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こんにちは。ひとりPR会社を起業した植田聡子です。

決められないリーダーが多すぎる

リーダー、管理職、経営者に求められる1番の役割は「決めること」だと思っています。こうしよう、と決める。そのためにはなぜそうすべきなのか、という裏付けも必要だし、そうするからには責任も伴います。それぞれのレイヤーのリーダー層が自身の責任を担うことこそが求められていることだと信じています。

では、日本のリーダーは果たして決めているのか。

決められないんですよね。

裁量がないのです。与えられていないのです。

先日、元リッツカールトン日本支社長の高野登さんのお話を伺いました。リッツで有名なエピソードですが、全スタッフに1日2000ドルの決裁権が与えられています。お客様にベストなサービスを提供するために、「一人一人の主体性を失わない」ためだそうです。これ、ほんと、ドキッとする話です。

上司に聞かないとわからない

これは主体性が既に失われている可能性あります。

まあ、この言葉を隠れ蓑にうまく断るポーズだとしたら、別にいいのですけど、通常、「だったら最初から上司を出しなさいよ」と相手は思いますよね。相手の時間をリスペクトしていないから、単なる御用聞きに成り下がっているわけです。

私が都庁の管理職への魅力がどんどん失われていると思うのは、私が在籍した21年の間に、この裁量権がどんどん失われているのです。既に、課長級で「自分に任せておけ」くらい、腹をくくって仕事できる雰囲気は、少なくとも本庁では皆無ではないでしょうか。

裁量のある上司から主体性のない上司へ

10年くらい前、私が広報課に来てまもない頃の課長や部長はもう少し裁量がありました。気概もありました。

私がインターナル広報で毎日取材して、記事を上げていた頃、課長も部長も「植田さんがこれだと思う取材をして、記事をあげなさい。信頼しているし、我々にいちいち確認をとっていたらウェブのスピード感が失われる」と言っていただき、2年間ほとんど自由にやらせていただきました。

知事サイドの部局から無理難題的なリクエストがある時、「冗談じゃない!」と戦ってくださったこと、私がケアレスミスで間違えた時「謝る時のために上司がいるのだ。こんなことを気にしなくていいから、今までどおりがんばってほしい」と部長室で励ましてくださった上司。

何人かの上司のサポートで、私は歩みを止めずに突き進めたと思っています。

でも、こんなこともありました。新年早々、1月4日に私の父が急逝しました。
1月5日が仕事始めでさすがに休もうかとも思いましたが、お通夜や告別式まで時間がありました。年末年始で火葬場も混み合っており・・・

まずは知事の新年あいさつの記事は書こう、その後の記事は同僚に少しだけ任せようと出勤しました。知事の新年あいさつ記事をまとめ、そのアップを同僚に頼んで帰りました。知事サイドの部署(当時は政策課)も、その流れで私が記事を書いてアップするということを当然と捉えていました(やりとりしていたのが同期だった)。知事の新年挨拶は限られた職員しか直接聞くことができません。

まさに都のトップの発信を、特に出先機関の職員のためにも、早々に共有する必要があると思っていました。

という流れにも関わらず、急に「知事の挨拶文を自分でまとめるなんて、広報課の仕事じゃない」と言って、着任まもない課長がその業務を放棄しようとしました。

私が帰ったあと、同僚に任せたら、同僚が課長にご報告しちゃったわけです。植田の個人プレイではなく、自分が課長としての任務だと理解した時、彼はその文章に責任を持つのが怖くなったのかもしれません。その上司は悪い人ではなかったけれど、とにかく頭のいい人で、常にこのように「いかに自分の部署に責任を押し付けられないか」ということにセンシティブでした。

理想のリーダー、そうじゃないリーダー

だんだん、その傾向は顕著になり、どの管理職も皆一つ上の上司にお伺いを立てることが仕事になっていきました。決めないで右から左に進めることばかりに長けた人がどんどん増えています。

都庁の話だけではありません。

民間企業でもいろいろなリーダーがいます。

ブレないビジョンを持って、突き進む。信念がある。でも、メンバーの意見も聞いて、柔軟性がある。

そういうリーダーが理想ですね。

私がお取り引きしている企業の方は、幸い、皆、素晴らしい経営者で、そういう意味で、独立して本当に良かったと思えます。ありがたいことです。

でも、そうでない経営者のことも知ってます(笑)

<パターン1:自分の意見が見えないリーダー>
自分で決められず、延々と会議を開く人。みんなの意見を聞いて決めたいとのことですが、結局、あまりにも長い会議の負担が大きすぎる。会社として、あなたはどうしたいんですか?と何度聞いても、ふわふわしていて、それはみんなで決めたいとばかり・・・

<パターン2:自分の意見しかないリーダー>
自分の意見が強すぎて、メンバーの意見がどれも気に食わない。自分の脳内だけで次々と進展してしまい、メンバーがついてこられない。ついてこられないのはメンバーのレベルが低いからと思っている。

マネジメントは管理することではない

ドラッカーはマネジメントに求められる役割について提示しています。

1 組織が果たすべきミッションを達成する
2 組織で働く人たちを活かす
3 社会に貢献する

manage=管理する、という和訳は、ビジネスにおいてはだいぶ誤った解釈も多いと思います。進捗管理ではなく、あくまで「ミッション達成」であり、そのために「メンバーを活かす」のがリーダーの役割です。

先ほどのパターン1もパターン2もマネジメントとしては失格です。どちらのリーダーも、自分の考えを言語化できない、人に伝えられないというのがNGポイントです。

外部環境を見ながら、内部資源をどう配分するか、それによって、どのようにミッションを達成し、最終的には社会にどのように貢献していくか、それを導くのがリーダーが行うマネジメントです。


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