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本当のバブル世代

私の親世代(後期高齢者)は「買う」ことが好きだ。実家の母も姑もそうだ。この点で、私は彼女たちと激しくぶつかりあってきた。

私は整理整頓が苦手で、物が多いと整理できない。そのくせ、もったいない!と思うから、捨てられない。

だから、買うときはすごく慎重になる。買って失敗することも多い。そのたびに反省して、悩んで、それでもがんばっている!のに、情け容赦なく物を送りつけてくるのが、この二人だ。

実家の母は、高くて使えないもの(実用的ではないもの)をくれる。これが、断捨離している今、ものすごく困っている。

例えば、こういうメイド喫茶で使うようなエプロンを、結婚のときに持たされた。もっと手が込んでいて、ブランドもの。私は背が高くて、タイプ的には天海祐希。天海祐希がこんなエプロン付ける?これが、新品のまま残っていた。バザーで売ればよかったのに、お葬式のときにいるでしょ?と言われて置いておいたような気がする。


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私は足が大きい。24.5㎝サイズの靴は、入らないことはないけれど、足が損傷する。今は、大きいサイズもけっこうあるけれど、昔はあまりなかったから、24.5㎝サイズのいい靴をたくさん持たされた。

靴は早い段階で捨てた。子どもができて、靴擦れするような靴なんて履いてられないし、パンプスなんて履く機会もほとんどない。洋服も同じ。子どもを産んで、太ったから入らなくなって、義妹にあげて、母に泣かれた。だから、要らないって言ったのに。捨てるよりいいと思うのだけれど。結局、長く使ったのは私が選んだウエストにゴムが入ったスーツだけだ。

嫁入り道具を持たせてくれるなら、ミシンのほうがよかった。まあ、手芸をするガラでもなかったけれど。第一子妊娠中に買ったミシンは、いまだに大活躍だ。

結婚してからも、相変わらず高そうな小物をくれる。子どもが卒園してからもそれらを幼稚園のバザーに出したこともあった。

実家は決して豊かな家ではなく、子どもの時は服なんてほとんど買ってもらえなかった。母方の伯母が送ってくる服が「よそゆき」の服で、Tシャツ、トレーナー、ジーンズが定番。子どもが3人いて「お金がない」といつも言っていたから、私もほしいと言わなかった。

いつからこれが「要らない物をおしつけてくる」に変わったのだろう。振りかえってみれば、親たちの子育てが一段落したバブルのころだ。姑のほうも、舅が失業したり、借金があって大変だったというのは、何度となく聞かされている。

先日、姑の買い物につきあって、ようやくこの二人の思考パターンが理解できた。病院の帰りに、姑が長年ひいきににしているデパートの店に行った。冷やかすだけだと言うのに、4万3千円の長袖Tシャツを買った。リハビリに着ていくそうだ。確かに、おしゃれだけれど、リハビリ、つまり運動するときの長袖Tシャツにそんな高価なものを着ていくの?「いつもは、2割引きになってから買うのだけど」と言い訳するけれど、2割引でも3万円以上するやん・・・。

その後も、デパ地下で食料品などをたくさんお買い上げになった。「たまにしかこれんけんねぇ」と言うが、一人暮らしで、こんなに要るの?って思う。姑の冷蔵庫は、5人家族だったわが家の冷蔵庫と同じくらいの大きさで、中はぎっしり詰まっている。私の実家の冷蔵庫もぎっしりだ。といって、ふだんは同じエプロンをつけ、動きやすい服を着て、慎ましい生活をしている。

「買うという”行為”」が好きなんだ

「そのときの買いたい気持ち ⇒ 買った」というのが快感なんだ。それが、そののち何回使うのか、役に立つかどうかなんてどうでもいいんだ。

パチンコをしたら、その成果は景品として返ってくる。でも景品そのものが欲しいわけではなく、自分は要らないから子どもにあげて、子どもが喜んでくれたら嬉しくなる。その一連が快感なのだろう。私はパチンコをしたことがないけれど、それと似ているのではないかと想像をする。


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今私が住んでいる家は、しばらくは置いておく。トランクルームのようなものだ。だから、食器棚の中敷きを手作りしてもしょうがないのだけれど。処分に困る”新品の古着”やハギレが消費できてうれしい。私の喜びは、こういうところにある。


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下から二段目の白いフリフリの中敷きが、例のメイドカフェ風のエプロンで作ったものだ。生成りのエプロンのはぎれも使った。このエプロンもエプロンとしてほとんど使ったことがない。枕カバーを作ったその残りだ。ひも部分も、布端を始末する縁のテープとして使った。

母の「買う」という行為と「あげる」という行為が成就し、方法はどうであれ、私は捨てずに使ったのだから、充分でしょ。着物をリフォームするする人もいるからね。それに、このエプロンのことは忘れているだろう。

片付けしているのか、ビンボー手芸をやっているのか・・・

私は一応、バブル世代と言われる世代だけれど、本当のバブル世代って、ウチの親たち世代じゃないかと思う。でも、私のようなビンボー主義って、私の世代でもあまりいないのかもしれない。

タイトル画像を探していて、こんな記事をみつけた。

この記事を書いた人は、

元銀行員にしてベテラン主婦のフリーライターです。・・・50代になった現在、最大の関心事はずばり「老後のお金」今後のマネープランについて真剣に考え始めました。

わたしも実は銀行に勤めていた。結婚して、もうじき30年だから、私もベテラン主婦と名乗ってもいいだろう。

いやあ、面白いね。共通する経歴があっても、目指す方向が違う。私はお金を使わないで豊かになることを目指しているから。フリーライターと言えば私もそうだよね。一銭も儲けていないけれど。お金を使わないことが目標だから、「フリーライター」って名乗ってもいいかもしれない(笑)


タイトル画像:https://manetatsu.com/2020/12/306492/より

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