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嫌がる松村先生に、無理やり木星の話を聞いてみました|松村潔インタビュー#1

※この記事は2018/11/19に「マイカレWEB」に掲載されたものです。

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嫌がる松村先生に、無理やり木星の話を聞いてみました


――この「マイ カレンダーWEB」がオープンした(2018年)11月8日、木星が射手座へと入宮しました。

松村潔先生(以下松村):……最近はもう、そういう普通の占いやらないんだよね。普通の占いは飽きてきたから。今はぶっ飛び系しかやらない。

――先生……そんなこと言わないでください(泣)。でも、そもそも先生が普通の占星術に「飽きた」のはなぜですか?

松村:やりすぎたから。もう、ずーっと何十年もやっていると、擦り切れる。刺激がないから。今、刺激のあるおもしろいネタと言ったら、宇宙探索とか。

――この夏に発売された新刊『タロットの神秘と解釈』(説話社)も衝撃的でしたね。の「タロットカードを占いに使うということが気に入らない」というフレーズも。

松村:そう、「タロットは占いの道具ではなく、一種の経典です」みたいな感じで。あれも普通のタロットはもう飽きたから。ちょっと飛躍したものだとできる。普通の占星術は、他の人がやればいいじゃん。

――先生……(泣)。でもこの先、世の中がどうなっていくのか、先生にチャートを読んでほしい方がたくさんいると思います。世間的には「いよいよ木星が射手座に動いた!」「しかも木星は射手座の支配星だからいつもよりパワーも期待も大!!」という感じなんですけど、これからどうなりますかね。

松村:……それは単純に、木星は射手座の支配星なので、射手座的なものが元気になるんじゃない? 射手座っていうのは、12感覚(星座を12の感覚に対応させたもの)で言うと、運動感覚なのね。筋肉とか、肝臓とか。肝臓はいろいろ消化していく臓器でしょ。「いろんなものを消化したい、食べたい」、という欲張りな臓器。アルコールでさえもほしいわけ、肝臓は。その肝臓機能とか、身体の筋肉やジャンプする力に対応する射手座に支配星が戻るということで、それがよりピュアな形で出てくるようになる。

――つまり多くの人が「もっといろいろなものを見聞きしたい!」と思うようになったり、何かしら上に向かって“ジャンプ”したくなるということですか?

松村:例えば、射手座の手前の蠍座は依存サインなので、何かにくっついちゃったりする。そのくっついたものを射手座は引き離そうとするわけ。だから何かに依存したり、迎合したりするのをやめる方向になる。自由性を発揮して反発するから、嫌なものには「NO」と言ったり。あとは射手座の分野である思想性とか哲学性に、もっとハマって、盛り上がっていくんじゃない?

――全体に集団というより、単独行動が多くなりそうでしょうか?

松村:チームというか集団性はもともと、蠍座の性質だから。射手座の場合は、反発力とかバネ、独立性。火の力だからね。あとは、状況のわからない戦い。「相手がこう出たらこうする」「こう出てきたらこう返す」っていうのが柔軟サインの特徴なので。スポーツで言うと、射手座はサッカーとかラグビーとか、型にハマっていない、どう転ぶかわからない競技。それに対し、型のあるスポーツというのは、基本パターンがあってそれに忠実に近づけていくようなもの。アイススケートとかね。細かく俊敏に動く卓球なんかは、双子座になるんですよね。もっと大枠的に動くのが、射手座のスポーツの特徴。

――「大人数」で行う「球技」なんですね。確かにボールはどう動くか予測不可能ですし、チームで行う分、規模も大きくなりますね。

松村:集団対集団だよね。射手座の場合、個人プレイというよりは、集団に対する働きかけなんです。
とはいえ「集団でやる」ことが大事なわけではなくて。ただ自分が働きかける時に【一対一】は嫌なわけ。
【一対多】、よりたくさんの人たちにアピールしたい、働きかけたいというのがある。どうせ話題になるならワーッと皆に伝わってほしい、というか。
それが射手座の持つ「拡大する」という意味なんです。さらに大きくなる、太る、拡散するというのが木星の意味だから、大げさで派手になる。


2019年は、みんなちょっと元気になるかもしれない


松村:これまで木星があった蠍座が何かを「受け入れていく力」だとしたら、射手座は「反発する力」なので、例えばSNSで炎上しても別に気にならない。「ケンカ上等」なところがあるよね。

