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健康だけが取り柄だったのに⑥

11月中旬、とうとう私はCVポート埋込手術を受けてきた。
ことの発端は、11月上旬に受けた4クール目の受診時に、主治医の先生からポート作るように言われ、その場で予約を取ったことだ。
ドセタキセルの副作用で、体全体が浮腫みやすくまた、採血すら一発でできない血管の出具合のため今後の治療でルートの確保が難しいとのことだった。

嫌だ嫌だといいながら、入院には慣れていて、病院食も美味しいからと二つ返事をしていた。

主治医の先生は、部分麻酔だから絶食はないと言っていたため、お昼ご飯を食べる気満々で入院したが、担当看護師さんに言われた言葉は「シャワーは2日後まで禁止で、今日の昼食は食べられません!我慢してくださいね。」おや?おやおや??
聞いてない、朝ごはんシリアルなんて軽いものにしたから、お腹減りすぎて胃が痛かった。
コーヒーは飲んでいいとのことで、デイルームの自販機で甘いコーヒー買って胃を膨らませた。
(売店はあるが、外来患者さんがいるため避けました)

手術は15時から(予定)のため、担当医師から腕が鎖骨下に埋めるかヒアリング。
え、そんなビーフorチキン的な感じなの?と思いつつ、腕に埋め込むときっとカテーテル千切っちゃいそうだったから、無難な鎖骨下を選択。

予定通り、15時から手術とのことで一人で処置室まで行き、呑気にスマホいじりながらその時を待った。
前に手術が終わったおばあちゃんが、グッタリしていて、そんなに具合悪くなるもんなのか??と思いつつ、手術台へ…

バイタルチェックの器具をつけ、シートをかけられ手術スタート!
まず、局部麻酔が痛くて痛くて、痛い!と叫ぶと「呼吸しっかりして!」と怒られ、深く息を吸って、大きく「いたーい!」と叫ぶこと15分。
カテーテルのルート確保できたのか、一気に手術が進んだ。

なんだか首元が一気にあったかいな、と思ったら頭上から「あっ、思ったより(血が)出ちゃった。床、汚しちゃったよ〜」と聞こえる。
え?先生これあったかいのまさか、え?血?なんて思っていた矢先、一気に寒気が。
これ貧血だわ、と寒さに耐えていると「ちょいと気持ち悪いよ〜」の声かけと同時に喉から胸にかけて一気に管が入る感覚。

ずるずるずるという感覚で、小さくおぇっと声を漏らしたが、特段吐き気にはつながらなかった。
うまく管が入ったおかげで、あとは余ったチューブを丸めて鎖骨下にしまい、あとはポート部分を埋め込む処置。
体の中にポケット作って、そこにしまう感覚だからちょっと気持ち悪いけど、麻酔聞いて部分は痛みが和らいだ。

ポケットにしまうのも上手にできたようで、あとは縫うだけ!と声をかけてもらって、チクチクとぬいぐるみの如く縫われる。
皮膚が引っ張られる感覚、なんとも言えない気持ち悪さ。うーん、慣れないな。

「はい!お疲れ様!よくがんばったね!」と声をかけられ、手術は終了!
ほんと、よく頑張った。自分で自分を褒めたい。ルート取り失敗して、何回も貼り刺される方が、痛みはマシだったと思った。
担当してくれた綺麗な女医さんから、リストバンドと冊子、カードを渡された。
貧血でガタガタ震えていたから、リストバンド握らされて書類はお迎えに来てくれた看護師さんが持ってくれた。

入院着は右の首から胸元まで血だらけ、チラリと手術台を見たら床に拭ききれてない血が沢山。いや、めっちゃ出たな!
ベッドに戻って、着替えさせてもらって絶食+絶対安静の時間分横になって体力の回復を待った。

小一時間後、看護師さんにバイタルチェックをしてもらい、良好と判断されたため歩行確認をしてもらい行動OKに。
とにかくお腹が空きすぎたから、小銭持って自販機でアセロラドリンク買ってビタミン補給。

夕食後、なぜか毎日いる主治医の先生が様子を見てくれて、血の止まりが遅いのを心配しつつ、手術うまくいってよかったねと笑顔で去っていった。
先生、ほんといつ休んでんすか??

翌朝、レントゲン撮影で気胸を起こしてないか確認後、無事退院。
看護師さん待望のCVポート埋込が無事終わり、一安心しながら帰路についた。

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