磯田道史『無私の日本人』読了
「穀田屋十三郎」「中根東里」「大田垣連月」の3編からなる.「穀田屋十三郎」はのちに映画化されて,『殿、利息でござる』となる.とてもいい本でした.絶対のおすすめ.
以下本書(文春文庫版)「あとがき」より少し切り抜き.
「南海トラフでも動いて、太平洋ベルトに大きな津波被害をうければ、国の借金は国内で消化しきれなくなって、高い利子で他国から資金を借りてこなければならなくなるだろう。そうなれば、大陸よりも貧しい日本が、室町時代以来、五百年ぶりにふたたび現れる」
「ほんとうに大きな人間というのは、世間的に偉くならずとも金を儲けずとも、ほんの少しでもいい、濁ったものを清らかなほうにかえる浄化の力を宿らせた人である。この国の歴史のなかで、わたしは、そういう大きな人間をたしかに目撃した。その確信をもって、わたしは,この本を書いた。」
本書に関する磯田先生の講演がYouTubeに上がっています.
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