金の斧、銀の斧
男「あっ!しまった!」
泉の女神「あなたが落としたのは金の斧ですか?それとも銀の斧ですか?」
男「なんて美しい...。はいそうです。私は自身の恋心をこの泉に落としてしまったようです。」
泉の女神「...」
翌日
男「あっ!しまったぁ!」
泉の女神「あなたが落としたのは金の斧ですか?それとも銀の斧ですか?」
男「いいえ。落としたのではありません。女神様へ貢がせていただきました。」
泉の女神「...」
翌日
男「おっと!しまったぁ!」
泉の女神「...あなたが落としたのは金の斧ですか?それとも銀の斧ですか?」
男「今日は斧に花柄のレースをデコレーションさせていただきました。女神様にとてもよくお似合いだと思いましたが、お気に召されましたでしょうか。」
泉の女神「...はぁ。」
翌日
男「うぉっと!しまったぁぁ!」
泉の女神「...あなたが投げ入れたのは何の斧ですか?」
男「今日は斧の型取ったチョコレートをお持ちしました。お口に合うと良いのですが...」
泉の女神「...パクッ。」
翌日
男「おぉぉおと!しまったぉぁぁ!」
泉の女神「...これは?」
男「こちらは斧の柄を女神様の銅像にさせていただきました。名付けて”俺の斧がこんなに可愛いわけがない”でございます。」
泉の女神「...このような物を製作するのは時間がかかるのではないですか?」
男「はい。しかし製作中は常に女神様を考える時間になり非常に幸せでした。」
泉の女神「...」
翌日
男「うぉしまたぁ!」
泉の女神「...これは?」
男「今日は斧型の宝石をお持ちしました。女神様の瞳と同じように澄んだエメラルドグリーンがお似合いかと思いましたが、お気に召されましたでしょうか。」
泉の女神「...このような物は高価でしょう。無理をしていませんか?」
男「あなたのために無理をする事が今の私の喜びなのです。」
泉の女神「...」
翌日
男「うしぁぁた!」
泉の女神「...これは?」
男「女神様への愛の証。斧型ダイヤ付の婚約指輪でございます。」
泉の女神「...それはそうと、あなたは嘘を付いたことがありますか?」
男「あります。しかし今後、女神様に対しては嘘偽りなく全てを捧げるの事をお約束いたします。」
泉の女神「...はぁ。」
翌日
男「うしゃた!」
泉の女神「...これは?」
男「独自ブランドONOが手掛けたウェディングドレスでございます。」
泉の女神「...それはそうと、私髪を少しだけ短くしたのだけれど、あなたは当然気付いたわよね?」
男「申し訳ございません。女神様の姿は目に焼き付けていたつもりですが、恥ずかしながら気付きませんでした。いかなる罰もお受けいたしますのでお許しいただけますでしょうか。」
泉の女神「くっ...ダメか...」
翌日
男「すじゃーた!」
泉の女神「...これは?」
男「少し気が早いのですが、斧に我々の赤ん坊の名前候補一覧を刻ませていただきました。」
泉の女神「...それはそうと、私はカワイイ嘘を付く人が好みなの。何か嘘を付いてみて。」
男「私は寝ている時以外は貴女の事を考えてしまうほど女神様を愛しています。」
泉の女神「...それが嘘なの?」
男「はい。寝ている時も貴女が夢に出てくるほど女神様を愛しておりますので。」
泉の女神「ふふっ。あなたは嘘つきですね。罰として、あなたの全てを私が貰うことにします。」
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