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目の前のことに集中しきる難しさ

自分が今取れる行動の選択肢の数は、自分の父親が取れた行動の選択肢の数の何倍あるのだろうかということを考えることがある。

スマホでSNSやメールのチェックをしたり、Youtubeで動画を見たり、SoundCloudで音楽を聴いたり、はたまたパソコンでネット記事を見たり、作業をしたり、それ以外にもKindleで読書したり、ベッドで仮眠してみたり。

今、パッと思い浮かんだのだけでもやれる選択肢はたくさんあるし、これを見ても分かる通り、電子機器による選択肢の拡大が大きな影響を及ぼしているように感じられる。

多様な選択肢によるノイズを指数関数的増加

選択肢は多ければ多いほどいいかというと、そんなことはないのは周知の事実だろう。有名なジャムの実験がそれを証明しており、人は選択肢が多いほど、その場で迷いやすくなり、その後に後悔しやすくなる。

米コロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授によって行われたジャムの実験。米サンフランシスコのドレーガーズというスーパーの入り口近くに、有名ブランドのジャムの試食コーナーを設け、そこで24種類の試食ができる豊富な品揃えと、6種類に絞った少ない品揃えの2パターンを入れ替えて、試食する人数を測った。

24種類の時には通行する来店者の60%が試食に立ち寄り、逆に6種類のときは40%にとどまった結果となった。しかし、試食者がジャムを実際に購入したかどうかまで調べていくと、24種類の試食コーナーを利用した人のなかで、実際に購入した人は3%にとどまり、6種類のコーナーで試食をした人のうちの30%が実際にジャムを購入したという結果が出た。

引用:https://biz-journal.jp/2015/11/post_12222_2.html

このジャムの実験からも分かる通りに、日常の中でも選択肢が増えるほど、その場での迷いが生まれやすくなるし、自分のとった過去の行動に関して後悔しやすくなる。それが、今の現代人を悩まされているノイズの大きな一つの要因だろうと感じる。

自分ごとではあるものの、僕も最近ノイズによって集中されていることをどうにかできないものかと試行錯誤している。なんか変に急いでて、雑念があって、ノイズに惑わされている感じがいつもしてるので、それを解消したいと考えている。

どこか「目の前のことに集中しきる」ということができなくて、それ故に本を熟読することもできず、何かに没頭もできない。

そして、没頭できないことにも思考を働かせてしまい、「没頭は勝手にやってくるのか」「これは環境が起因してるのか」「これが現代病ってやつなのか」と雑念が雑念を読んでしまっている状態になっている。

この状態はどうすればいいのだろうか。人里離れた場所で少し暮らしてみるというのは現実的に厳しい部分があるし、かと言ってスマホやPCのちょっとした規制でどうこうなる問題かというとそうでもない気がしている。

そんな中、忙しさが短期的ではあるものの、解決の糸口になっているような気が最近してきた。

「忙しい」という万能薬

最近、ノイズが生じてしまう1番の理由として僕が考えたのは、目の前の仕事の緊急度であった。緊急の用事でないから、目の前に集中する理由もない。それ故に、気が散ってしまうという循環である。

本質を丸々突いているかと聞かれると、そうではないかもしれないが、あながち「暇なこと」は現在の悩みの多くを生んでいるのは間違いない事実だと思っている。

暇だから考えてしまうし、暇だから悩んでしまうし、暇だから自分ができることのテリトリーを越えて、他人のタスクや自分が関与できないタスクのことにまで頭が回ってしまう。そんな気がしている。

タスクの量を増やすことによって、自分を忙しくする。成長が人の悩みを解決する万能薬なように、忙しさは自分を悩ませないための万能薬なのかもしれない。そんなことをやすやすと言えるくらいの暇さは、健全ではない動かぬ証拠なのかもしれない。

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1997年の日本生まれ。