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ピンク映画館リベンジ〜前編〜

あるポスト(旧ツイート)が目に止まる。
それは関西の成人映画館の体験談だった。
私は、昨年の秋のあの日を思い返した。

まずはこちらから拝読下さい。
※読まなくてもいいが、読んだ方が
この後の情景が浮かびやすいのでおすすめ。
成人映画館が分からない人は黙って読め。


「なにも出来なかった...」

オークラ劇場を出た時、
感じたことのない疲労感と
かすかな敗北感を1人味わっていた。

周りの空気にのまれて
なにひとつできなかった。
おじを弄ぶどころか
ただ彼に弄ばれただけだった。

もし次があるのならお酒を飲んでいこう。
そう決めた。
だけど、もう次はないだろう
と心のどこかで思っていた。

それなのにもう一度行ってみたい。
という感情がふつふつと湧いてきた。
それが、4月下旬のことだった。

さすがに一人で行く勇気はないので、
友達のAちゃんを誘うことにした。
彼女もまた性的好奇心が強いタイプだった。

最初は乗り気ではなかったが、詳しく話をすると「行ってみたい」と言わせることに成功した。
私は人をその気にさせることがわりと得意なのだ。結局、予定とはかけ離れた展開になったのだが、順を追って話すからお、おおお、落ち着いてくれ。(お前がお膣け)

一言だけ先に言うと、前回よりも濃い内容になっていることは間違いないだろう。


GWのある日。
Aちゃんと夕方に上野で落ち合う。
私は黒のタイトワンピース、Aちゃんもテロンとしたベージュのスカートを打ち合わせなく履いてきた。気合いは十分あるらしい。

冒頭に書いたように
─ もし次があるのならお酒を飲んでいこう。
Aちゃんもシラフではとても行けないと言うことで、事前にお酒を飲むは絶対条件だった。

結局、いつものようにゲリラで人を募り
5人での居酒屋飲みが開催されることとなった。
私は、飲み会序盤でAちゃんに問いかける

「いま行きたい度何パーセント?」

「30パーくらいかな笑」

「わたしも笑」

飲み会中、この後女2人でオークラ劇場に行く。という話をしていて声援をもらっていた。
それなのに2人とも全然乗り気じゃなくて笑われた。いや、宴は始まったばかり、酔っ払えば勢いで行けることなんてわかっていた。きっとお互いに。

「まだ酔いが足りない飲もう」そう言って
私が書いた1回目の体験談『ピンク映画館に行ってみた。』を振り返ったり、ある筋から入手した情報を共有したり、万全の体制を整える。
あとは、気持ちが昂るのを待つのみ。
メガジョッキをひたすら飲み
60%までボルテージが上がった頃、
「そろそろ行こうか」と店を出る。

この時、私の酔い度は30%ほどだった。
全然酔いが足りていなかったので、
最後にコンビニでチャミスルを買って向かう。

時刻は夜9時過ぎ。
半年前に歩いた道にさしかかる
煌びやかな大きな看板が目に入ると
私はまたあの異様な光景が脳裏に浮かんだ。
入る前にもう一度「甘っ」と言いながら無理やりチャミスルを体内へ入れ、気合いも入れる。

「よし行こう!」

Aちゃんは迷いなくカツカツとヒールの音を鳴らし中へ入り、券売機で入場券を買う勇ましさ。
私はそのすぐ後ろにいたが、2回目の余裕だろうか、それともお酒を飲んで五感が鈍っていたのか、突き刺さるような視線は感じなかった。さりげなく振り返ったら、後ろにいたおじたちの視線はしっかり私たちに集中していた。

『入場券を買ったら、まずトイレに行って、それから劇場に入る。』が私たちのシナリオだった。
ぶっきらぼうな店員の案内が終わり、トイレには鍵がかかっているので開けてもらい2人で駆け込む。

「わあ〜なんかすごい見られてた!!」

水中に潜りやっと息が吸えたような勢いで話す。
Aちゃんからじんわり高揚感が伝わってきた。
どうする?どうする?ここまで来たらもう行くしかない!しばし作戦会議をして、トイレを出た。
1回目同様、右側から入るルートで足を進めることにした。

この時、すでにおじたちに動きが見えた。
私達が入館してからロビーにいた数十人のおじが劇場へ姿を消していたのだ。

その動きとは反対に、
私たちと同年代くらいと思しき
"常連らしき風貌の男"
劇場から出てきた。
とくに話しかけられることはなく、
私たちは異様な世界への扉を前にする。

