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おじいちゃんの夢の世界


86歳のおじいちゃんの家に居宅介護に行っている。
昔はかなり偉い方だったようだ。
足腰はしっかりしているし、生活には困らないけれど、近頃めっきり痴呆が進行しているご様子。

デイサービスからの帰り自分で自宅に入ることが出来ずに怒っていたり、「人の家に勝手に入ってきて、誰からの指図だ!」と言われたり、つい1ヶ月前は大変な状況だった。

結局デイサービスにはもう行かない、ということになりご自宅でお過ごしいただくことになった。

それからというもの、
驚くくらい穏やかになった。

食事もテーブルを挟んでお話しをしながら、昔話しを冗談まじりでしたり、「一緒に食べませんか?」と食事を取り分けてくれたりする。

それでもつい1ヶ月前のことを思い出すと、おじいちゃんの家の鍵を開けて入る際は、毎回また怒鳴られて追い返されるのではないか?と多少のドキドキはある。

今日は、訪問時に「昨夜は自分の兄や家族が来て、夜更かしをした」という。
けれど、部屋の何処にも、その形跡はない。

家からも出ず物音ひとつしない部屋で、寝たり起きたりしているだけのお年寄りに、もしかしたらもう「時間」の感覚は恐らくないのかもしれない。
その時、そう思った。

今置かれている状況がすべて
なのだろう。
そこに様々な想いや思い出や経験が垣間出て、その瞬間がある。色々な想いや思い出と今が混濁しているのだ。
ひとの最期の姿なんだ。

そう思った。
***
NETFIXの韓国ドラマで、お年寄りの世界がよく理解できたドラマがあったのでご紹介する。
こんなドラマを創る韓国のエンタメの素晴らしさには驚いた。
「まぶしくて〜私たちの輝く時間」



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