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一カ月間今までに買ったサイケアルバムを振り返る㉓ No Way Out/The Chocolate Watchband
67年、サイケ全盛期の中デビューしたチョコレートウォッチバンドの1st「No Way Out」。バンド名もジャケも中々サイケ感が強く、中古CD屋でたまたま見かけたときにその場のテンションで買ったのが知ったきっかけである。有名なアルバムはもちろん聴いていて外れはほぼないが、こうしたジャケ買いで出会った見知らぬバンドはスリルがあって楽しい。
曲ごとの感想
01.Let's Talk About Girl
一曲目名だけあってイントロもかっこよく気合の入った曲。四つ打ちのバスドラにサイケらしいギターリフが、テンションが上がる。最初の印象はボーカルの歌い方がミックジャガーぽいなと感じた...。サイケガレージコンピの名盤「Nuggets」にも収録された。
02.In The Midnight Hour
イントロのオルガンが神妙な雰囲気だが、ミドルテンポのシンプルなガレージナンバー。シンプルだからこその聴きやすさがある。
03.Come On
チャックベリーの曲のカバー。演奏は派手なアレンジも特になく割と忠実で、ストーンズのカバーバージョンに寄ったアレンジではある。
04.Dark Side Of The Mushroom
インスト曲。ギターのメロディが切なげで、ゆらゆらとした雰囲気が何度か聴いてくとはまる曲。この手のバンドでこの位置にインスト曲を収録するのは珍しい感じがあってやや新鮮。
05.Hot Dusty Road
ミドルテンポの肩の力が抜けるようなゆるい雰囲気の曲。初期のストーンズの曲ぽくて好き。
06.Are You Gonna Be There (At The Love In)
良い感じのガレージサイケ曲。短いながらギターソロのうねるようなプレイがサイケぽく、ばっちり決まっていてかっこいい。
07.Gone & Passed By
ボディドリービートにシタールが合わさった東洋な雰囲気のサイケ。リバーブの奥にいるかのようなもやもやしたボーカルもらしさ溢れる雰囲気で好き。
08.No Way Out
ボーカルが一部あるものの、数フレーズを歌うだけなのでほぼインストのような内容。こちらもギターがメインのインストのようだ。ボーカルが遠くにいるようなミックスのせいか、よりミックジャガーぽい声に聞こえてくるのは私の気のせいだろうか。
09.Expo 2000
インスト曲。インスト曲が1作に三曲も収録されているのは中々珍しく、攻めを感じる。怪しげなアルペジオから始まり、終始シリアスな雰囲気なのでインストの中ではかなりサイケな内容に感じた。
10.Gossamer Wings
本編はこの曲でラストとなる。かなり低めのボーカルがやや不気味な曲。ストリングスのようなアコーディオンのような謎の音が特徴的で、三拍子になって曲が終わったかと思いきや不穏な雰囲気のパートが始まるのがまた不気味で良い。地味に今作で一番サイケな曲かもしれない。
(Bonus Track)
01.Sweet Young Thing
彼らのデビューシングルとなった曲。イントロにストーンズの「What A Shame」ぽさを感じてしまった...。あまり感想で他のバンドぽいと表現するのも失礼な感じがあって申し訳ない。オーソドックスなガレージロックといった感じだが、転調の仕方が意表を突かれるような突然さがあり面白い。
02.Baby Blue
「Sweet Young Thing」B面で、ボブディランの曲からのカバー。イントロのフレーズなどがサイケ感があり、メロディも良くて意外と面白いカバー。
03.Misty Lane
2枚目のシングルとなった曲。メロディがポップで聴きやすい明るめな曲。
04.She Weaves A Tender Trap
「Misty Lane」のB面に収録されていた曲。ストリングスが入っており、A面とは別の方向でポップな聴きやすさがあるサイケポップ曲。
05.Milk Cow Blues
ブルースのスタンダードナンバーからのカバーで、エアロスミスやキンクスにもカバーされていた曲。バスドラの四つ打ちで更にノリのいいアレンジになっている良カバー。
06.Don't Let The Sun Catch You Crying
この曲と次曲は明らかに音質が悪く、未発表曲からの収録といったところだろうか。ゆったりとしたバラード曲で、音質の悪さがかえっていい感じに聞こえる。
07.Since You Broke My Heart
こちらも明るめな曲で、ポップなアルペジオが良い感じ。この二曲は是非とも完成版も聴いてみたかったものだ。
08.Misty Lane (Alternate Version)
Misty Laneの別テイク。こちらはテンポが速いアレンジになっていてこのバージョンもかっこよくて良い。
今回聴いて改めて良いと思った曲
04.Dark Side Of The Mushroom
インスト曲ながらギターのフレーズが良く、何故かキャッチーかつ物憂げな感じがはまった。
まとめ
曲ごとの感想でも散々頻出させてしまっていたが、全体的にストーンズからの影響を強く感じた。雰囲気は特に初期の曲らしさがあり、ちょくちょく脳裏に浮かんだものも多い。だが全くのパクリではなく初期ストーンズにサイケが混じったような感じであり、これはこれで結構好きだ。ストーンズがサイケをやったという「Their Satanic Majesties Request」とも違った感触であり、とても面白い。
そして、インスト曲の多さも地味に面白味を感じた。ガレージ系のバンドでこの配分になるのも中々ないのではないだろうか。その一方で、やっぱり歌入りの曲はもうちょっと欲しかったかもというのはあるがボーナストラックの収録によってその点は解消されている。サイケとガレージが丁度半々といった感じで聴きやすいのもいい。
先に言っておくと明日は1日忙しいので勝手ながらお休みとなります…。
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