まよなか
時計の針が12時を過ぎた。
時計の針が右に進むにつれて、焦りが増してくる。
リビングは明るいのに、もう誰もいない。
聞こえるのはどこか遠くで鳴っている救急車のサイレンと、孤独な生活音。
目的のないネットサーフィンに、膝は少しずつ角度をつけてゆく。
スマホの画面を消して、また点ける。
1:05、じわりじわりとした不快感。
1:10、つま先が冷えてくるのを感じる。
1:20、誰かが起きているのを見て安心する。
まぶたを閉じると、
ふっと落ちてしまいそうになる。
ほんとは落ちてしまいたいのに。
真夜中の何かが邪魔をしてくるんだ。
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