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メリアゲ「アタクシのバースデーですわよ!!」

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(イラスト:ぎんけさん)

※この物語はフィクションであり、
実在の人物・団体とは一切関係ありません


メリッサ「・・・・・」

(パソコンでメールを送るメリッサ)
メリッサ「・・・・これでよしっと・・・・準備バッチシですね・・・・」

メリッサ「ふぅ・・・・安心したら・・・・眠くなって・・・・ダメ・・・・私には・・・・やるべきことが・・・・」

アゲハ「23時59分55・・・・56・・・・57・・・・58・・・・・59・・・・!」

(8月8日 0時00分00秒)


アゲハ「8月8日ーー!!!今日はアタクシの誕生日でしてよーーー!!!」

アゲハ「おかあ!!おかあ!!!」

マユミ「うわ!!!?んもーなんねアゲハこんな時間にドタドタして・・・・」

アゲハ「そりゃあドタドタもしますわよ!!ホラ!ホラ!!ウチになんか言うこと、あるやろ!?」

マユミ「あーーー・・・・?あっ!そっか!アゲハ、お誕生日おめでとう!」

アゲハ「オッホーー!!!ありがとうございますわーー!!!お母様ぁ~~!!」

マユミ(やかましか~・・・・)

アゲハ「ハイ!」

マユミ「なんよその手は」

アゲハ「なんよって・・・・誕生日プレゼントにきまっとろーもん!ホラはやくはやく!!」

マユミ「まだ準備しとらん!!大体アンタはまだこの時間は生まれとらん!!!!」

アゲハ「あ・・・・そうなんや・・・・」

マユミ「わかったら布団行って寝なさい!!」

アゲハ「ウスッ・・・・」

(部屋を暗くしてLINEの画面を見る)

アゲハ「ふふ、いろんな人からおめでとーってLINEきとる!!誕生日ってのは気分よかですわね~~!!」

アゲハ「・・・・あれ?メリッサさんからはまだ来とらんなぁ・・・・」

マユミ「アゲハ!!!いつまで起きとると!!!はよ寝なさい!!!」

アゲハ「オ゛!!!寝ます寝ます寝ます!!!!!」

-メリッサ邸 午前9時33分-

メリッサ「・・・・あら?」

メリッサ「あらまぁ・・・・私、いつの間にか寝ちゃってたんだ・・・・」

メリッサ「・・・・なにか、なにか忘れている気が・・・・」

(スマホを見る。アゲハと自分の2ショットに8/8はアゲハさんの誕生日というメッセージ付きの待ち受け画面)

メリッサ「ハッ・・・・!!!!なんてこと・・・・!!!!!

メリッサ「今すぐに電話してお祝いの言葉を贈らなければ!!!!」

(電話をかける)


(ブー・・・・ブー・・・・ブー・・・・ブー・・・・(マナーモード音))

アゲハ「くか~~~~~・・・・・」


メリッサ「で、出ない・・・・」

(ブー・・・・ブー・・・・ブー・・・・ブー・・・・(マナーモード音))

アゲハ「すぴ~~~~~・・・・・」

メリッサ「うぅ・・・・まだ寝ているのかも・・・・こうなったら・・・・!」


アゲハ「すや~~~~~」

マユミ「あーあー・・・・学生はよかね~夏休みで・・・・」

マユミ「にしても年頃の女の子とは思えん寝顔と寝相やね・・・・こりゃあ彼氏はでき・・・・んん?」(光ってるスマホを見る)

マユミ「アゲハ、アゲハ」(おでこをたたく)

アゲハ「ング゙ッ・・・・イテ゛・・・・なぁ~~ん・・・・?」

マユミ「二宮さんから電話きとぉごたるよ」

アゲハ「・・・・にの・・・・メリッサさん・・・・!!」

アゲハ「うわ!!!ほんとだめっちゃ電話かけてきとる!!!」

(玄関のチャイム)

