人にお集まりいただき、鏡リュウジ先生と円卓を囲み(実際はオンラインですが)来る「風の時代の新生活様式」を検証していく、というものでした。

この豪華メンバーの座談会がとてもではないけれど2pに収まるはずなく!
載せられなかった番外編をお届けします!

男性星座座談会(火・風)にご参加いただいた先生は、こちら!

牡羊座(火)……森村あこ先生
双子座(風)……まーさ先生
獅子座(火)……SUGAR先生
天秤座(風)……Love Me Do先生 ※お仕事のため欠席
射手座(火)……竹内俊二先生
水瓶座(風)……青石ひかり先生

座談会_男性星座

今回ももちろんオンライン! 東京以外にお住まいの先生ともつながれる、素晴らしい時代になりました。※取材が行われたのは2020年11月中旬です。

第1回は主に自己紹介で時間が終わり……。いよいよ本編に突入します!


* * * * *

改めて2021年はどうなる?

――そして昨日の女性星座会が進行の関係上、2020年の振り返りが多めになりましたので、男性星座会では、ぜひ未来に向けてのお話をいただけたらと思います。

鏡:風と火のエレメントの皆さんですからね。女性星座会で出た重要な話をダイジェストでお伝えすると……。
アイビー茜さんが「風の時代になると、弱者にとって生きやすい時代になっていくだろう」と。というのもコミュニティ内でのハブ(村八分)にするとかいじめとか、閉ざされていたコミュニティ内に風が入って、つまり監視されるようになるからなくなっていくのでは、と。またコミュニティが林立していることがわかってくるから「ここ住みにくいな」と思ったら、別のところに行けばいいということになるから、仲間内でのハブやいじめ、スケープゴート(山羊)がなくなるのでは、というお話でしたね。その一方で、小さいコミュニティになればなるほど、そういうことが発生しやすくはなるだろうなあと僕が言ったら、いけだ笑みさんが子ども世代の裏アカ(アカウント)の話をされて。例えば今日はこうして皆で話しているけれど、別のところで「SUGAR、あいつつまんねー」とかチャットしている可能性もある。

SUGAR:こわ! 本当にやりそうで怖いです(笑)

鏡:それで僕が言ったのが、逆に全部スクショとかされて記録に残っちゃうから、明るみに出ちゃうこともあるわけでしょ? って。ちょっとネガティブな話になってしまったんだけど、そういうのを使いこなして、みんなある種のリテラシーが高まっていって、生身で会うとか、人を信用する時とは別の、ネット上における人間関係のための、別の「センシティビティ(感性)」みたいなものが、長いスパンで見たら生まれてくるんじゃないか、って話だった。

――特にそうした情報の取扱いに長けておられるであろう、風のエレメントの先生方に、そのお話をぜひ伺えたらいいなと思っています。

SUGAR: 2020年は皆さん「風の時代が……」っていう話をあちこちでしたり、聞いたりしていたと思うんですけど、やっぱり「怖い」っていう方が僕の周りにも結構いたんですよね。
今まで土的なもの、目に見える形で「頑張れば報われる」というものを信じてやってきたのに、「風の時代」とかよくわからないことを言って、ちょっと情報感度が高い人とか、スピード感がある人が時代に適応していったり、まじめにコツコツやるタイプの人が馬鹿にされるんじゃないかとか。

風と土ってエレメントで考えると適合させるのが難しい組み合わせじゃないですか。イメージでいうと、土が頑張って育てているのを、竜巻がやってきてガーッと土ごと巻き上げちゃうとか、散らされちゃうとか、消されちゃうとか……。
でも、土と風を上手に組み合わせた例としてクラウドファウンディングとかはそうじゃないかなと思うんです。映画『この世界の片隅に』とかがそうでしたよね。資本は少ないけど「こういう映画を作りたいんですが、興味ある人は投資してくれませんか?」って。それが集まって、結果的にヒットして話題を呼んだというのは、土と風の組み合わせのよい面が出たのかな、と。だからもともとの資本の少なさが理由でこれまでだったら色んな可能性を諦めざるを得なかった人たちにとっては、生きやすくなるだろうと言えるとは思うんです。でも、それには確かに鏡さんが言及されてるような、ある特殊な「センシティビティ」が必要になってくると思うし、例えば地域活性専門のコミュニケーターとか、既にそれを専門職とする人も出てきていますよね。

