メリアゲ「お嬢様レッスン〜茶道編〜」

アゲハ「メリッサさんメリッサさん!!うち、習い事をやってみたか!!」

メリッサ「習い事・・・・ですか?一体どうして・・・・?」

アゲハ「うちね、最近お風呂入りながらお嬢様が出てくるアニメを見てお嬢様のイメージを膨らませる【お嬢様レッスン】ってやつをやってるんよ」

メリッサ(え?ア、アニメで・・・・?)

アゲハ「それで思ったっちゃけど、やっぱお嬢様ってみんな習い事をやっとるんよね~。だけどおかあに言ったら""お金なかしアゲハはすぐ飽きるからダメ!""って言われちゃって・・・・」

アゲハ「でもあきらめきれんよ!だって習い事はお嬢様のステイタスやけん・・・・!!だからメリッサさん!うちにもできそうな習い事教えて!!!」

メリッサ(ステイタス・・・・)

メリッサ「・・・・なるほど、そういうことですか」

メリッサ「アゲハさんの頼みとあれば喜んで協力をします!・・・・と言いたいのですが、正直に申し上げると今とても悩んでおります・・・・」

アゲハ「へ!?なんで!?」

メリッサ「もし、もしアゲハさんが習い事を始めたら・・・・わたくしがアゲハさんと一緒にいれる時間が減って・・・・!」

メリッサ「・・・・あっ!そうだ!アゲハさん!習い事ですが、わたくしがアゲハさんに教えるというのはありでしょうか?」

アゲハ「メリッサさんが?」

メリッサ「はい。わたくしも二宮家の者としてたくさん習い事を経験していますので力になれるかと!」

メリッサ「わたくしはいま、習い事はアゲハさんと共にいる時間を優先しているので全てお休みしていますが、わたくしで出来るものがあれば教えますよ。もちろん、アゲハさんからお金を取るなんてことは
決して致しませんのでご安心ください!」

アゲハ(!! メ、メリッサさん・・・・今まで習い事休んでまでうちと一緒に遊んでくれていたんだ・・・・)

アゲハ「断る理由がなかよ!!メリッサさん色々教えてくださいまし!!」

メリッサ「ふふ、わかりました。では・・・・失礼・・・・」

メリッサ「メリッサです。じいや、至急わたくしの過去3年のスケジュールをデータで送ってください。ええ、すぐにです。はいよろしくお願いしますね」

~10分後~

メリッサ「さあアゲハさん!この中から選んでください!」

アゲハ「えーっと・・・・ピアノ、バイオリン、乗馬、水泳、茶道、華道、バレエ・・・・ちょっと待って!これほんとに全部やってたと!?やばくない!?」

メリッサ「ほとんど昔の話ですよ。その中で今も続けているのはピアノとバイオリンぐらいです」

アゲハ(すっご・・・・多分アメリカの大統領みたいにキッツキツなスケジュールだ・・・・わからんけど・・・・)

メリッサ「興味をひくものはありましたか?」

アゲハ「ん~~~・・・・よし!!!お茶が飲めて楽しそうやけん茶道で!!」

メリッサ「ふふ、茶道ですね。わかりました。では今週の日曜日わたくしの家にきてください」

アゲハ「かしこまりですわ~!」

~~~

アゲハ「さあ!待ちに待った茶道の時間ですわ~~!!メリッサさ~ん!!」

メリッサ「アゲハさん。ご機嫌よう。お待ちしておりました」

アゲハ「メリッサ・・・・さん!?ご、ご機嫌よう!!き、着物・・・・綺麗かね・・・・!!」

メリッサ「ありがとうございます。準備はできております。おあがりください」

アゲハ「お、お邪魔しましてよ・・・・!!!!」

メリッサ「ここから先が茶室になります。入る前に・・・・こちらを」

アゲハ「えっ・・・・これ・・・・着物・・・・!?」

メリッサ「アゲハさんの記念すべき初めての習い事ですから、形からしっかり入って貰いたくて用意しました」

アゲハ「マ、マジですの!?すごか~~!!!」

メリッサ「さあ!手伝いますので着替えましょう・・・・!!」

アゲハ「オビャッ!!!ちょっ!!!ちょ、ちょっとまってメ、メリッサさん!!さ、流石に脱ぐのはひとりでできるけん・・・・!!」

~~~

メリッサ「これでよし・・・・アゲハさん、どうぞ鏡の前に立ってみてください」

アゲハ「これが・・・・うち・・・・?」

メリッサ「ええ・・・・とても・・・・綺麗ですよアゲハさん・・・・アゲハさんの天使のような美しい金髪と用意した黄色と白をベースにしてこの着物・・・・まさに東洋と西洋の美を結集させたといっても過言ではありません・・・・」

