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博物館デジタル化調査報告 No.15 〜オンタリオ美術館〜
こんにちは。ミューゼオ株式会社の奈良です。
第15回はコレクションの半分はカナダに関するものといわれているオンタリオ美術館。今やミュージアムの楽しみ方のひとつとして確立されつつあるデジタルを活用したさまざまな施策をまとめていきます!
国内のミュージアムではあまり見かけない施策も含め調査し、「デジタル化やDXは手段や方法が色々ありすぎて何から手をつけたらいいのやら…」と悩んでいる方の参考になればと思っております。
調査はミュージアムの公式HPを中心にミュージアムとしての取り組みやSNSの活用方法を調査し、個人的に好きなミュージアムストアの情報なども取り上げています。(TOP画像はオンタリオ美術館公式Facebookを参照)
オンタリオ美術館の概要
所在:カナダのオンタリオ州トロント
正式名称: Art Gallery of Ontario(アートギャラリー・オブ・オンタリオ)
略称:AGO
紀元後100年頃から現代にいたるまでの芸術作品を80000点以上所蔵している。美術館の広さは45,000平方メートル (480,000 sq ft)で、カナディアン・アートに関しては世界一の規模を誇る。
フランク・ゲーリー氏の設計で内装、外観を含めて拡張工事が行われ、2008年11月に今の形となった。フランク・ゲーリーは自ら自宅をも設計し、建築界のノーベル賞と呼ばれるプリツカー賞を受賞している。神戸港メリケンパークに立つ鯉のオブジェも彼の作品であり、以前はダンス音楽ホールとして使われてきたが、現在はカフェとして運営されている。
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Webサイトの内容
〈開館時間〉※月曜日は休業 ※水曜・金曜は夜9時まで開館
・火曜日 10:30~17:00
・水曜日 10:30~21:00
・木曜日 10:30~17:00
・金曜日 10:30~21:00
・土曜・日曜 10:30~17:30
〈チケット〉※予約が必要 ※15分刻み
オンラインでチケットの予約が必要だ。15分毎に予約ができる。
【1】バーチャルスクールプログラム
AGOの美術専門家とオンラインにて会話ができる無料のプログラム。小学校低学年向け、高学年向け、高校生向けにカリキュラムが分かれている。各プログラムは30分で創作活動も含まれている。鉛筆、ペン、クレヨン、紙を準備して授業に臨もう。
【2】大人向けワークショップ
絵筆を手にしたことがない場合でも、アートを何年も勉強したことがある場合でも、AGOにはあなたのためのコースがあります。アンタネンバウムギャラリースクールは、オープンコンセプトの統合スタジオです。ギャラリーのアートワークがインスピレーションを与えてくれる、楽しくサポート的な環境で幅広いコースを提供しています。コースと1日のワークショップは、絵画、デッサン、彫刻、版画、写真、ビデオとデジタルメディア、コミック、動き、執筆、芸術鑑賞など、あらゆる年齢と興味を対象に提供されています。
初心者でもしっかり学びたい人でもそれぞれにあったプログラムに参加できる大人向けのワークショップ。こちらは有料のものもあるがオンラインにて学ぶことができる。プログラムは時期に合わせていくつも展開されていた。いくつか下記に紹介していく。
●絵画プログラム
このオンラインコースでは、線、ボリューム、形、色の認識を高めるためのさまざまな適用方法など、さまざまな絵画技法を学生に紹介します。学生は、AGOの絵画コレクションをインスピレーションとして利用する、AGOアーティストインストラクターによってライブで教えられるこの基礎レベルのコースで、アクリル絵の具を使用してさまざまなプロジェクトを完了します。参加者は18歳以上である必要があります。スポットは限られています。
このプログラムでは絵画技法を身につけることができる。画材を用意し、毎週決められたプログラムをオンラインで受講していく。例えば、1週目は講座として価値と形式、材料の紹介があり、実技では黒と白のペイントでモノクロの静物画を描く。2週目は色の要素について学び、原色と白で小さな混色について研究する。受講するかどうかは詳しいプログラム内容を確認してから選ぶことができる。
●特別展にちなんだプログラム
このオンラインコースは、「I AM HERE:Home Movies and Daily Masterpieces」展に触発されており、日常を捉え、共有し、大切にするという私たちの普遍的な必要性を明らかにしています。このコースでは、コラージュ、組み立て、ジャーナルのスケッチと装飾、ペンやインクなどの白黒のテクニック、紙のカットなど、さまざまなミクストメディアテクニックを学生に紹介します。学生は、この基礎レベルのコースでさまざまな資料を使用していくつかのプロジェクトを完了します。
糊や段ボールを用意し、オリジナルのオブジェクトを創作していく。肖像画を描いたり、自身で撮った写真を使ってコラージュを作成することができる。
【3】音楽イベント
毎週末にカリビアンミュージックを専門とする地元のDJが、ウォーカーコートからライブを行なっている。
【4】AGOスタッフの取り組み
AGOで働くスタッフの研究紹介やスタッフが選ぶAGO館内で好きな場所、アートで繋がった友人と語るアートの役割についての動画など、スタッフの様々な視点から芸術やAGOについて語られている。
SNSでの活動
AGOでは3つのSNSを利用して情報を発信。YouTubeも積極的に活用している。様々な媒体を使って作品紹介を発信しているため、自分の好きな媒体で情報をチェックできる。
●Facebook
イベントの情報がメインで発信されている。
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●Twitter
展示会についてやアートプログラムにて創作された作品をリツイートしている。
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●Instagram
展示会やイベントについて発信している。作品の写真が多い。
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YouTube
〈チャンネル登録者数〉4320人
〈本数〉606本
〈配信開始〉2009/03/27(12年前)
〈最高視聴〉91,476 回視聴
内容:オンタリオ美術館のスタッフが500年の謎を解き明かします。
Store情報
こちらからはオンタリオ美術館でしか買えないようなアイテムを紹介。オンラインでも購入可能だ。
●さまざまな形のプラッターやボウル
洗練されたデザインの食器がいくつも展開されている。料理だけではなく小物置きなどにも使えそうだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1646968443363-uw1EbPyHEW.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1646968951435-StA3X5JWxe.jpg)
●カナダならではのグッツ
カナダの国旗が入ったマグカップやカナダの手作り陶器の食器などもあるが、ここでは自然に倒れた木を活用したミル(食材を細かく粉砕する器具)をご紹介。オンタリオのアーティストがデザインしたサステナブルなグッツだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1646969559152-At1nmxutmT.jpg)
●ユニークなデザインの爪切り
足の爪を切る際は足のデザイン、手の爪を切る際には手のデザインと使い分けができる爪切り。持ち歩き用に良さそうだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1646972588825-jch0Vgf4WP.jpg)
まとめ
▶︎夜21時まで営業している
▶︎オンラインプログラムが充実している!
▶︎AGOで働くスタッフの特徴が活かされた取り組みが多い
オンタリオ美術館ではアートへの理解を深めるプログラムが充実していました。大人も子どもも、アートに詳しい人もこれから深めたい人も、様々な対象に合ったプログラムやイベントが開催され、芸術を体験する場所としてオンタリオ美術館がある用に思いました。
次回はオルセー美術館について調査していきます。19世紀美術専門の美術館ではどのような取り組みがされているのか。お楽しみに!
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