映画Barbie/バービーの感想

2023年8月13日、SNS等での情報を殆ど入れずに鑑賞

面白い作品だと思ったが意外と評判は悪く、特に素晴らしい作品と評した感想が悉くフェミニスト的な思想な点も多くどっちにしろ残念だったので、そのどちらでもない自分なりの感想をまとめたのが本NOTEになる
※自分はFemiではありません

本作品に言及する前にリアルでの前提情報を把握していただきたい
・Barbie人形の誕生は1959年、極端な体系が特徴。日本では67年にリカちゃん人形が誕生したため販売不振となっている
・登場人物の名称はBarbieとKen(ボーイフレンド役)、他に妹としてスキッパーやステイシーがいる
・海外によくありがちなBarbieと実際の女性を同様に扱う人達が多いため、多種多様な人種だけでなく障害者や妊婦といった人形もあったりと日本人の感覚では”いきすぎ”な配慮が多くみられている
・そのためBarbieと人種・宗教問題は切っても切り離せない状況にある
・Barbie人形は少女達への価値観の刷り込ませが大きい事も話題になっていた

ストーリーはバービー(主人公)に原因不明の不調が発生→人間界にいって原因を探ろう→Kenが一緒についてくる→人間界に戻った時にKen達とBarbie達が対立するといった内容
本作で主人公ではないKenはBarbie達から人権の無いような扱いを受けており、人間界での男性達を知ることで男性上位の世界にしてしまおうと考えたのだが結局はBarbie達に負けてしまい、最後は有耶無耶のままhappyENDになっている

①フェミニストが好む作品だったのか?
本作品は女性優位のBarbie世界におけるKen(Barbie人形の付属品扱い)と人間世界とをクロスさせており、女VS男を過剰に表現していた
そのため本作品を讃賞する感想には女性主役なところを、批判には女性主体に対する過剰表現でジェンダーやフェミ自体に対する浅はかな表現なところが良く挙げられており、Twitterでも以下の通りだ

竹田ダニエル:さっきテレビでローカル番組をつけたら、「バービー映画がきっかけでカップルが急激に別れている」というニュース。彼氏と一緒に見に行って、「なんで共感してるのかわからない」「家父長制は悪くない」と言われたら、即刻別れるべき「リトマス試験紙」になっていると。

奥浩哉:映画、バービー観た。最初の方はお洒落だし可愛いし笑いながら観てたけど後半になるにつれてだんだん冷めていった。なんか強烈なフェミニズム映画だった。男性を必要としない自立した女性のための映画。こんなの大ヒットするアメリカ大丈夫なの?

ジェンダーは映画の題材、内容としてフェミニストが反応しやすいのだが
これらは単なるフェミ作品ではなく、現在のアメリカが抱える問題を表現しているのであり女性賛美としか捉えられないのは、とてもじゃないけど理解が足りていない
問題があるとすれば翻訳に”洗脳”といった単語が頻繁に出てきたり、リアル界の主婦が女性でいることの不満(愚痴)を喋りまくって洗脳を解くので、そこらへんで盛り上がっているのだと思う

②作中に過去から現在のアメリカが表れている
本作品を見れば分かるのだが、Barbie界はリアルでの男女がまるっきり逆転しているだけで、WW2時代の男性優位が女性に変わったようなものだ
流れとしてもKenが知識を付けることでBarbie達に反旗を翻し、ラストでは一定の権利を会得するに至るところが描かれている。
Barbie界は建物や考え方にいたる殆ど全てが70年~80年で止まっているので
鑑賞する世代によっては受取り方が全く異なり、作中に登場するバービー、主婦、娘でかなり認識が違うのと、この違いこそが作品を理解するうえで重要なポイントになっている

③Kenとは男を分かりやすく表現したそのもの
男性が本映画を見たら「主人公はKen」と100%思うのではないだろうか?
本作のKenは馬鹿でお調子者で強いものに憧れる存在で、知識を付けて女性を洗脳しても結局は女性に振り回される。Ken同士の戦争はあまりにもお馬鹿でよくわからないダンスを一緒に踊るのだ
どうしようもなく馬鹿で男同士のよくわからない繋がり、なんだかんだ結局は女性に転がされるところなんて、反論できる男性は殆どいないだろう
大事なのは女性に認められること、それだけで十分なのだと

④本作品で伝えたかったこととは
本作品はアメリカの現状を描いた上で省みて欲しいという作品だったのではないだろうか?
ラストでBarbieの生みの親が消える直前のセリフをよく聞いて欲しい。
なぜ男性社会があるのか、と
本作品は表層に描かれた単なる女性優位を伝えたいのではなく、男性社会における苦悩やどうしようもなさがある、それでも考えることは必要であると伝えたいのだと思っている。
終盤にバービーが何もかもが嫌になって全てを放り出す場面がある。泣いてただ座っているだけ、誰かがやってくれると投げやりになっている存在
主婦ママはそれをしょうがいない事と認めた上で人間世界に帰ろうとする
ただ娘だけは救いたいと考え行動したのだ

男性が女性より色々な面で優れていることは確かだからこそ、多少の不満はあっても上手く男性を転がせるようになって欲しいと思う。何故なら男はたとえ罠だとわかっていても、女の掌で転がっていたいのだ


・Barbieの思想はそのまま現在のフェミ傾倒している人そのものだ。何の説得力もない自信と感情を重視し、そして相手を理解することを放棄している
・主婦ママはリアルの苦悩がそのまま描かれている。彼女の苦悩は今頑張って働いている女性が思っていることそのものであり、現実と理想のギャップに苦しみながらも足掻いているがどうしようもないこともわかっている
・娘にとってBarbieは面倒くさいもの。初めてバービーと娘が会話した時にバービーをこてんぱんに負かした言い分が、そのまま子供世代のリアルな感情なのだろうとわかる


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