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#6 リクルートとソフトバンクの違い

リクルートに転職してみて、リクルートとソフトバンクに共通する部分と圧倒的に異なる部分を感じた。

SBとリクルートで共通している部分>

まず、社内制度については共通する部分がいくつもあった。

ソフトバンクにはミッショングレード制というものがあり、自分のグレードに応じたミッションが定義されている。

例えば新卒だとグレード1からスタートをし、「定型業務を卒なくこなす」や「担当業務の問題点や課題を解決する」などざっくりとしたミッションが定義されていて、グレード1のミッションをクリアすれば次のグレードが上がり、基本給や標準ボーナス額が変わってくる。

これがリクルートも全くおなじだった。ソフトバンクとリクルートの2社しか知らないが、年功序列ではなく、能力に応じて昇格が可能な評価制度になっている企業は、そこまで多くはないのかと思う。

また、賞与についてもMBOという仕組みが用いられていた。なんの頭文字をとっているかをググってみるとManagement by Objectives(目標による管理)の略のようで、ピーター・ドラッカーが著書『現代の経営』の中で提唱したものというのを、記事を書いていて知った。

上期と下期の初めに、上長とすり合わせた上で具体的な目標を設定し、期末に目標に対する自己評価をし、上長が定量的・定性的な視点で最終評価をする。

そして最終評価次第で、夏と冬にもらえるボーナスが変わってくる。例えば、目標を大きく超える結果であった場合に、標準ボーナス額が2倍になるケースもある。逆に、目標を大きく下回る場合には、標準ボーナス額は半分になるケースもある。

私個人の評価は3年目の夏が最高で、うろ覚えだが、桁が一つ増えた額のボーナスをもらい、祖母を高級焼き肉店に連れて行ったら、「牛肉は好きじゃないし、高い肉より、安い肉の方がおいしい」と言われたことは忘れない。

他にも共通の制度はあったが、これも同じか!と驚いたものが、新規事業提案制度だ。ソフトバンクでは「ソフトバンク イノベンチャー」と呼び、リクルートでは「Ring(リング)」と呼ばれている。

その名の通りだが、従業員が新規事業を企画し、役員に対して企画提案をおこない、優れた内容であった場合は事業化がすすめられる。

リクルートが提供している「スタディーサプリ」もこの新規事業提案制度から生まれたものらしい。

ここまで共通していると、最初はリクルートがソフトバンクの制度を真似したのだろうと思っていたが、リクルートの歴史はソフトバンクよりも長いことを入社してから知った。(笑)

詳しくはわからないが、ソフトバンクの青野史寛 専務がリクルート出身のようで、青野さんがリクルートの良い制度をソフトバンクにも取り入れてくださったのだろうと想像した。

<SBとリクルートで異なる部分>

ここまでが、ソフトバンクとリクルートで共通している部分。ここからは、全然違うと感じたことを3つだけあげる。

1つめが、あだ名で呼び合う文化。入社した時に、リクルートの上司から読んでほしいあだ名を考えておいて!といわれた時の衝撃は忘れない。リクルートでは、社員同士や上司部下の関係でもあだ名で呼び合う。

さすがに役職が離れすぎていたり、部門間の関係が遠い場合は、〇〇さんという呼び方だが、基本的にはあだ名で呼びあう。このあだ名文化は、社員同士のつながりで、悪い意味での微妙な距離感を無くしていて、コミュニケーションが活発になっているように感じた。

ただ、悪い側面も存在する。それは、あだ名で呼び合うため、本名がわからない人がでてくる。そうなると社員検索ができないため、連絡先がわからないという、リクルートあるあるがあるらしい。(笑)

2つめが、よもやまMTGという文化。よもやまとは雑談という意味で、特にアジェンダが無い場合においても、よもやまMTGというものを設定して、社員同士がコミュニケーションをはかる。これは本当に、仕事に関係のない話であったり、仕事にかかわる話であっても、思い付きでその場で議論したりと、衝撃を受けた。

ソフトバンクでも 1on1 という形式で上長と、会話をする機会があるが、リクルートでは上長以外のメンバー間であっても、よもやま会議を実施する。ただ、これも社員間のコミュニケーションの活性化で功をなしている。例えば、新しいプロジェクトを進めるにあたって、いろいろな人とよもやまMTGをおこない、社内での先行事例を見つけたり、その過程であらたなプロジェクトが生まれたりと。

ただ、このよもやまMTGを受け入れてくれる、ひととなりや社風がソフトバンクとは大きく異なるのだとおもう。ソフトバンクでアジェンダなしで会議通知をおくるなど、恐ろしくてできない(笑)

3つめが、自走力が求められる文化。リクルートでは、上から仕事がほとんどおりてこない。むしろ自分から仕事を見つけて動いていく。もちろん勝手に走り回って無駄なことをやってばかりではいけないので、仕事を見つけては、その優先度などを上司とすり合わせる。

ソフトバンクは割とトップダウンに近い社風で、○○さん(えらい人)が言ったからという理由で会社が動くことが多い。もちろん、その中で自分で考えて仕事をするので、すべてがやらされ仕事というわけではないが。

ここで感じたのが、仕事へのモチベーションが全然異なるということ。リクルートでは、自分で言い出したことなので、仕事に対するモチベーションが高い。周りをみても、リクルートでは、前向きにバリバリ働く人がおおい印象をもったことも、自走力が求められる文化の所以だと思う。

以上が、リクルートとソフトバンクの2社を経験して見えた共通している部分と異なる部分。

改めて、なぜ私はたった5か月でリクルートを辞めて、ソフトバンクに戻ったのか?この理由については、次回の記事で触れさせていただく。

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