アゲハ「ひぃぃぃ!!!嬉しかけど耳元でそんなささやかれるとこそばゆか!!!」

アゲハ「で、でも・・・・たしかにアタクシ・・・・かっわいかですわね~~!!!!!!おーーーーほっほっほっほ!!!!」

~~~

メリッサ「ではお座りください。今日はよろしくお願いします」

アゲハ「よろしくお願いしま・・・・

メリッサ「アゲハさん、正座です」

アゲハ「星座!?う、うちはしし座ですが・・・・!?」

メリッサ「座るほうですよ。わたくしを見てください」

アゲハ「アッ・・・・ハイ・・・・ソッチカ・・・・座るほうですわね・・・・ハイ・・・・」

メリッサ「まず茶道の心得を指す言葉に「和敬清寂(わけいせいじゃく)」というものがあります」

アゲハ「わ、わけぇせーじゃく・・・・」

メリッサ「この茶室でお点前をする人と招かれた人・・・・つまりわたくしとアゲハさんがお互いの心を和らげながらも尊敬して身も心も清らかにして、どんなことがあっても動じないという意味ですね」

アゲハ「ほぇ・・・・」

メリッサ「それでは早速茶道の作法について教えていきますね。作法っていうと堅苦しい・難しいってイメージがあると思いますが、全て意味があることなんです。意味から理解しようとすれば覚えられます」

アゲハ「なるほど・・・・!がんばりま・・・・ア゛ッ!!!」

メリッサ「ど、どうしました!?」

アゲハ「あ、足が・・・・!!し、しびれ・・・・ヒッ・・・・」

メリッサ「あらあら」

アゲハ「ご、ごべんなざい・・・・こ、こんな・・・・長く・・・・正座したこと・・・・なかけん・・・・ギェ・・・!!」

メリッサ「ふふ、では少し楽にお座りください。ちなみに正座はお尻に体重がかからないように気を付けて
背筋を伸ばして膝を意識して座るようにするとしびれにくくなりますよ」

アゲハ「たすかります・・・・」

~~~

(饅頭を置かれる)

アゲハ(うわあ・・・・お菓子だぁ・・・・!)

メリッサ「お菓子をどうぞ」

アゲハ「わーい!!いただきまーーーす!!
ん~~!!うまか!!うまかですわ~~~!!!」

メリッサ「あ!アゲハさん、お菓子を食べるのにも作法があるんですよ!」

アゲハ「んげっ!?マジですの・・・・!?(ガブッっていっちゃった・・・・)」

メリッサ「あとかじちりつくのもダメです。手か黒文字を使って割って食べるんですよ。こんな感じに・・・・
もう1個あげますから、アゲハさんもやってみましょう!」

アゲハ「とほほ・・・・もうしわけない・・・・」

アゲハ「あれ?そういえばお茶は?一緒には出んと?」

メリッサ「お抹茶はお菓子の後に出します。茶道においてお菓子は引き立て役ですから。あとお腹が空いている時にお抹茶は胃への刺激が強すぎるので、お菓子で和らげるんですよ」

アゲハ「おお~!!そうなんやね~!!メリッサさん物知り!!」

メリッサ「ありがとうございます。お抹茶を出すまでにはお菓子食べ終わってくださいね」

アゲハ「はーい!!!大丈夫!!食べるのは大得意ですわ!!!」

~~~

メリッサ「お抹茶をどうぞ」

アゲハ「えっと・・・・お点前、頂戴します!!」

メリッサ「あら!よく知っていますね」

アゲハ「おほほ!!実は少しだけググっていましたのよ!!」

アゲハ「・・・・で、こっからたしか回すとよね・・・?
どっちやっけ・・・・」

メリッサ「お抹茶の飲み方は流派によって様々ですが、わたくしは裏千家流でしたのでそっちで教えますね」

メリッサ「まずは、左手の上で時計回りに2回茶碗を回します」

アゲハ「・・・・こう?」

メリッサ「はい!そして3、4回に分けてお抹茶を飲みます」

アゲハ「いよいよ・・・・!!お茶の時間ですわ~~~!!!!」

アゲハ「ゴクッ・・・・ん゛!?!?」

アゲハ「んっげぇ!!!に、にっが!!!しかもなんかドロドロしとる!!!」

メリッサ「ふふふ、それが濃茶です。アゲハさん想像されていたであろうお薄ですね」

アゲハ「お、お茶にも種類があるんだ・・・・こりゃ確かに刺激が強かね・・・・」

メリッサ「そして最後はズズッと音を立て飲み終わったことを教えます。これを吸い切りというんですよ」

アゲハ「の、飲み切れるかな・・・・?思ったより苦かったけん・・・・」

メリッサ「これ本当はやってはダメなんですけど、お饅頭あげますから一緒に飲んでください」

アゲハ「うぅ・・・・か、かたじけない・・・・!!そしてうまか・・・・!!」

~~~

アゲハ「飲み終わりました!!」

メリッサ「はい!飲み終わったら指で飲み口をぬぐって、この懐紙で拭き取ります」

メリッサ「そして茶碗を2回、反時計回りに回して・・・・戻します」

アゲハ「お茶を飲むのにやることたくさんですっごく大変・・・・メリッサさんよくできるね・・・・」

メリッサ「最初に申し上げた通り意味から理解しようとすれば覚えられますよ。もちろん、慣れもありますが」

メリッサ「今日はこんなところですかね。お付き合い頂きありがとうございました」

アゲハ「あっ・・・・!!こちらこそ!ご教授ありがとうございました・・・・!!!」

~~~

メリッサ「・・・・アゲハさん、習い事、実際にやってみてどうでしたか?」

アゲハ「そうね・・・・うち、茶道を・・・・いや習い事を軽く考えすぎていたかもしれない・・・・習い事はお嬢様のステイタスだなんて失礼すぎる言い方やったね・・・・」

アゲハ「いざやってみたらかなりボコボコだったし、メリッサさんだからここまで優しく教えてもらっているなぁってところどころ思ったよ・・・・」

メリッサ「わかって頂けたのならわたくしから言うことはなにもありません」

アゲハ「でもね・・・・今日すっごく楽しかったよ!!めっちゃお嬢様らしいことしてるな~って気分になれた!!メリッサさんも教えるの上手かし!!」

メリッサ「ほ、本当ですか!?それならよかったです!!ありがとうございます!!」

アゲハ「だからまた・・・・メリッサさんにご教授お願いしてもよかかな・・・・?」

メリッサ「もちろんです!わたくしでよければいつでもなんでも教えます!!
最強のお嬢様になりましょう!!」

アゲハ「ええ!!!最強になりますわよ~~~!!!!」

つづく

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