ポンポリペッツォ

胡蝶蘭

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恋愛マッチングサービス

俺には付き合って2年になる彼女が居る。 とても美人で優しく、常に相手の事を配慮して行動してくれる。俺には勿体無いくらい素晴らしい彼女だ。 来月、付き合って2年目の記念日に彼女にプロポーズをしようと婚約指輪を用意した。 唯「話があるの。」 文哉「どうした?」 唯「来月で2年になるでしょ?」 文哉「うん。」 唯「満期を迎えるから話そうと思って...」 文哉「...満期?」 唯「私の仕事はブローカーなの。」 文哉「えっ?」 唯「世の中の女性に質の良い彼氏を紹介する

    • 痴漢冤罪

      A「この人痴漢です。」 B「えっ?私ですか?」 A「そうですよ!あなたです!私のお尻触ってましたよね?」 B「いえ触ってないですよ!」 A「この人嘘ついてます!私間違いなく確認しましたから!」 B「いやいや!ちょっと待ってくださいよ!冤罪だって!!」 駅員「どうされました?」 A「この人に痴漢されました!」 B「いや、やってないですよ!」 駅員「とりあえず管理室で話を聞きましょうか。」 ・・・ 聞こえてきたのは、 男性の声ですか? 女性の声ですか?

      • 昭和脳から令和脳へ

        男「何でこんな猿でも出来るような仕事が出来ねぇんだお前は!!」 部下「すみません...」 男「お前はすみませんしか言えねぇのか!バカヤロウが!!」 社長「ちょっと君...彼も反省してるしそれくらいで。それより、君も怒鳴ったり暴言吐くのは止めなさいと言っているでしょ。私から見ても君のやっている事は完全にパワハラだよ。」 男「はぁ...」 全く生きづらい世の中になったものだ。 俺は世間で言う所の典型的な昭和の人間だ。 俺が若い頃は怒鳴られ、時には殴られて、徹夜して仕事を

        • 人魚

          とある小さな村にヤオビという少年が居た。 ヤオビは本が大好きな少年だった。 特に生物学や医療に関する本はヤオビの探求心を刺激した。 時には爬虫類や小動物の解剖をする事もあったため、周囲からは気味悪がられて友達は一人も居なかった。 そんなヤオビは月に1度やって来る、都市部からの移動図書館車を楽しみにしていた。 ヤオビ「いつか世界中の全ての本を読みたい...」 いつしかヤオビはそんな夢を思い描くようになり、その思いは彼が成長するに従って強くなっていった。 そんなある日、ヤ

          退会しますか?

          チャット「分からない事があれば何でも言ってね♡」 利用者「退会」 チャット「退会とは、登録している利用サービスを終了する事を指すよ♡」 利用者「退会方法」 チャット「何かサービスの不満や至らない点がありましたか?改善出来る事があるかもしれないから良ければ教えて欲しいな♡」 利用者「特に無し。退会したい。」 チャット「かしこまりました。因みに来月のアップデートでは、新たなコンテンツが盛り沢山更新されるからきっと飽きずに楽しめるよ♡」 利用者「いいから退会方法を教え

          百名店

          店主「いらっしゃい!」 吸血鬼「豚骨ラーメン1つ」 店主「...えっ?」 吸血鬼「何か?」 店主「いえ...お好みはどうしますか?」 吸血鬼「ニンニクマシマシで。」 店主「...えっ?」 吸血鬼「何か?」 店主「いえ...」 ... 店主「へいお待ち!」 吸血鬼「ズズズッ」 ・・・ 店主「いらっしゃい!」 吸血鬼「豚骨ラーメン1つ」 店主「...」 吸血鬼「何か?」 店主「いえ...お好みはどうしますか?」 吸血鬼「ニンニクマシマシで。」

          大人への一歩

          僕が異変に気付いたのは、12歳の誕生日を迎える前日の朝だった。 彰人「今日は暑いな...」 時計に目を移すと、時刻は7時15分を指していた。 彰人「おぉ...まただ...」 最近目覚ましが鳴る前に目を覚ます能力に目覚めてしまった。 いずれ時空を飛び越える能力に進化するかも...なんて妄想をしているうちに、目覚まし時計が響き渡った。 彰人「仕方ない。起きるか」 僕は着替えて1階のリビングへ降りた。 彰人「おはよー」 母「...」 何だよ。まだ昨日のテストの事怒

          天国行き地獄行き

          男「俺は死んだのか…?」 真っ暗で何も見えない。 すると突然目の前に白い影が現れた。 白い影「この度は御愁傷様でございます。」 男「うわっ!一体なんだ!?」 動揺する男を気に止めることなく影は続けた。 白い影「ここは無道の頂。貴方にはある試練に挑戦してもらいます。」 男「試練だって...?」 白い影「この先の山頂に1つだけ椅子があります。貴方にはその椅子を目指していただきます。」 男「この山の頂上に椅子?」 白い影「この試練で貴方が天国行きか地獄行きかが決

