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風の時代座談会 女性星座番外編 #2|新しい時代の他人との距離感(ディスタンス)

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「マイカレンダー」2021年冬号で行った初の試み……それが12星座座談会!
男性星座(火・風)の先生6人、そして女性星座(土・水)の先生6人にお集まりいただき、鏡リュウジ先生と円卓を囲み(実際はオンラインですが)来る「風の時代の新生活様式」を検証していく、というものでした。

この豪華メンバーの座談会がとてもではないけれど2pに収まるはずなく!
載せられなかった番外編をお届けします!

女性星座座談会(土・水)にご参加いただいた先生は、こちら!

牡牛座(土)……みずまち☆ゆみこ先生
蟹 座(水)……いけだ笑み先生
乙女座(土)……桜田ケイ先生
蠍 座(水)……千田歌秋先生
山羊座(土)……アイビー茜先生
魚 座(水)……ニシー(#占う男)先生

座談会_女性星座

番外編第1回では、これだけ「風の時代!!」が大きな声で叫ばれる今、「時代の"風”が取りこぼしてしまうもの」について女性星座ならではの視点で語っていただきました。

さらに「情報社会」と言われる中で「距離感」と「プライバシー」について、氾濫する情報の中をどう泳いでいくべきか、お話をうかがいました!

* * * * * *

ソーシャル・ディスタンスと風の時代の恋愛

――今(番外編第1回)のお話に関連してぜひうかがいたいのが、ソーシャル・ディスタンスになった時に、家族のいない人、1人暮らしの人たちが孤独に陥りがちだったと思うんです。それと同時に2020年、占いの記事ですごく困ったのは、恋愛のテーマなんですよね。「飲み会の誘いは断らないで」「異業種交流会へGO」……なんて書けない状況でした。

鏡:そうなんだよね! ほんとに書きにくい……。

――「出会いを求めて合コンへ」なんて気軽には言えない、ソーシャル・ディスタンス時代の恋愛について、ぜひ先生方の見解をうかがいたいです。

鏡:若い子たちは、以前からアプリでバンバン出会ってるじゃない?

アイビー:今まではアプリに虚無感を抱いていた人って、すごくたくさんいたと思うんですよね。でも風の時代になって「風の星座に土星が入る」って考えると、アプリがより「現実的な感じ」になってくるのかな、と思います。

鏡:とはいえ、アプリで知り合っても、そこからリアルで会うっていうのはなかなかハードルが高くはありますよね……。

千田:占いの現場では、とりあえずアプリで婚活をしたけれど、なかなか実際に相手に会えないという不満を抱えている人も多いですね。

桜田:アプリもちゃんと身分証明書を登録するところが増えてきていて、昔よりも安全性は増してきているとは言いますが……。

千田:詐欺に遭ってる人、すごくたくさんいますもんね。遭ってからじゃなくて、詐欺に遭う前に占いに来てくれれば!

鏡:常識的なアドバイスをしてあげるのに(笑)。

――なるほど。風の時代は「出会いのツールとしてのアプリ」は当たり前のものになっていくということですね。

鏡:でも、それは遥か昔からあるんじゃない? 形は違えど趣味の掲示板とか……。

いけだ:ニフティサーブとかの時代ですよね?

鏡:そうそう。

桜田:テレホタイムとか、懐かしいですね。

鏡:最初から趣味なんかの共通項がある人たちは、風の時代は出会いやすいんじゃないかな。アイビーさんのおっしゃってるような「いろいろなコミュニティ(ムラ)がある」ということだから。でもムラこそ、村八分が起こるからね?

桜田:そうですね……。

鏡:都会の良さというのは、匿名性があるということでもある。監視社会だからいじめができなくなると同時に、半ば強制力が働くから息苦しくなっちゃうこともある、という両面があるよね。ただアイビーさんがおっしゃるように、ムラ同士間の移動が前より楽になったことによって、居心地が悪くなったらすぐに脱出できるという一面もある。

桜田:ちなみに2020年、オンライン飲みって流行ったじゃないですか。でもオンライン飲みからは恋が生まれないって話があって。結局、飲み会で恋が生まれるのって、1次会が終わって、2次会に移動する時に「ちょっと2人で抜けようか?」みたいなのがあったりとか、トイレ行った時に偶然会って、「あ、そういえば!」みたいな話になったりした時じゃないですか。そういう恋が生まれる余白。でもオンライン飲み会って、今の段階だと余白がないんですよ。

――確かにないですね……。ずっと画面ごしに向き合っていると、なんだかちょっと疲れる感じもありますしね。

いけだ:……プライベートチャットっていうやつがあってだな!!