私はまたあの虫のような動きを覚悟していたら、そこまでの人数ではなく、拍子抜けをした。
右側前方の席を目指して歩き『先に荷物を置く』が、2つ目の絶対条件だった。

後ろにぴったりついてくる人影を感じながら
私たちは横に座られないように隣の席に荷物を置いて着席することに成功した。
その瞬間、

「何だ知ってるのか」
ボソッと呟く声が横から聞こえた。

受付でよくわかんなぁいて初見の女を演出して入ったのにいまの行動で、こいつら知ってるなとバレてしまった。ヘタこいたーーー
いや、態度が堂々としすぎと後から言われた。

席を取り囲むおじは、前回より格段に少なかった。
1回目の時は、20人程に360度から至近距離で視線を感じたと言っても大袈裟ではない。
他にも女性客がいたのでおじが分散がされていたのだろうと、後から聞いた話でわかった。

私は少し拍子抜けして
目の前のポルノ映画を鑑賞することにする。
をしたかったのに、周囲の不自然な動きが気になってやはり映画どころではなかった。

ここで周りのおじたちを観察しよう!
と周囲をさりげなく見渡してみる。

まず、目の前のおじは
ずっと横に体を向けている。
それじゃ映画は見えないだろという角度。
おじの視線は私たちに向けられていた。
Aちゃんの真後ろに座っているおじは
そっとAちゃんの後頭部に顔を近づけている。

わたしには、ずっと横目で見えているのだが
後ろに視線を移すと「スーー」とまるで何事もなかったかのように元の体制に戻る。
いや!バレバレなんやけど!!バレてないと思ってんのか??すぐAちゃんにこっそり言うと、
え!!と驚いていて、バッと後ろを振り返る。
おじはまたスーーと元に戻る。
Aちゃんは全く気配を感じていないようだった。
このおじ、気配を消すことに慣れている!?
その動きが面白くて3、4回繰り返した(やめろ)

劇場内は薄暗くて遠くまでは見えなかったが
ざっと見たところ40人ほどいて8割がおじという状況だった。

複数の視線を感じながらも
やっとまともにポルノを鑑賞すると
「ん???この男優だれかに似ているぞ」
と1人の眼鏡をかけた友人の姿が浮かぶ。
感じて歪んでいる顔を見て少し複雑な気持ちになるも、目が離せなかった。実際に知っていたから。

数分経ち、これは何も動きがないなと判断し
「移動しよう」とAちゃんに耳打ちをして
入ってきた時とは間反対を通り1度外へ出た。

出口に差し掛かったところで
「もう帰っちゃうの??」
1人の男が話しかけてきたが顔はよく見えなかった。
ロビーに出ると、この空間では浮くようなカップルがいた。いわゆる地上にいそうな普通のカップルだ。女の子の様子からみて、始めて来ましたという雰囲気が伺えた。
ここまでで、約15分の内容だ。

お酒が入っている
2回目の余裕
という要素があってのことか
どこかつまらなさを感じていた私。
このままでは何も起きないな
同じような体験談を書くわけにはいかない!
と変な使命感に駆られて
気づいたらトイレへ足が向いていた。

尿意をもよおしたわけではない。
持ってきたおもちゃを仕込むためだった。
ローションいらずのわたしのあそこは
すんなりとおもちゃを飲み込んだ。

ブーブーブー
と動作確認をしながら
Aちゃんの元にもどる。

「えええ!!なんか音がする」

とすぐさま気づかれる。
携帯で遠隔操作できるタイプだったので
私はある男に遠隔操作するためのIDだけを送る。

「なんやこれ」

すぐに返事がきた。
え?知らないのかよ...
遠隔吸うやつだよ??
街中とか公園とか居酒屋で女の子を弄ぶと楽しいやつだよ。使ったことあるよね??(普通はない)
と無知なことに驚きつつ
アプリをインストールしてもらう。

おそらく、突然現れたこの男って誰?
と頭の中が?になっていると思うのでネタばらしすると、
ここまでの登場人物にいた
"常連らしき風貌の男"は実は友人だった。
以降は、Bくんとする。

Bくんと私たちは、別々に入って
他人のフリをしていたのだ。
だからさっきあえて素通りをした。
おじ達に他人だと思わせるために。

B君に後から「遠隔おもちゃの強要をされた」と言われたが、不思議と嫌じゃないとも言われた。
私も前回のように、この人に遊ばれて興奮するということはなかったし、最初から分かっていた。今の状況で使うものは使う。ただ、それだけだった。

中でじっくりとポルノの鑑賞している
Bくんに1度外へ出てきてもらい。
と言いたい所だが実際は「でてこいやあ」と元某プロレスラーのような連絡をして呼んだ。
どこに座るかなど軽く作戦会議をして
ちょっと休憩するというAちゃんを残して
もう一度チャミスルを一気飲みして
再び劇場へと足を踏み入れる。

さあ、第2ラウンドの幕開けだ!!!

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