――2019年は皆、熱気を帯びてきそうですね……。

松村:それはそうでしょう。火のサインで、柔軟サインで。しかも戦いが嫌じゃなくて、何かを言われても押しのける元気があるから。

――炎上を恐れず、「むしろ広まってくれてよかった」みたいな感じになりそうです。

松村:だって古市さん(社会学者の古市憲寿さん)とか、よく炎上させているけれど、あれは本人は楽しいわけよ。

――確かに、おもしろがっている感はありますね。

松村:とはいえ、どちらかというと、反対側の双子座っぽいんだけどね。大きく広げて、もっと派手に炎上させるのが射手座。古市さんが炎上しておもしろがってるの、小倉さん(フリーアナウンサーの小倉智昭さん)だけでしょ。小倉さんは双子座で、情報関係は双子座が強いから、やっぱりそういう「ザワッ」とするものが好きなんだよね。やっぱり、マスコミとか情報関係の人って、不穏なものが好きでしょ?

――そうですね……予定調和なものよりは、不穏なもののほうが好きかもしれないですね(汗)。

松村:「話題」って常に不穏なことだから。予定調和だったら、話題がないじゃない。毎日話題を出すためには、毎日不穏じゃないと、騒がないと。ちなみにトランプ大統領って太陽射手座(※編集部注:正しくは月星座が射手座でした。)なんだけど、彼がケンカを吹っ掛ける時って全部、射手座式なの。最初に大きくふっかけといて、あとから譲歩する。まず最初に驚かせる、っていうのがあるんですね。


やっぱり侮れない、冥王星世代ごとの価値観


――なぜわざわざ、最初に吹っ掛けるんですか?

松村:それはやっぱり盛り上がりたいから。興奮したい、というか。

――実は私、射手座なのですが「精神的に昂揚したい」「盛り上がりたい!」というのは、必ずしも全員が持っている欲求じゃないんだ、ということに初めて気づきました。もっと穏やかに生きていきたい人も、この世の中にはいるんだな、と。

松村:まあ、それはそうなんだけど。これからはそうじゃない人も増えてくるんじゃない? 割と落ち着きタイプが多くなってきているから、それに不満を抱いて「こんなの嫌だ」という人間もボチボチ出てくると思う。特に冥王星が蠍座にある世代(1983~1995年頃生まれ)は大人しめだけど、その下の射手座世代(1995~2008年頃生まれ)は、いわゆる高度成長期を生きた獅子座世代(1937~1956年頃)と似てくると思うよ。

――なるほど、元気になりそうですね。ちなみにそのほかの世代はどうでしょう?

松村:乙女座世代(1956~1971年頃生まれ)は他を排して、とにかく自分の仕事に集中する。天秤座世代(1971~1983年頃生まれ)は、人間関係にバラエティ感を求める世代。すごく年が離れているとか、国籍が違うとか、これまでの常識にハマらない対人関係の形がたくさん出てきた。蠍座世代は水のサインなので、同化力、くっつく力が強くて、一体感を求める。彼らは同じく水のサインである蟹座の冥王世代(1912~1937年頃生まれ)と共鳴するわけ。いわゆる戦中派の人々だよね。今後は今の20代前半、射手座冥王星世代から弾け始めるんじゃない? ハロウィンとかで羽目を外しているのは、冥王星を射手座に持つ世代の人たちだと思う。

――海外の文化であるハロウィンにも寛容だし、「盛り上がりたい!」が目的なのかもしれないですね。それに対し、蠍座世代にとってのハロウィンは、羽目を外すというよりも「変容(コスプレ)」の意味合いが強いのかもしれません。ちなみに出生時の冥王星は、個々人でもそんなに影響が出てくるものですか?

松村:個人差ではなく、世代差だからね。その世代の中にいる人たちは自覚していないけど、外から見るとわかる、っていうところがあるよね。

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PROFILE

松村 潔
まつむらきよし●1953年生まれ。占星術、タロットカード、絵画分析、禅の十牛図、スーフィのエニアグラム図形などの研究家。タロットカードについては、現代的な応用を考えており、タロットの専門書も多い。参加者がタロットカードをお絵かきするという講座もこれまで30年以上展開してきた。タロットカードは、人の意識を発達させる性質があり、仏教の十牛図の西欧版という姿勢から、活動を展開している。

聞き手/マイカレンダー編集部・山田



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