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骨折り女の台湾入院日記

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初めて行った台湾で、バイクにはねられ、足を骨折。現地で病院送りになったものの、英語も中国語もできない筆者は大ピンチ!なにかとギリギリすぎる台湾での入院・療養10日間の回顧録
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記事一覧

DIYにアラズ(台湾入院日記—日本編—)

前回はこちら 「ほな次回、金具の情報持ってきてな」 宿題が出た、前回の診察。自分の身体に…

脈 脈子
1年前
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左足首と和解せよ(台湾入院日記—日本編—)

前回はこちら 台湾へ行くと言っていた看護師さんの姿はなかった。 あぁ…そんな神様!いや、…

脈 脈子
1年前
4

ゆく女くる女(台湾入院日記—日本編—)

「このままやと歩かれへんで」 そう言い放つのは、リウマチに悩む人々のオアシスと言えそうな…

脈 脈子
1年前
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ただいま日本〜OMOTENASHIの底力〜(台湾入院日記)

前回はこちら 豆粒のようだった海上をゆく船が、もう、すぐそこにあった。 いよいよだ。いよ…

脈 脈子
1年前
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さよなら台湾(台湾入院日記)

前回はこちら 帰りたいけど、帰りたくない。 複雑な気持ちで迎えた、約束の時間。 8月9日 午…

脈 脈子
1年前
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地球最弱の生き物がいただくのは(台湾入院日記)

前回はこちら 楽しみにとってある朝食の存在は、人を簡単に幸せにする。 ていねいに握りしめ…

脈 脈子
1年前
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竜宮城に案内されし骨折り女(台湾入院日記)

前回はこちら 夫がガサゴソと帰り支度をしているようだ。 という気配を感じるのが精一杯の朝4時。キツい往復をさせてしまったなと、申し訳なさと感謝はあるけど、起き上がれるだけのバッテリーはまだ充電されていない。申し訳なさと感謝はあるけど、横になったまま見送った。 日本まで、ご安全に…Zzz… 8月7日。 さて、本格的にすることがない。安全なホテルで迎えた朝には、もはや心配事もなければ、病院のようにバイタルチェックも傷の消毒もない。9時過ぎの時点で今日の再診時間は決まって

テクノロジーは空腹も救う(台湾入院日記)

前回はこちら 軍事演習の中心地にでもなったのかと飛び起きた。 ドドーン!ドダダダダーン!…

脈 脈子
1年前
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超えられない15cmのカベ(台湾入院日記)

前回はこちら 自分がはねられる瞬間を見る。 全米が涙する一大スペクタクル巨編でも超えられ…

脈 脈子
1年前
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おねがいコンディショナー(台湾入院日記)

前回はこちら 今日もブレることなく、お弁当は雑に置かれていた。 サイドボード上から放たれ…

脈 脈子
1年前
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ガウディの名を冠して(台湾入院日記)

前回はこちら え、なにこれ。死ぬん? それくらいの頭痛で6時頃に目が覚めた。心なしか、謎…

脈 脈子
1年前
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胃袋に詰まるは父の差し入れ(台湾入院日記)

前回はこちら 見るからにフレッシュなキュート女子が3人、足元に立っていた。 親子ほども年…

脈 脈子
1年前
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声に出して読みたい言葉「お美味」(台湾入院日記)

前回はこちら いい匂いがした気がした。 目を開けて、いい匂いの気配を追う。赤いビブスを着…

脈 脈子
1年前
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涙の肉団子(台湾入院日記)

前回はこちら 帰りは長い道のりだった。 心理的に、ではなく、物理的に。 手術に関する書類のやり取りなのだろうけど、何ヶ所か経由しているようだった。手術直後の患者を乗せたベッドごとの寄り道とは、なかなかダイナミック。 お昼どきになった院内は、さらに混雑している。人でごった返す売店前を通った時には、八角のいい匂いがした。昨夜の鍋から、なにも口にしていない身体には刺激が過ぎる。 ただただ、腹が減った。 ようやく病棟に帰ってきた時には、廊下のデジタル時計は11時57分を知ら