――い、いけだ先生、どうされましたか。

いけだ:今日もこうやって、表向きは皆でしゃべっているじゃないですか。でも裏で私がニシーくんに「今日、この後どうなの」ってプライベートチャットしている可能性があるんですよ。

一同:(笑)。

いけだ:今、私が誰かにメッセージを送っていたとしても、誰にもわからない。表でにこにこ笑って会話しながら、アイビーさんに「鏡さんサイテー」って送ってるかもしれないし(笑)。だから、こういう時代だからプラトニックっていうのは恐ろしいほどあり得るんです。

桜田:確かに、その手はありますね……。

いけだ:「ボディタッチ」までいくと相当スムーズに動くアバターを作らないと無理かもしれないですけど、そういう裏駆け引きが行われる余地は十分にありますよね。

鏡:より複雑、濃厚になるかもしれないね、人間関係が……。

すべての証拠が「スクショ」で残る時代

――疑心暗鬼で大変なことになりそうですね。「こうしている間にも、裏で……」とか。

いけだ:LINEでもグループの二重・三重構造というのはよくありますよね。表では5人でしゃべってるのに、そのうちの4人だけが裏チャットで悪口言って、1人を微妙にはぶる、みたいなことをする人がいる。それで泣いている子どもたちがたくさんいるんです。

鏡:そうだよね、それは怖いなと思う。しかも文字でそれをやっちゃうから、証拠が残るんだよね。

いけだ:そう! 何でもスクショを撮れるし、それを公開することもできる。アイビーさんの言う「スケープゴートの消滅」にしてもそうで、今まではマスコミとか、特定の権限を持つ者にしか、カメラは与えられなかったんですよ。
でも今は女性の割礼とか「こんな酷いことが起きている」ということを世界に、国連に告発することが、特定の層以外の人でもできるようになっている。個人にカメラとマイクが与えられていて、SNSを使えば一気に拡散できるから。そういう意味では、秘密裏に何かをやっているつもりでも、できないんです。
だから桜田さんが言うこともやっぱり正解で、私が裏チャットで送ったものをスクショしたニシーさんが、マイカレさんに「いけだ氏がパワハラをしてくるんです」と告発する可能性もあって。

一同:(笑)。

――「余白」で秘密裏に行われたはずのことが、何かの拍子に表に出てしまう可能性がある……。

鏡:メールのやりとりとかで「残ると怖いな」って話は電話でしちゃったりするけど、電話だって録音されるかもしれないしね。

いけだ:そうなんですよ。だから秘密ができない。そういう構造を考えると、まだ我々がこうしたツールを使いこなせていないのかもしれない。使いこなした先にあるのは、今の社会が根底から覆るくらいの状況なのかもしれないですね。

鏡:あらゆる証拠が残る世界になっていくね……。しかもそれをいいように切り取って使われちゃうわけだから。「みんなの目があるから」こそ、それが増幅されてやばい事が起こる可能性もあるわけだ。

身体も「風の時代仕様」に進化する?


――すべての記録が残る割に「相手を信じられない」ということが起こりうるわけですね。ちなみにテレワークでも社員同士が顔を合わせなくなることで「あの人、働いていないんじゃ」といった疑いや、「自分の知らないところで抜け駆けを……」みたいな嫉妬が生まれていたりするとも言いますね。人と人との距離が生まれたのに、愛憎はいっそう募る……。我々はそういう時代を生き抜くために、どんなことを心に留めたらいいでしょうか?