――確かに「風(情報)×土(お金)=さらに大きなお金が生まれる」みたいなイメージはありますね。

SUGAR:仮想通貨なんて、もろにその象徴ですよね。ただ、特に土的な人は変化に対して、どうしても抵抗したくなる傾向が強い。それはそういう土的なものや人、例えば家父長制だとか、現行の婚姻制度やそれにのっている人が単に悪いからダメということではなく、そういう「おっかない」という気持ちや、不安や痛みがどういう風にケアされていくといいのか、というのが当座は問題になってきそうだなということを最近は考えていました。

風の時代、それ以降の働き方

――その大本に、どんな人のどんな仕事も「この先どうなるかわからない」という、うっすらとした社会不安があるような気もします。例えば自分が勤めている会社が倒産するかもしれない、仕事がAIにとってかわられるかもしれない、といったことを考えると、未来がどよーんともやがかって感じられる……。そこで風の時代の働き方は、これからどうなっていくでしょうか?

森村:本業があっても、別の名前で違うことをやっているとか。あるいは医師の資格があるのに、実は養蜂家だったり狩猟家だったりとか……。「これ」というものがメインでありつつも、他のものを増やしていくような働き方が流行っていくのかな、という気はしますね。

青石:私自身、占いと音楽と、そういう活動をしていますが、どちらもおもしろがれるし、一つだけをやるよりも相互にいい影響を与え合える。まさに「二毛作」のイメージですね。

森村:そうそう。実際に、そういう人が増えたなという印象があります。SNSでも、あえて本業を書かずに趣味だけをプロフィールに書いている方とかたくさんいますけど、「だいぶ変わったな」「仕事重視じゃなくなったんだな」というのは感じます。

――仕事アカウント、趣味アカウント……と使い分けている方も多数いらっしゃいますよね。

青石:2021年はますますそうなることを願います(笑)。

森村:まだ走り、これからですね。

ビュー数やフォロワー数はアテにならない?

――そういう意味では、風の時代は「個性が大事」と言われています。でもその個性がよくわからなくて、迷っている人も多いですね。「変わらなきゃ」「何か見つけなきゃ」という焦りに駆られているというか……。

鏡:とはいえ、「個性」というのが、客観的に数値化されすぎちゃっている傾向はあるよね。ビュー数を稼げるとか、収入につながっているかとか……。数値や成果に直結してしまっていて、せっかく多様なものが生まれてきているのに、それに対する評価が割と単純化してしまっているという、「未熟な風」の状況が生まれている気がするんですよね。

SUGAR:この間、僕がすごく気に入って通っているお店に友達を連れて行ったんですね。そのとき、友達が「さすが、食べログの評価高いですもんね」ってお店の人に言ってしまって。

鏡:それ、店の人にはカチンとくるよね(笑)。

SUGAR:当人は良かれと思って言っているんですけど、「いやいや、そういうんじゃなくて」って。そういう「レビュー★5つ」とか、「SNSフォロワー○万人」というのが、マーケットの中で価値を持ったり、評価されたりすることを素朴に「すごいことだ!」って思い込んでしまっている。そういう数字だけで価値観が形成されてしまうのは、未熟な風と言わざるを得ない部分ですし、こうした傾向は先の友人に限らず、少なからず私たちに内面化されているんじゃないでしょうか。

まーさ:「評価の低いお店に行きたくない」みたいな……なんというかコスパ重視? みんなが「いい」って言ってるとこに行けば間違いないだろう、間違って損をしたくないっていう発想が、その根底にあるのかもしれませんね。それは終わりかけの土と未熟な風の混ざり合い、みたいなイメージがあります。

――終盤の損得(土)と序盤の情報(風)というわけですね。そういうビュー数とかレビュー評価に依らない、情報の選択基準を持つにはどうしたらいいですか? これは一日前の女性星座座談会でもテーマになったことなのですが……。その時は「情報を判断するための、新たな身体的器官が発達してくるのではないか」というご意見もありました。

森村:他人の評価を探さないことじゃないでしょうか。

――他人の評価を探さない……なるほど。そもそも、そうですね。

竹内:事前アンケートで、まーさ先生が書いてらしたことに非常に共感したんですけど、「自分1人で判断ができるかできないかが、風の時代は大事になってくる」と。フォロワー数が多いとその人は信頼できるとか、レビューを鵜呑みしてしまうとか。そうではなく、直接自分で確かめる情報精査能力が必要になってくるんじゃないかな、と。

青石:まさにそうですね。

竹内:それができないと、一方的に搾取されてしまったり、うまいこと踊らされてしまったり、ということがあるのかもしれません。

鏡:なんか……自分がおっさんになってきた気がするんですけど(笑)。同年代の青石さんにはわかっていただけるかな。僕らの時代って「ベストセラーを読むの恥ずかしい!!」って感覚がなかったですか?

