ディアゴスティーニ♪の創刊号は、なぜ安いのか?
「創刊号は1000円が190円、ディアゴスティーニ♪」皆さん、ご存知でしょう。
不思議ですよね、
なんでそんなに割引できるのか?
ディアゴスティーニ社は、1901年創立のイタリアの老舗出版社。百科事典や全集などを一冊ずつに分けて出版することで、今のビジネスモデルを確立しました。では、なぜ分割するのでしょう?電子出版の漫画シリーズでも分割していますが、第1巻から第3巻まで読んだ人の多くは最後まで読むそうです。ですから、通常、第3巻までは非常に安い価格に設定されています。ディアゴスティーニ社が創刊号を採算を度外視して安くするのは、とにかくこの一冊を購入してもらうことが大事だからです。また、創刊号を期間限定で大々的に宣伝すると読者はこのお得な商品を急いで買わなくちゃという気持ちになります。
試しに買ってもいいなぁ
1000円が190円って言われると、試しに買ってもいいなぁってなりますよね。でも、100号まで続いて全部買うとすると相当な金額になります。創刊号を買うときはそのことは考えません。それが分割ビジネスモデルのうまいところです。人間はシリーズものをすべて揃えたくなります。漫画でも全巻まとめ買いサイトが人気です。また、ある程度揃えたら最後まで揃えないと損した気持ちになります。
創刊号の売れ行きを見ればそれ以降の発行部数の予想が立てられます。すると、在庫リスクを小さくすることができるのです。そして、ヒット商品になれば、どんどんシリーズを増やしていくことも可能です。
シリーズが100冊なら、1冊500円でも5万円。1冊1000円なら10万円。10万円の本を買う人はなかなかいないですが、このような分割モデルを使えば、高額商品でも売ることができるのです。
ディアゴスティーニのビジネスモデルポイント
①顧客…
趣味の好きな人
②顧客価値…
手軽に学べる仕組み
③経営資源…
段階的に学ぶノウハウ
④差別化…
TVCM、分割型
⑤収益…
販売益、在庫リスク低
このように分割型のビジネスモデルを見ると、テレビドラマや漫画、映画、小説、など...あらゆる分野でシリーズものが発売されていますね。やはりシリーズものは見始めると最後にはどうなるのかという結末を知りたくなり、最後まで見てしまいますよね。ディアゴスティーニのシリーズものも長い試行錯誤の歴史から築かれた素晴らしいビジネスモデルなのです。