マユミ「誰やろ・・・・こんな朝早くから・・・・はーい」

メリッサ「あ!お母様!!おはようございます!!」

マユミ「おはようござ・・・・え?二宮さん!?」

メリッサ「あ!アゲハさんから電話だ・・・・!!」

アゲハ「あ、もしもしメリッサさん?ごめん寝とったぁ~・・・・」

マユミ「アゲハー!!アゲハー!!二宮さん遊びにきとるよー!!!」

アゲハ「おへぇ!?」

メリッサ「お邪魔します!アゲハさん!!!遅くなって申し訳ございません・・・・!!!」

(スマホを持ったままアゲハ家にあがりこんでくるメリッサ)

メリッサ「お誕生日、おめでとうございます!!!」

アゲハ「あ・・・・ありがとう・・・・ござい・・・・ます・・・・」

メリッサ「すいません・・・・私アゲハさんの誕生日はしっかり覚えておりました・・・・ピッタリにお電話してアゲハさんの生誕をお祝いするつもりだったのですが・・・・私はいつも夜の10時には寝ておりまして・・・・その・・・・途中で寝てしまいまして・・・・・」

メリッサ「ならばせめて直接お祝いしようと思ってアゲハさんのお家に参ったのです!!本当におめでとうございます!!!」

アゲハ「お、おぉ・・・・そんな気負わんでよかとに・・・・」

アゲハ「たしかにメリッサさんから連絡こないなーとは思ってたけど・・・・」

メリッサ「うっ・・・・申し訳ございません・・・・」

アゲハ「でもウチの誕生日を祝うために普段なら寝てる時間でも起きててくれてたんよね?すっごく嬉しかよ・・・・!ありがとね!!」

メリッサ「ああアゲハさん・・・・!!!許してくださるのですね・・・・私の失態を・・・・!!ありがとうございます!!」

アゲハ(許すもなにも、全然怒っとらんけど・・・・)

アゲハ(でも直接お祝いされるのってやっぱ嬉しいなぁ)

メリッサ「私、アゲハさんの為にとっておきの誕生日プレゼントを用意しましたよ!!」

アゲハ「ほんと!!!?なになに!?なんですの!!?」

メリッサ「ふふ、まだナイショです」

アゲハ「へ???」

メリッサ「その前に・・・・まずはしっかりお母様のご飯を食べてそして顔を洗って髪をセットして一番お気に入りのお洋服を着てください!いつでも待っていますから!!」

アゲハ「う・・・・うん・・・・?」

メリッサ「そうだ、お母様の本日のご予定はいかがでしょうか?」

マユミ「え、わたしも休みやけど・・・・」

メリッサ「でしたらお母様には先にお話を・・・・・」

マユミ「・・・・え!?うそでしょ!?そんなこと・・・・」

メリッサ「ふふふ」

アゲハ(おかあのあの反応・・・・一体なにを持ってきたっちゃろ・・・・)


~数時間後~


アゲハ「準備できたけど・・・・」

メリッサ「はい!ではお母様と一緒に出発しましょう♪」

アゲハ「出発??しかもおかあも連れてくの??」

マユミ「なに?嫌なん?」

アゲハ「そ、そうは言っとらんやん!?」

アゲハ「でかなんその張り切った格好!!いつもお金ないお金ないとかいいながら自分だけそんな!!!」

マユミ「もう!!二宮さんの前やろ!!やめんさい!!ごめんね二宮さん・・・・」

メリッサ「ふふ、大丈夫ですよ。どうぞお乗りください」

アゲハ(相変わらずすごか車・・・・)

マユミ(リムジン・・・・懐かしかねぇ・・・・)

メリッサ「それではじいや、お願いします。行き先は・・・・羽田空港で」

アゲハ「!?」

じいや「かしこまりました」


アゲハ(空港!?ま、まさかメリッサさんのプレゼントって・・・・りょ、旅行!?)