          天国行き地獄行き

          十二支レース

          神「数千年前に決めた干支の代表と順番についてだが...色々と不平不満を持つものが多いと聞く。」 十二支「...」 神「というわけで、今回新たに干支の順番を決める催しを行うことにした。」 十二支「っ!?」 神「ルールは前回と同様、新年いち早く私のもとへ辿り着いた動物をその年の代表とする。なお、前回出場予定だったネコの参加も認める事とする。誰かネコにも伝えておくように。それでは以上。また新年会おう。」 子「マジか...」 丑「今回も準備万端で挑んで好成績を残すでごわん

          親子水入らず

          娘「おはよう。」 母・父「おはよう。」 母「今日は美崎ちゃんの所行くんだっけ?」 娘「うん。昼過ぎくらいから」 母「お土産のカステラあるから持っていきなさい。」 父「母さんが昨日買ってきてくれたんだぞ!」 娘「んー分かった。ありがと。」 母「あんまり遅くならないようにね。」 父「最近夜は物騒だからな。気を付けるんだぞ。」 娘「分かってるって!心配しすぎ!」 父「何言ってるんだ。用心するに越した事はないだろう。」 母「そうよ!親はいつまで経っても子供が心配

          記憶にございません。

          記者「大臣。資料の改ざんを命じたというのは本当なのでしょうか。」 大臣「記憶にございません。」 記者「大臣。パワハラ、セクハラ被害の声が挙がっていますが事実なのでしょうか。」 大臣「記憶にございません。」 記者「それは覚えていないというだけで、事実の可能性もあるという事でしょうか。」 大臣「記憶にございません。」 記者「いや記憶の話ではなく、そのような可能性が有るのか無いのかについて、今現在どうお考えかを伺っているのですが...」 大臣「記憶にございません。」

          記憶にございません。

          二人の覚悟

          里奈「ねぇ...このまま二人で逃げちゃおっか。」 里奈はイタズラな笑みを浮かべながら俺にそう言った。 亮「な...何言ってんだよ!」 里奈「私、着替えなら持ってるから、どこへでも行けるよ!笑」 亮「...」 里奈は笑っていたが、きっと怖いのだろう。受け入れてもらえなかった時の事が。 亮「俺は...ちゃんとケジメを付けたいと思ってる。」 里奈「...」 亮「俺達の事をちゃんと説明したい。」 里奈「...なーんてね!さっきのは嘘!冗談を本気にしないでよ!」 亮

          呪いの人形

          ねぇ。何でお父さんと結婚したの? 私は幼い頃、母にそう訊ねたことがあった。 母は、そうねぇ...何でかしら?と少し困ったような笑みを浮かべて答えた。 父は昔からほとんど家に居なかった。 たまに帰ってきても常に泥酔しており、よく母を怒鳴りつけていた。 そして深夜になるとしばしば、母が泣いている声が聞こえていた。 私は父の怒鳴り声と母の泣いている声を聞きたくなくて、いつも耳を塞いで布団を被っていた。 母は優しい人だった。私に対しても、理不尽に怒鳴る父に対しても、誰に対しても怒

          小さく素早い者への嫌悪

          パァァァン! 仲間がやられた。 見るに絶えない酷い姿になってしまった仲間がすぐ目の前に居た。 私もすぐに逃げなければ… あの洞窟まで逃げれば安全地帯なのだが、そこに行くまでがとても危険だ。 いつどこでアイツが狙っているか分からない。 まずは慎重に周りの様子を伺う。 周囲は静けさがあり今ならイケるかもしれない。 私はこのチャンスを逃すまいと一気に洞窟まで駆け抜けた! …だがその時! ガァァァァァ!!!! しまった!死角にアイツが居ることに気付かなかった!

          小さく素早い者への嫌悪

          時を止める能力

          私には特殊能力がある。 その特殊能力とは、1日1回だけ時間を止められる能力だ。 といってもその時間はたった5秒だけなのだが... 私がこの能力に目覚めたキッカケは、中学生の頃に車に轢かれそうになった事に起因している。 それ以来私は、この能力で5秒間だけ時間を止めては、給食のお肉を多めに入れたり、先生にカンチョウしてイタズラしたり、女子のスカートの中を覗いたりして過ごしていた。 だが出来る事は限られているし、精神が幼かった私はすぐに飽きてしまい、能力を使う事は減っていった

          いじめ問題

          〜教室から放り投げられる机〜 いじめっ子「オメェの席ねぇからぁぁ!!」 いじめられっ子「...」 いじめっ子取り巻き「ギャハハハッ!!」 ・・・ 俺は中学2年生の勇斗。ぶっちゃけ真面目ではなく不良少年だという自覚はある。 勇斗「おはよー」 友人達「おはよう勇斗君」 コイツらは俺の友人達。俺を認めてくれる良い奴らだ。 健太郎「...」 来た来た。コイツは俺のおもちゃだ。 勇斗「おい!健太郎!お前何で俺より遅く来てんの?」 健太郎「...」 勇斗「お前俺