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#116 私を形作る、全てのムダなもの

2022.8.18.
今日はまた高校生と戦ってきたので、時間があれば是非とも「人見知りの高校生vs人見知りの教員の仁義なき戦い」について書きたかったのだが、緊急事態発生につき、過去の遺産に頼るしかなくなってしまった。



私は、ムダなことが好きだ。
そんなことしなくてもいいのに…と、他人が思うことを、重要視しているところがあると思う。

まぁもとよりムダなことなど何一つないと思うのだが、ここで言うムダとは、他にすべきことがあって時間に追われているにもかかわらず、関係ないことに時間を割いてしまうことを指すのだと思う。


その一つが「替え歌作り」だ。


あるとき高学年を担任していて、子供たちが下校した直後に、宿題のプリントを配り忘れたことに気付いた。
高学年にもなると「先生、宿題プリント配り忘れてない?あ、でもこれ言わなかったらワンチャン今日の宿題なしになるよな?言わないでおこうぜ。」と考えて教えてくれないことがある。策略家だ。

自分が配り忘れたことを棚に上げて、「えええー。絶対気付いてた子いるでしょー。教えてくれればいいのに…。」と、夕方の教室で立ち尽くした。

よし。この気持ちを歌にしよう。

ということで、出来上がったのがこちら↓

まず黒板が汚いなぁ

まさかの「ガーネット/奥華子」。もしかすると時をかける少女に影響を受けていたのかもしれない。

黒板に書いておいて、次の日子供たちが見ていぶかしがっていた。
ちなみに翌日聞いたところ、策略ではなく本当に子供たちも気付いていなかったようなので、替え歌のムダ感が倍増した。





その数年後、またもや6年生を担任していたときだ。
コロナ禍で休校スタート学年、復活後も感染対策に日々ピリピリしていた年だった。
理科の実験を再開することになったのだが、向かい合わせにしないようにということで、理科室でも横並び。道具の数の関係上、班の中で半分の人が実験をし、もう半分は横目でその様子を見る、というスタイルとなった。

でも、そんなこと言ったって実験はみんなやりたいし見たい。
学級の中で、その気持ちをどうしても抑えられない子がいた。自分が見学する番なのにも関わらず、手を出しに行ってしまったり、移動してしまったり。気持ちは分かる。でも、今は君の番じゃないんだよ…。


そのとき、当時流行っていた「Pretender / Official髭男dism」のサビが頭の中に鳴り響く。
♪ドンマイ! 今日の 実験の人は君じゃない〜♪

本当に下らなさの嵐である。

結局学びになるように実験内容を入れてみた

題名が「(実験)やりてんだー」になってる。笑



さて、スティーブジョブスのかの有名なスタンフォード大学でのスピーチによると、「点と点をつなぐ」のは大切だということだ。

一つ一つの点がいつどうつながるかはその時点では分からないが、ジョブスが大学で潜り込んだカリグラフィーの授業がMacの美しいフォントに繋がったように、一見ムダだと思えることも、どこかで何かにつながることがある。


とりあえず替え歌作りが何かにつながる気はさらさらしないが、こうして記事をひとつ書けるくらいのよい思い出にはなっているので、やっぱり、ムダなことなど何一つないと思うのである。



#教員エッセイ
#ムダなことなどない
#ムダを愛する人

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