雨の日の明け方は

世界が青く淡く静かに染まる。

実に、丁度良い速さで

無数の水滴が空から落ちては

地面や木や草に

ぽたぽたと小気味良く跳ねる音は

心を穏やかに研ぎ澄ませてくれる。

いっそのこと

なにもかも

青く透明に染まってしまえばいいのに

そうすれば

とっ散らかってしまった何かや

どこかに置いて来てしまった何かが

しかるべきところに

清潔に繊細に

純粋な心でしまえるのに。

なあんて思いながら

すぐそこにある孤独に

一抹の喜びを感じて

そうして夜が完全に明ける頃

ようやく私は雨に染まる。

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