いけだ:何がフェイクで、何がそうじゃないのか、調節するアンテナを、各々が持ってなきゃいけないでしょうね。それって私たちが土の時代に、実際に土を触ったり、肌で感じたりしながら、身につけてきた五感の1つじゃないですか。風(情報)に対する五感も絶対に進化していくんですよ、土に対する五感が退化していくと同時に。だから人間の脚はもっと細くなって、いずれ歩けなくなっていくでしょうけども。
情報リテラシー、情報をどう扱って、ふるいにかけるかのアンテナが進化していく。それは耳が良くなるのか、鼻がよくなるのか、第6の器官が生まれるのか……はわからないですけど、そういう進化の過程にいるんじゃないかと。

鏡:それが多分、さっき(番外編第1回)ニシーさんがおっしゃっていたことだよね、きっと。風で言語化できないものを感じ取る力

いけだ:そうそう。だから、さらなる器官が発達してこないと、何の情報が正しくて、どの情報がフェイクなのか、見極めることは多分できないんでしょうね。

――今我々はものすごい進化の過程にいるんですね。それは一朝一夕には解決できるものではない、ということですね……。

ニシー:風の時代は「ネットワークがつながるのは当たり前、だけど心がつながるのは当たり前じゃなくなる」ということですね。

鏡:そのためにはやっぱりコミュニティ、アイビーさんがおっしゃっている、今までとは違う形の村(ムラ)が必要になってくる、と。

アイビー:そうですね。ホーム的なものが……。

いけだ:LINEのグループとかは、一瞬で相手をブロックしてそこから抜けるっていうことが可能なんですね。実際の土地だったら、引っ越し業者を呼んで、荷造りをして、何日もかけて脱出しなければならないところを「アカウント抹消!!」とパン!と後腐れもなくいなくなれる。そしてそれ以降、その人を追求することもできない。土の時代における弱者、スケープゴートを生み出す構造自体がなくなるとおっしゃっていることが、私にはすごく響きますね。実際、そうなってきているし。

鏡:でもそうすると、リーダーになりたくない人が増えてくるよ? 有名になりたくない人、今は増えてるじゃない?

いけだ:そのフラットさが、水瓶座の表すものなんでしょうね。だから目立って矢面に立ちたくない。

鏡:それはそれで社会の循環が起こらなくなってくると思うんです。誰かが機軸となって、リーダーシップをとらなきゃいけない場面って、やっぱりあるからね。でもリスクのほうが大きくなれば、誰も手を上げなくなるし、責任を取らなくなる。

――こうした水瓶座的・平等な社会の課題とも、ゆくゆくは向き合っていくことになりそうですね……。

(女性星座番外編 #3へ続く )


※今回の座談会がどういう経緯で行われたのか……裏話はこちら!

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鏡リュウジ
かがみりゅうじ●魚座。心理占星術研究家、翻訳家。占星術に心理学的アプローチを交えた「心理占星術」を日本に紹介。待望の新刊『占星術の教科書Ⅲ』(原書房)が発売に。

みずまち☆ゆみこ
みずまち☆ゆみこ●牡牛座。有限会社アクアチッタ代表取締役。グラフィックデザイナー兼占い師として活動。2003年より独学で西洋占星術を始め、わかりやすい占い講座にも定評があるhttps://acquacitta.com/luce/

いけだ笑み
いけだえみ●蟹座。1999年頃から占星術のプロとして活動開始。雑誌への原稿執筆、講師活動、研究会主催に携わる。主な著書に『基本の「き」目からウロコの西洋占星術入門』(説話社)など。http://astro.secret.jp/

桜田ケイ
さくらだけい●乙女座。タロット占い師。占いライター、風船大道芸人などとしても活動。著書に『はじめてでもすぐ占える かんたんタロット』(グラフ社)がある。甘党で有名。http://uranaiyasan.sakurada-ke.com

千田歌秋
せんだかあき●蠍座。東京の麻布十番にある、占いカフェ&バー「燦伍」のオーナー占い師兼バーテンダー。ビブリオマンシー(書物占い)の普及にも努めている。https://khakisenda.wixsite.com/eranos

アイビー茜
あいびーあかね●7歳の時に絵画教室でタロットや占星術の資料にふれたことをきっかけに、この世界へ。宿曜経を現代版リデザインした「ルナモンスター占い」の作者。http://ivy-akane.com/

ニシー(#占う男)
にしー●魚座。#占う男。2005 年、ロックバンド「STAN(STAn)」の Gt.&Vo.としてデビュー。バンド解散後、占いの道へ。「場所は問わず、どこでも行く」スタイルで占い鑑定を行う。https://twitter.com/nsikyg

聞き手/マイカレンダー編集部・山田


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