夜のお友達と海辺でぼーっと過ごした話

タイトルに書くのはあまりにも俗っぽい感じがしたのでここで言いますが、夜のお友達、つまりセックスフレンドとのお話です。

最近よく会っているお友達とは、昼も朝も共に時間を過ごします。(お友達とは言っても一回り年上ですが…)

多忙な彼が珍しく土日の2日連続休みになったということで、ドライブがてら2日間神奈川で過ごすことに。

高速には乗らず下道でわざと時間をかけて、お互いに好きな音楽をかけて、いろいろなことを話して。夜は遅くまでベッドで戯れて。
朝も早くに目が覚めたので、静かな喫茶店のバルコニーでモーニングをして。都内に戻る途中で、眠気覚ましのためコーヒーを飲みがてら海に立ち寄った。

名前も知らない浜辺で、2人並んで岩に腰掛け、彼の肩に頭を預けた。そこらにたくさんいる親子連れや少年の集団を、温かい日差しと穏やかな沈黙の中でふたり眺めていた。
その空間には、嫌なものなどひとつもなかった。ただ、私たちの関係に何の名前もないというほんの少しの切なさを除いては。別にどんな関係でもその瞬間が幸せであればそれでいいのに、確かな関係を求める自分が嫌になった。


「最後に抱いてもいい?」

散々私の身体をいじめ抜いて、お互いの下半身をジーンズを履いたまま擦り付け合った後に、少し切なそうな表情で私を見下ろして言う。ノーと言うわけないじゃないか。ずるい質問だ。


ずっと一緒にいた2日間を惜しむように、少しの寂しさをお互いの間に漂わせながら身体を繋げた。

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