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二拠点生活は価値観にも変化をもたらした

ひとりPR会社を起業した、植田聡子です。

私は2017年から二拠点生活をしています。コロナ禍を機に地方での暮らしを考えている方もいるとのニュースもあるようです。

「なぜ二拠点生活をしようと思ったの?」とよく聞かれるので、きっかけや二拠点生活で自分に起こった変化を記したいと思います。

通勤がつらくてまずは都内へ引っ越した

それまでは横浜駅から徒歩圏のマンションに住んで、都庁まで湘南新宿ラインで通勤していました。電車に乗っている時間は30分ほど。とはいえ、巨大ターミナル駅である新宿と横浜は、駅構内をかなり歩かなければなりません。そして山手線や京浜東北線、東海道線と比較すると、まだまだ本数が少なく、特に22時以降は壊滅的なダイヤ本数となります。

そんな中、2015年、右足首の三果骨折(脛骨、腓骨、距骨)という結構な怪我をしまして、入院、手術、リハビリなど松葉杖生活も続き、このビッグターミナルの往復通勤がとにかくネックになってしまいました。
「駅の人混みが怖い」「エスカレーターで歩く人が怖い」「エレベーターのある場所までが遠くて歩けない」

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横浜のマンションを売却し、まずは駅近の新宿まで近いマンションに越そうと決め、京王線沿線、世田谷区のマンションに転居しました。

都内のマンションは高いが快適

横浜の感覚で広さを求めると、賃貸マンションは相応の家賃負担があります。でも、広くて、共有スペースには緑もあり、近隣に公園もあって、すごく気に入った街でした。ただお家賃、新卒の初任給よりずっとお高いですけど。

一方、足のリハビリも順調、ゴロゴロ入ったボルトやプレートを抜く手術もして、2016年には近隣の低山、丹沢や高尾などに再び出かけられるようになりました。

私がとても好きな山は高尾からもう少し西、東京と神奈川の境にある「陣馬山」です。山頂はとにかく眺望が開けていて、茶屋も充実していて、本当に気持ちがいい山です。高尾、小仏方向に下山するルートもありますが、私は相模原側の登山道から藤野エリア(佐野川)を歩き、中央本線の藤野駅へ向かう下山ルートが気に入っていました。里山ってこういうところのこと言うのかな。ゆったりした空気。

二拠点生活をふと思いついたのはこんなエリアを歩いていた時でした。


二拠点目の場所を選ぶポイントは?

二拠点生活で当時人気があったのは、南房総でした。では、自分たちはどんなポイントで二拠点目を選ぼうか?

・都心まで50km圏で、圧倒的な自然(直接当日勤務先に行ける範囲)
・車での移動だけでなく、在来線での移動が可能(新幹線での移動はコスト高)
・いわゆる郊外のベッドタウンでは意味なし、都内とは全く違う環境がよい
・別荘街ではなく(バカンス期間だけ人がいる)生活感もある街

小さい円が50km圏です(こちらのサイトから画像をお借りしました。)

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私の実家である横須賀もその範囲ですので、自動的に三浦、湘南エリアは却下(実家に帰ればよいだけ)
・内房(木更津、富津、君津)
・秩父エリア(飯能、日高など)
・秦野(丹沢、大山エリア)
・あきる野、青梅、奥多摩
・高尾、相模湖、藤野エリア
・三浦、湘南エリア

二拠点目がある前提での都内の住まい

上記のエリアでは、自分たちの土地勘なども踏まえ、千葉、埼玉はほとんど検討することはありませんでした。少し考えたのは、青梅線エリア。でも、ここも結構西まで行かないと、ベッドタウン感があり、そもそも二拠点というより普通に生活している同僚も多くいます。

やはり当初ピンときた藤野エリアで探し始めました。不動産屋さんといろいろ探しましたが、その当時、藤野はなかなか気に入る物件が出てこなくて、結果として隣の相模湖エリア(高尾駅から一駅)でいい物件と巡り会えました。

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一方、二拠点目に広さや自然があると言うことなら、都内の家はもっとコンパクトでさらに都心でもいいのではないかという、新たなアイデアも浮かんできました。世田谷や杉並は、いわゆる都内の山手エリア、緑もあり、オフィス街というより住宅街でゆったりしています。

これまで住んだことない都心にも住んでみよう

二拠点を実現することで、都心のマンションは狭くてもよい、と考えをシフト。2箇所住むことが、住居コストの大幅増にならない点でも意味があります。そして、自分たちが住むなんて考えたこともなかった街が候補となりました。

結果、港区麻布台、東京タワーの真横です。近すぎて東京タワーの全貌を見られないくらい。最寄駅は赤羽橋か神谷町、麻布十番や六本木、虎ノ門ヒルズも徒歩圏でした。

価値観の大きな変化

当時、虎ノ門ヒルズに勤務していた私は、15分くらいかけて毎朝歩いて通勤しました。30年近く勤めてきて、初めて通勤ラッシュから解放されたのです。疲れた日はタクシーで帰っても1000円かかりません。

スーパーもレストランも近隣の他、麻布十番に行けば本当に不自由しません。大使館も多いので、外国人向けスーパーやオーガニック食材なども簡単に入手できます。芝公園や増上寺も近く、羽田や東京駅へのアクセスも抜群。

本当に便利でした。ロシア大使館に近かったので、土日は北方領土返還の街宣車などがややうるさいこともありましたが、そのくらいかな、マイナスは。

麻布台への転居は、自分の価値観に大きな変化をもたらしました。

住みたいところに住むことってできるんだ
やりたいことって叶うんだ

例えばこの先将来、「京都に住みたいな」「湘南に住みたいな」「九州にも住んでみたいな」も、思い次第でいろいろなことが実現できるかも、という自由を手に入れた気持ちになりました。

私が21年勤務した、安定の公務員をやめようと思ったのも、この「自分のやりたいことは人生においてやってみてもいいんだ」という気持ちが影響していると思います。

その後、現在の住まいである神楽坂へ転居しましたが、どちらの街も本当に大好きな街となりました。転勤族でもないのに、人生における転居回数はかなり多い私ですが、その都度、愛着ある街が増えていくのも嬉しいことです。


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