青石:あ、村上春樹とかね……『ノルウェイの森』、恥ずかしい! みたいな。

鏡:そう。今だったら「鬼滅を今から読むの、読むの恥ずかしい!」みたいな。ベストセラーとか、注目されているものを買ったり、体験するのが恥ずかしい。でも気になるから、こっそり読むとか。
つまり自分がマーケティングされている人間であること、誰か(売り手)の思うツボになっているのは恥ずかしいという感覚を、これからどういう風に持っていけるのかな、と思います。もちろん自分で判断することは大事だけど、これだけ情報があったら、それだけで判断するのは、むしろ危ないんじゃないかな、と。
それを補うのはすごく身近な、それこそ水や土、いわば「ぬか漬けの世界」というか……。コミュニティの中で、生身の人とふれ合っていく中で調整されていく感覚じゃないと、危ないんでは、っていう気がするんだよね。

――なるほど……。情報の海の中で情報を判断するのって、なかなか難しいというか、誰かに踊らされる感覚が常にあるというか……。
例えば、誰かに贈り物をする時に、ネットで「ギフト 人気 上司」みたいに検索して出た結果よりも、誰かにかつて贈り物としてもらって「おいしい」と自分も身をもって体験したことがあるもののほうが、確かな感覚ってあるかもしれないですね。その辺がWEB上の情報と、生身の体験の違いなのかもしれません。

SUGAR:エレメントの構図で言うと、風の反対は水ですよね。「自分の判断基準を持つ」という話がありましたけど、その判断基準それ自体が、誰かにマーケティングされちゃう危険性をはらんでいる。そんな時に「マーケティング」を相対化してくれるものって、言葉で言うと「エモさ」というか、何て言うのか……。自分の「名前のついていない感情」?
「全米が泣いた!」じゃない。「全米が泣いたかどうかとかどうでもいい!」みたいな。「うずく」というのかな……。何というか、大嫌いと言いながら、狂おしく好き、みたいな矛盾した感情。

鏡:さっきの話(マイカレ本誌「縛り愛」をご覧ください)にあった、山羊座と蠍座の人のケンカみたいな感じが、まさにそれなのかもね(笑)。

(男性星座番外編 #3へ続く)

PROFILE

鏡リュウジ
かがみりゅうじ●魚座。心理占星術研究家、翻訳家。占星術に心理学的アプローチを交えた「心理占星術」を日本に紹介。待望の新刊『占星術の教科書Ⅲ』(原書房)が発売に。

森村あこ
もりむらあこ●牡羊座。ホロスコープカウンセラー、西洋占星術研究家。女性誌を中心に執筆多数。主な著書に『アルケミアタロット』(実業之日本社)など。http://akomorimura.blogspot.com/

アストロカウンセラー・まーさ
あすとろかうんせらー・まーさ●双子座。西洋占星術とトランプを融合させた独自のスタイルで人気。著書に『12 星座相性★虎の巻』(実業
之日本社)ほかがある。http://www.planetmartha.sakura.ne.jp/

SUGAR
しゅがー●獅子座。慶應義塾大学哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009 年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。http://astro-ragus.com/

竹内俊二
たけうちしゅんじ●射手座。占星術家。個人鑑定と初心者からプロまで楽しめる「ねこでもわかる占星術講座」を開催。趣味は料理とイラスト。京都芸術大学通信教育部に在学中。https://soranoiroha.jimdo.com/

青石ひかり
あおいしひかり●水瓶座。1994 年から雑誌を中心に占い原稿を寄稿。現実に起こる事象と天体の動きのシンクロに多大な興味を持つ。著書に『BLUELABHORO-SCOPEBOOK』(創藝社)https://ameblo.jp/kiraz2016/

聞き手/マイカレンダー編集部・山田

残念ながら座談会には参加できなかったLove Me Do先生には、別途「風の時代」についてお話をうかがっています。こちらの番外編をチェック!



いただいたサポートは、占い界のさらなる活性化をはかるべく、「マイカレンダー」本誌や新しいnote記事の取材・制作費にあてさせていただきます!