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定年延長・再雇用・・・個人差が大きいんです

こんにちは。KiwiPR合同会社の植田聡子です。

60代の働き方はさまざま

私がライン係長になったばかりの頃、当時、部下が20代2名、60代2名、40代1名くらいの年齢構成でした。20代は最初は手取り足取りでも、教えれば覚えるし、成長が見える。なんなら、うっかり係長のサポートもできるようになります。

では、60代の先輩方については、最初どう接しようか、軽く悩みました。

まず、年度始めに業務を割り振るのが係長的には結構大きなミッションです。

「あの人の仕事の方がいい」「自分の仕事量が多すぎる」

そこそこの不満が噴き出すのもよくある光景です。

結局、私が3年間お世話になった同じ係の再雇用の方は、みんな非常に積極的に業務に取り組んで、後進の育成もかってくださったり、ご自身もプレイヤーとして実際に手を動かして尽力してくださいました。私のような係長の下で、仲良く楽しく心を開いて、みんなでいいものを作ろうと一丸となっていました。

どんな心境で自分の立場を受け止める?

一方で、思うのです。

彼らは一旦退職したという形で、退職金を受け取り、再任用(再雇用)を選び、給料が激減し、役職も下がり、私のような上司の元で働いてくださったのだということを。

さぞ色々な心の中の整理やある種の割り切りがあったのだろうと推察します。

そして、これから先、まず定年が5年延長され、そして再雇用(再任用)がそこから5年、として。65歳まで雇用は維持されても、給与が維持されるとはあまり明言はされていないはずです。

民間の場合は役職定年があり、役所の場合、昇給停止があります。もしかしたら、55歳から65歳までずっと給与が抑えられ、65歳から70歳でさらに減少となる?

給与だけでなく、仕事内容はどうなるのでしょうか。

もしかして、これまで55歳からの5年間、60歳からの5年間、全部で10年間の間のゆるりとした時間が、まさか55歳から70歳までの15年間になる?

どの企業もこれからどうしようか試行錯誤の状況ですので、ロールモデルがない状況でその年齢を迎える世代の方は、どんなふうに情報を入手しているのでしょうか。

そのような変化への受容、適応能力も本当に個人差が大きいのです。

選択肢は多い方がいい

選択権が自分にあるのか、企業側にあるのか、という点もさておき、ご自身が納得いくようなライフキャリアを歩むために、企業のいうことを鵜呑みにし過ぎず、色々な可能性を考えて準備してくださいね。

企業に「しがみつく以外選択肢がない」という声はよく聞きます。今後、さらにパラレルワークなど副業解禁の流れは加速していくのは間違いないはず。副業をするかどうかはさておき、在職中から何か準備できるなら早めに着手しておくにこしたことはありません。会社以外にも道があると思えるかどうかは大事なことです。

私のような零細企業も、もし人的資源が必要な時、手伝ってくださるシニアの経験や知識、人脈がどれだけありがたいことか。きっとそういう企業もたくさんあるはずだと思います。

社外取締役や顧問、相談役のポストはごくわずかの椅子取りゲームですが、スモールビジネスを複数請け負うスタイルは今後も需要は間違いなくあるでしょう。

その時のために、マネジメントだけでなく、手も動かせる、少なくともZoomのミーティングくらい、自分で設定して開催できるくらいのスキルとか、パワポでプレゼン資料くらい作れるとか、その程度のスキルや情報はあった方が絶対にプラスです。

一番大切なのはパーソナリティ

先日、60代以上と思われる男性で「私はインターネットで物を買ったことは一度しかありません!」と堂々とおっしゃっていました。その一度も仕方なく、渋々だったと言わんばかりの物言いでした。

いいんですよ、個人の自由ですから。
どこで買うか、何を買うかは全く自由です。

でも、一方で思うのです。

世の中はEコマースの流れがあり、ましてや中韓などは日本以上にそれが進んでいます。ECしかり、SNSしかり、ユーザーの立場で使ってみて、初めて色々気づくことも多い。それが仕事に結びつく時代なのです。

そういう変化に対しての好奇心がない「頑固な人」なんだな、と。

「頑固な人」と若輩から思われたら、組織でご一緒に働くのは難しいかもしれません。柔軟な思考、好奇心、素直さや謙虚さ、ここは本当に個人差が出ます。

「一緒に働きたい」と世代を超えて思われるチャーミングさは、年老いて失ってしまう能力、例えば視力の衰え、動作の機敏さなどを上回る魅力です。






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