-羽田空港-

メリッサ「ちょうどいい時間ですね。えーっとたしか・・・・あったあった。みなさんついてきてください!」

アゲハ「ねぇおかあ。メリッサさんからどこに行くって聞いた?」

マユミ「・・・・」

アゲハ「おかあ?」

マユミ「え・・・・あ、うん・・・・すぐにわかるよ・・・・」

アゲハ(・・・・?なんだろう緊張してる?おかあらしくないなぁ・・・・)

メリッサ「つきました。こちらでお待ちください!」


(搭乗口の奥から外国人が車椅子に乗ってこちら向かってくる)

???「マユミ・・・・アゲハ・・・・」

アゲハ「・・・・!!」

マユミ「ニ、ニコラ・・・・」

ニコラ「・・・・アゲハ、私が誰だかわかるかい?」

アゲハ「お・・・・おと・・・・パ、パパ・・・・パパ!!!」(かけよる)

アゲハ「うわああああん!!!!パパぁああああ!!!会いたかったよおお!!!」(だきつく)

ニコラ「アゲハ・・・・アゲハ・・・・!!お前に・・・・・会いたかった・・・・!」(頭をなでる)

マユミ「よかったね・・・・アゲハ・・・・」

ニコラ「マユミ、苦労をかけてしまってすまないね・・・・そしてありがとう、アゲハをしっかり育ててくれて・・・・」

マユミ「いえ・・・・でもまさか本当に・・・・あなたに会えるなんて・・・・」

ニコラ「全部レディー・ニノミヤのおかげだよ」

アゲハ「レディー・ニノミヤ・・・・?」

メリッサ「お初に目にかかります。モルフォンド卿」

メリッサ「二宮メリッサと申します。本日ははるばるフランスから日本までご足労頂き、誠にありがとうございます。手配したプライベートジェット機に不備等はございませんでしたか?」

ニコラ「Ravi de vous rencontrer(はじめまして、お会いできてとても嬉しいです)レディー・ニノミヤ。ニコラ・ド・モルフォンドです。おかげさまで久しぶりに快適な空の旅ができましたよ」

アゲハ「プ、ププププライベートジェット機!!?!?メ、メリッサさんが手配したと!!?」

メリッサ「ええ、そうです!!」

アゲハ「も、もしかしてこれが・・・・メリッサさんの・・・・」

メリッサ「はい♪わたしからアゲハさんへの誕生日プレゼントです♪」

アゲハ「ひゃああああああ!!!!!!?!?ど、どどどどうしてここまで・・・・!?」

メリッサ「アゲハさん、私の誕生日のこと覚えていますか?」

アゲハ「う、うん・・・・メリッサさんのお母さんが急用で来れなくなった日よね・・・・」

メリッサ「はい。あの日悲しさに耐えられず泣いてしまった私をアゲハさんは励ましてくれました」

"遠くに離れているお母さんと会えなかったさみしさ、ウチにもよくわかるよ。ウチの場合はおとうやけど・・・・"

メリッサ「その時のアゲハさんの様子から、アゲハさんとお父様はおそらく私と母より遥かに長い期間お会いできていないんだと気付いたのです」

メリッサ「こんなにも近くに、私と同じ状況でそれ以上にさみしい思いをしている人がいる。私だけがメソメソしている場合ではないと強く思いました」

メリッサ「同時に、アゲハさんのお誕生日には
ぜひお父様に会うことができるように準備しようと決めたのです!」

ニコラ「そして先月、ミス・ニノミヤからメールを頂いてね。プライベートジェット機を手配するからアゲハの誕生日に日本にきてくれないかという内容だった・・・・せっかくなのでお言葉に甘えさせてもらったんだよ」

アゲハ「へええぇええ・・・・も、もう・・・・スケールが大きすぎて・・・・なんていったらいいのかわからんよ・・・・」

ニコラ「レディー・ニノミヤ。本当にありがとうございます・・・・モルフォンド家当主としてこの御恩は必ず返すことを約束します」

(メリッサ、ニコラ、深々と頭を下げる)

メリッサ「それでは皆様、パーティーの準備をしておりますので次は私のおうちへ向かいましょう!」

アゲハ「パ、パーティーまで!?!?」

マユミ(こ、この子はアゲハのためにどれだけお金を・・・・!?)

