『少女とロボット』1話

私には親がいない。小学生の頃、両親共に交通事故で亡くなったらしい。両親が亡くなってからは親戚の家に預けられたが、基本放ったらかしにされていた。別に特別ひどいことはされていない。特に暴力暴言がある訳でもないし、食事は普通に食べさせれくれる。ただただ普通に暮らしてはいけたのだが、一番の苦痛は無視だった。そこには誰もいないかのように無視をする。多分、私のことは邪魔者だったのだろう。でも何故ここまで嫌われているのかは私は知らない。何年かは耐えていたがついに私も耐えれなくなり、家を出ることにした。家に出れる年齢ではなかったが、今の日本には不思議な制度がある。保護者がいなくて施設に入りたくない18歳未満の日本人にだけ、一人で暮らせていけるようにAIロボットが配られるというものだ。不思議な制度があるもんだ。この制度が始まったのもここ最近だ。施設には入りたくなかったため、私はその制度に従うことにした。親戚の人にこのことを言うと、少し笑みを溢していた。どんだけ出ていって欲しいだよと言いたくなったが、何とか堪え今までありがとうございましたと感謝の言葉を言い、私はその家を出た

4月1日。
今日から一人暮らしが始まる。あの家から出て行けたことの嬉しさもあったが、不安も溢れるばかりだ。あの家を出て行ったのが二日前。この二日間はネットカフェで過ごしていた。ネットカフェは普通未成年は入れないが、この制度を申し込む時にもらったカードによって入れる。このカードさえあれば、ある程度の場所なら未成年でも入れることが出来るだ。少し便利すぎるような気もするが、このような制度なのだらか仕方ない。お金はまたもやこの制度で100万円貰っている。だから、お金の心配もある程度大丈夫。日本も変わったなと思った。今は新しい新居に行っている。その新居であのAIロボットがいるらしい。そう聞いている。

『えっと、このマンションの10階の◯号室だっけ』

エレベーターで上がろうとしたが、小さな子供が階段を使っていたので、私も階段を使うことにした。自分の階まで登り、自分の部屋のドアの前で立ち止まった。息を正し、ガチャとドアを開けると目の前にはAIロボットがいた。流石にドアの目の前にいるとは思わなく、ビックリして尻もちをついてしまった。そのまま立ち上がりロボット触ったり、撫でたりした。触り心地はやっぱりthe鉄って感じだ。冷たいし、固いし。しかし、触っても全然起動しないなと思い、よく見ると背中にセロハンテープで取り扱い説明書が貼ってあった。取り外し、読むとただいまと言うと作動しますと書いてあった。何でただいまなんだと思ったが、取り敢えず言ってみることにした。

『えっと......ただいま』

そうするとロボットが動き出した。第一声はおかえりなさいだった。声は女性だった。透き通るな心地の良い綺麗な女性の声だ。なんか某AI音声みたいだなと思った。でもなんか人間味のある声のようなどこか懐かしいような感じだった。でもこのロボットが何をしてくれるのかは知らなかった。ある程度調べたけど結構なんでもしてくれるようだ。家事や私の世話、仕事までしてお金を稼いだりもするようだ。家事や私の世話は分かるけど、仕事ってどうやってするんだろう。こんな奴がお金を稼げるのかと思った。でも稼いでもらわないと私が生活できなくなる。その為のこのロボットだ。大丈夫なはずだ。取り敢えず、設定をしないといけないと取り扱い説明書に書いてあった。設定は後ろにある取り外しが出来るスマホで設定すると書いてあった。私の名前や誕生日、血液型、年齢、今なにをしている人...…んーん。なんか私のことだらけだな。何個か私の個人情報を入れ、その後にこのロボットの設定があった。まず、最初はこのロボットの名前だった。えー、なんでもいいのだけど、後からの変更は出来ないと書いてあった。なんか呼びやすい名前にしようと思い、少し悩んで決めたのは

『よし、〇〇にしよう』

設定が終わり完了ボタンを押すと動き出した。私の前で軽く会釈をし、何か言い始めた。、

『初めまして。私は〇〇と申します。ご主人が一人で自立するまで、私が全力サポートしていきますので、よろしくお願い致します』
『よろしくね』

今のところ異常はなかった。ひとまず安心だ。でもこの後どうしたものか、今日の予定は新居に行き、ロボットの設定、日常品を買いに行く、そして夕食を買いに行くだ。ロボットの設定も終わったとこだし、日常品を買いに行くかと思い、ロボットを電源を切ろうとしたが、探してもどこにも電源ボタンが無かった。取り扱い説明書を見ると電源ボタンは無く、買い物とかは基本ロボットが付きっきりになるらしい。えーー、邪魔なんだけど、まぁ仕方ないと思い一緒に行くことにした。

『今からどこに行かれるのですか?』
『ショッピングモール、日常品買いに行くの』

なんか居心地が悪い。よく漫画とかで、大金持ちの主人の横にメイドやひつじがいる場面をよく見るけども、その時はなんか羨ましいと思っていたが、いざとなるとなんか邪魔くさい。まあ、仕方ないか。そんなことを思いながら、ショッピングモール内をいろいろ周った。まずは服だ。服も最低限しかなく、もう少し欲しい。特別可愛いのじゃなく、シンプルなものがいい。下着とかもあんまりないし、買わないと。しかし、どれもこれも沢山あってどれ買えば良いかわからない。悩んでいるとロボットが話し出した。

『その二つは可愛いと思いますが、すぐ痛むと思います。さっき手に取っていたこれの方が良いと思いますよ』

そんなことを言ってきた。え?分かるの?と聞くと分かりますと答えた。なんで分かるのと聞くと分析機能があるらしく、分析した結果、この二つはすぐに痛むとなったらしい。おぉ。これは便利だなと思った。その後はロボットに聞きながら衣服と下着を買った。お金も最低限で支払うことが出来た。その後は石鹸やシャンプーなどを買い、ある程度揃ったので帰ることにした。

『まさか、どのシャンプーが私に合うかも分かるなんて凄いね。まぁ本当に合うかは使ってみないと分からないけど』
『合うと思われます。ご主人の髪質的にそのシャンプーの成分が合うかと』

このロボット本当に使えるかもしれない。最初は不安でしか無かったけど、これは期待値が上がる。家に帰り荷物の整理をした。ロボットは今、充電中だ。少し、腹ごしらえしようと思い、コンビニにでも行こうと立ち上がるとロボットが起き、私の後をついて来た。あ、そっか付きっきりか、コンビニぐらいいいと思えたが、やはりついて来た。コンビニ弁当を食べ風呂に入り歯磨きをして、私は就寝した。


作者
多分続く。こういう人と人じゃない絡み好きです。いろいろ修正していきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?