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大学院の授業ネタが続きます。ビジネスデザイン研究科なので、仕事に役立つ情報も多く、自身の復習がメインの備忘録ですが、大学院での学習に興味がある方のためにも記していこうと思います。

「消費者行動とマーケティング」1回目

昨日は牛窪恵先生の授業でした。メディアにも多く出演され、著書も多く、アカデミック出身ではなく、まさに現場で積み重ねてきた実績と、立教ビジネススクール(RBS)を2019年修了という先輩でもあり、授業が非常に楽しみでした。最新の著書も読みやすそうなので読んでみようと思います。私の娘がまさにZ世代ですし。

マーケティングの神様、フィリップ・コトラーのマーケティングは「製品中心のマーケティング1.0」「顧客中心のマーケティング2.0」「人間中心のマーケティング3.0」を経て、「デジタルマーケティング4.0」へ。5.0も英語版はもう出版されているとのこと。牛窪先生はもう英語版で5.0を読破されたそうです(さすが)

多分私がテレマーケティング会社でがっつり働いていた頃はは3.0ですね・・・(歳がわかるな)

4.0では「シェアリング」エコノミー、オムニチャネル・インテグレーション、コンテンツ・マーケティング、ソーシャルCRMといったトレンドに触れられています。今となってはもう新しさは感じられませんが、コトラーさんがあえてデジタル領域について触れたというだけで価値があるのでしょう。

ミラーの書籍「消費資本主義」では消費=摂取、吸収など「取り入れる」定義だそうです。高級なブランドを身につけることで、自身の富、健康、長所などを見せつけようとする心理が書かれているようです。

この辺りは、私の世代(自身をバブル世代と定義するのにかなり抵抗がありますが、ギリ入ってるのだろうな)と、今の20代は全く違う価値観がありそうです。所有することに係る労力より、シェアを求める、「持たない」という選択肢。

また、消費に係る決済についても以前のお金、クレジットカードだけでなく、ポイント消費やキャッシュレス決済など手法が多様化しています。現金とそれ以外の消費の場合の心理的変化、例えば「現金だったら買わないけど、ポイントだったらこれに引き換えようかな」などの心理の変化も面白いですね。

BMEモデルとは消費者の意思決定モデルのこと。Blackwell, Miniard, Engelの頭文字をとってるのですね。エンゲルってあのエンゲル係数のエンゲル!このサイトの中盤の図表イメージがわかりやすいです。

消費者心理の傾向、バイアス

色々な事例を挙げながら、心理傾向やバイアスを教えていただきました。知ってた話もありますが、改めて人の話も聞きながらだと、深まって面白かったです。サンクコスト効果について、私は自分が持っている個別株が浮かびましたが、結構な人が「東京2020大会」を事例として挙げた衝撃もありました(苦笑)

☑️アンカリング効果=先行する何らかの指標によって後の数値の判断が歪められ、判断された数値がアンカーに近づく傾向。

☑️フレーミング効果=同一の選択肢であっても選択者の心的構造(フレーミング)が異なると意思決定が歪められて判断が異なること。

☑️イケア効果(IKEA effect)=自分が作ったものに本来以上の価値を与えてしまう心理効果。 

☑️単純接触効果(mere exposure effect)=繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。

☑️サンクコスト効果(コンコルド効果)=損失する可能性が高いとわかっていても、過去に投資したコストの価値を引きずり、判断が鈍る心理的傾向。

☑️Zero-Sum ヒューリスティック=誰かが得をしたら、その分誰かが損をしているはず)と直感的に判断する傾向。

☑️クラスター錯覚=ランダムな現象を一定の法則に基づくと思う錯覚。

☑️カクテルパーティー効果=人混みや雑踏でも自分の関心あるキーワードは聞き取れる効果。



消費者の意思は直感から推論を経て決まるもの。ということで、この書籍もご紹介いただいたので、読んでみようと思います(読めるのか全部、自分!)

前期の後半(6月から7月)の内容

立教RBSは前期を春学期1、春学期2、後期を秋学期1、秋学期2と4期に区分しています。春学期2「消費者行動論2」についての内容にも少し触れていただきました。いよいよ全くもって未知の分野!!ニューロマーケティングだとのこと。

ニュースで見たことはありますが、アイトラッキング(視線の動き)や表情解析なども学べるとのこと。自分で何ができるのかまではわかりませんが、そのような分野があるということをまずは理解していきたいと思います。

ビッグデータ、ディープラーニング。MaaSとメモに書いていたのはおそらくトヨタのWoven cityの事例をご説明いただいた際に書いてますね。SWOT分析のT(Threat=脅威=競合他社)の話の際に、ではトヨタのThreatは自動車産業なのか、という話になりました。


センチメント分析、よくレポートとかテレビでは見ます。SNSなどのキーワードがまとまっていて、そこから感情(ポジティブ、ネガティブ)なども見えてくるあれです。こういうツールなんですね。統計学の授業でも思いましたが、「誰かが調べてくれたもの」をこれまでただ見ていただけで、それがどのような手法で、どんな風に調べるのかという点に今回初めて気付きました。それだけでも、自分としては最初の一歩は進んだ気がします。(初歩的すぎてお恥ずかしい・・・)

一方、AIが全てをサポートするわけではないはずだという議論にもなりました。いつか「猿の惑星」のような世界が来るのではなく、例えば自動運転にしても、「自動運転の車」と「自分で運転する車」の共存(移行期間)は必ずあります。

マーケティングの場合、マーケッターは「AがCなのは、きっとBという理由があるはずだ」という仮説のもとに調べていくのに対し、AIは「AはCなのかな、Dなのかな、Eなのかな。たくさん事例を見たらどうもCのようだ」からアプローチするので、理由、原因は判明しなくても結果を導き出そうとするのだそうです。

初回を終えて

牛窪先生のクライアントさんは大企業が多く、それだけにお話の事例も規模が大きく、また先端事例も多いので、新鮮でした。マーケティングを学び直そうと思っていましたが、学び直すなんて恐れ多い、むしろどんどん進化している内容に全くついていけていない自分を再認識しています。もっと色々なことを知って、ブレイクダウンして、それを活用できるようになりたいなと。使われるのではなく使いこなせるようになったらいいな、という期待を込めて、初回を終えました。








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