マユミ(と、とりあえず実家からあるだけスイカ送ってもらってお渡しせんば・・・・)

じいや「お会いできて光栄です、モルフォンド卿。二宮家に仕えている古針(コバリ)と申します。本日はワタクシが卿の車椅子を押させて頂きます。どうかよろしくお願いします・・・・」

ニコラ「ミスターコバリ、よろしく頼みます」

アゲハ「あ、あ、あの!!!じいやさん!!!」

じいや「おや、アゲハ様。どうなされましたか・・・・?」

アゲハ「あの・・・・おと・・・・じゃない!パパ・・・・でもない・・・・父の車椅子なんですけど・・・・」

アゲハ「アタクシが・・・・!!アタクシがやります・・・・!!」

ニコラ「・・・・!」

じいや「ふふ・・・・かしこまりました。それではどうぞ」

(車椅子を押すアゲハ)

アゲハ「ウフフッ!!」

ニコラ「アゲハ・・・・」

アゲハ「14年ぶり・・・・だね・・・・」

ニコラ「・・・・ああ」

アゲハ「ウチさ、大きくなったでしょ・・・・?もうおとうの車椅子だってこんな風に押せるんだよ?」

ニコラ「・・・・本当に・・・・立派に・・・・綺麗になったな・・・・」

アゲハ「お・・・・おほほほほ♪」

ニコラ「・・・・」

アゲハ「おとう・・・・泣いとると?」

ニコラ「・・・・すまないな。お前と母さんの近くにいてやれなくて・・・・」

アゲハ「・・・・」

アゲハ「おとう、ウチね。おとうのこと全然恨んでないよ」

アゲハ「モルフォンド家の者としてがんばってがんばって・・・・もっかいお金持ちになってでっかいお屋敷建てるけんさ!」

アゲハ「だから・・・・また家族みんなで一緒に住もうね!」

ニコラ「・・・・!!ああ・・・・楽しみに待ってるよ・・・・」

じいや「いい光景ですな・・・・わたくしめも思わず涙が・・・・」

メリッサ「・・・・ええ、本当に・・・・」

メリッサ(父・・・・かぁ・・・・)

- メリッサ邸 -

♪ハッピーバースデートゥーユー

アゲハ「ふーーー!!!」(ろうそくの火を消す)

ニコラ・マユミ「アゲハ、お誕生日おめでとう!」

アゲハ「えへへ!!ありがとー!!」


メリッサ「改めておめでとうございます。アゲハさん!」

アゲハ「メリッサさん・・・・・!!あの・・・・今日は本当に・・・・本当にありがとう・・・・!!な、なんてお礼したらいいか・・・・」

メリッサ「ふふふ、プレゼントなんですよ?お礼なんて気にせず貰ってください」

アゲハ「う、うん・・・・!!」

アゲハ「メリッサさん・・・・ウチね、あなたと出会えて本当によかったって思っとるよ・・・・!!」

メリッサ「アゲハさん・・・・!!」

アゲハ「メリッサさんからは色んなものを貰って・・・・正直貰いすぎだなぁって思ってるぐらい・・・・」

アゲハ「だからウチ、どこまで返せるかわからんけど一生懸命メリッサさんに恩返ししていきたいけん!!・・・・だから・・・・!!」

アゲハ「ずっとウチの近くにいてください・・・・!!お願いします・・・・!!!」

メリッサ「・・・・もちろんですよ、アゲハさん」(抱きつく)

アゲハ「メリッサさん・・・・!!だいすき!!」(抱きつき返す)

メリッサ「・・・・!!!!!!!!」

(ああ・・・・その言葉・・・・)

メリッサ「アゲハさん・・・・」

(その言葉を、どれだけ待ちわびたか・・・・)

(もちろん、アゲハさんのそれは・・・・・友人として、なのはわかっている・・・・でも・・・・それでも・・・・)

メリッサ「私も・・・・あなたのことが・・・・だいすきですよ・・・・アゲハさん・・・・・」

(それでも今は・・・・あなたのその言葉で・・・・愛を感じさせてください・・・・)


~ つづく ~

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