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  №9 カメラアイ 「油断天敵」① ミステリー小説

割引あり

  №9 カメラアイ 「油断天敵」①

 「おいっ! あり金残らず置いて行けっ!━━━━」
いきなりこう言われた土屋は、ギクッとした。
けれど、直ぐに持ってた業務用のバックをシッカリ持って、油断なく身構える。
もう、深夜になりかけた時刻だった。
残業をした帰りの街角で、
「恵まれねぇ俺たちに、愛の手を差しのべてくれよぉ❤」
と、薄汚いシャツを着た、野良猫みたいな顔をした男は、ヘラヘラ嗤いながら言う。
手にはナイフを持っていて、土屋の方へ差し向けてる。
 ひとりではない。
反対側には、その男よりもちょっと若い男がいた。
此方の男も、手にはナイフを持っていて、イルカみたいな顔をしてる。
 服は、同じように薄汚れていて、
「スンナリ金を出しゃぁ、痛い目にはあわねぇぞ❤」
こう、ナイフを身構えてニタニタしてる。
ところが、土屋もニタリと嗤って、

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