満ちて溢れるまでの話―新年の目標に寄せて③

器を”私の源”で満たすことが、’いまの私’の幸福感・安心感につながっていく。過去の自分がどうであったのか、どんな過去を持っているのかは関係がない。未来にどんな不安があるのかも関係がない。’いまの私’が一時の幻の幸せではなく、地に足のついた幸せを感じられるかどうかは、器が”私の源”で満ちているかどうか、がただただ大事なのだ。


ここで、どうしても押さえておかなくてはならないこと。それは、
自分の器を”私の源”で満たすことができるのは、自分自身だけ、ということ。
もともと自分満たしの話をしているので当然にも思えるが、自分自身’だけ’、が大事だ。

と言っておきながら早くも矛盾するようだけれど笑。漠然とした満たされなさを外部に埋めてもらおうとすることがあってもいい。頼ってもいい。助けてもらえばいい。極端な話、とてつもなく愛情深く、自分を思ってくれる誰かに助けられて、”私の源”を満たすに至る人も世の中にはきっといる。そうでなくとも、他者からの愛情、思いやり、手助け、信頼、もっと言うと他者の存在そのものは、自分の大きな支えになる。自分を大事にするきっかけとなる。気づきを与える。一歩踏み出す勇気となる。前向きに生きる力となる。実際に私も、ある人から気づきをもらったし、その後もたくさんの人に愛情を注いでもらった。

ただし、自分は何も変えずに他者に求めるだけでは、”私の源”は少ししか貯められず、いつまでも満たされない。なぜなら、いくら優しい人、自分を愛してくれる人(家族やパートナーに限らず、友人や同僚、上司、どこかの店員、名前も知らぬ誰かだっていい)がいたとしても、彼らの気持ちを十分に受け取ることができないから。せっかくの愛情や優しさをはね返してしまい一部しか受け取れないのだ。さらに、自分の思考やそれに伴って自分にかけている言葉によって、一部受け取れたものすら塗り潰されてしまう。これ、1年半前までの私。もったいない!そしてこの状況は、孤独に感じて辛い。ほんとに辛い。

実際に自分を大事にするのは、気づくのは、一歩踏み出すのは、前向きに生きるのは、いつだって自分自身。恩人のような誰かに出会った人も、意識しているにしろ無意識にしろ、どこかで自分自身を変えることを選択している。

世の中には、似たような、本質的に同じ考え方がたくさんある。自分の人生を生きよう。自分の人生に責任を持とう。などなど。ちょっと突き放すような印象を受けることもあるかもしれない。私はというと、これらの考え方を初めて目にした時、自分にはそんな力があるのかぁ!ずっとこれまで育ってきた環境や親の影響力の強さばかり感じていたけれど、いまから、自分で、自分を幸せにできるんだ!と希望を持った。基本ネガティヴだったのに、たまにやたらとポジティヴだったのよね。そう、自分の力ってすごい。誰に対しても平等に、その人自身の自分に対する影響力ってすごい。思い返せば、ここからは上昇しかないと覚悟を決めたのは、まさに自分自身で踏み出した瞬間だった。


で、だいぶ話が長くなってしまったけれど、自分満たしに何をやったのか…
主に
・自分を否定しない。
・自分の好き嫌いを知る。
・可能な限り、好きなもの・ことに触れる機会を増やし、嫌いなもの・ことからは遠ざかる。
・他人のために自分の身を削るのをやめる。
・(上記4つに通ずるが、)自分は自分の親友でいちばんの味方だ、という設定で生活をする。

ひたすらこれを続ける。身体が、心が、軽くなる。気を付ける事項を忘れちゃう。人間だもの。何度でも上記のことを自分に言い聞かせる。なかなか変化しない自分の思考癖・行動癖にうんざりする。それでも自分の小さな変化を喜ぶ。めげずに続ける。いつのまにか失敗した自分を責めていた。いや、できないこともあるじゃんと認識を改める。できなくて責めてたことさえも否定せず、そういうこともあるよねって認める。

この繰り返し。どんどん目に光が宿る。表情が明るくなる。思考が冴える。自分の輪郭がはっきりしてくる。そんな自分を好きになる。好循環。

地味で根気はいるけれど、ある種の訓練、練習、癖付けみたいなもの。繰り返すうちに自分の思考が変わってくる。1ヶ月気を付けるだけでもだいぶ変化を感じられた。6ヶ月たった頃には、周りの人に「明るくなったね」、「なんか雰囲気変わったね」と言われたりした。

そうやって満ちていくと、ついに、器から”私の源”が溢れる。周囲の人から多くを受け取れるようになる。いままで一部しか感じられなかった愛情、優しさを十分に感じられるようになる。きっと、満ちた私は、自分にはそれらを受け取る価値があると思えるようになるから。

そして、どんどん湧き出て溢れてくる分、人に心からのプレゼントを渡せる人になる。不安から、恐怖から、人に優しくするのではなく、義務感から人との関わり方を選択するのではなく。

満ちて溢れるまでの話。おしまい。


長くなったけれど、随分と自分のいままでを整理することができた上に、これからの1年が楽しみになった。1年後にこの文章を読んだ時、さらに違う視点で見られる自分になっている気がする。

2020年、いろんなプレゼントを渡し渡され、過ごしていけたらいいな。
誰もが、満ちて溢れたその人であれますように。



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