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言い方は気にしない。「言っていること」だけを聞く。

だいたい夫というものは、エラソーに言うものなんですかねえ。
何でもないことをイライラッと吐き捨てるように言うことがあります。夫が50代の頃かなあ、朝御飯の用意をしていたら、朝6時頃から起きて庭で草取りをしていた主人がいきなり「御飯できたら呼びに来てよ!!!お腹空いてるんだから!」と台所に乗り込んできた。マジな顔で。

は? 8時頃だったけど、多分私の方が後から起きたから。新聞休刊日ですることなかったから(笑)そんなにエラソーに言わなくてもわかってるわ!どうして、もう少し普通に言えないの?!

話していてカチンとくる時は、たいてい相手の「言い方」にカチンときている。でも、冷静になり、相手の言っている中身だけを思い出してみると、意外と普通のこと、まともなことを言っているのです。「御飯できたら呼びに来て。お腹空いてるから。」それだけのこと。

カチンとくるのは自分に至らない点、思い当たる節があるからだとも言えます。

こういう場合、私はほとんど言い返しません。言い返すと面倒なことになるのが目に見えているから。スーパーとかで、ガンガン言い返している奥さんを見ると、うらやましいです。結婚してすぐの頃は、ガ~ンと言われると予期せぬことに言葉も引っ込み、かわりに涙が出て、2、3日引きずっていましたが、25年経った頃から慣れてきました。

ガ~ンと来てグッと抑えるのは、はじめのうちは嫌でした。なんで私が我慢しないといけないの?相手は言いたい放題言ってるのに!しかも、性格が正反対なので(これがもめる原因)思いもよらないことで突然キレられる。若い頃のように、ただ辛いだけで今日まで来ていたら、多分病気になっていたでしょうね。

そんな私を救ってくれたのが、ヨガでした。

エスニックなものが好きだった私は20代の頃に、特に深い理由もなくヨガを始めました。当時は今みたいに身近に教室もなかったので、自分で本を見ながら。そのうち、「ヨガってただ体を動かすストレッチではないんだ~」ということが分かってきました。

分かりやすく言うと、ヨガは「よりよく生きるための考え方と実践」なんです。身体を動かすヨガは「アサナ」といって、大切な部分だけどヨガの一部。「言い方は気にしない。言っていることだけを聞く。」という考え方も、ヨガ的な発想です。

エラソーに言われても、「この人、本当は何を言いたいんだろう。」と冷静に聞いていると、少々言われても、動じなくなってきます。まさに修行。むしろ、相手の生い立ちや辛い事情が垣間見えて、気の毒になり、こちらに余裕すら出てくる。これは夫に限ったことではないですよね。近所のうるさいおじさん、会社の上司、実の親だったり、お姑さんだったり。

相手の言い方が下手なのは、相手の修行が足りないから。そして、それを言わせてしまったのは自分。相手を変えようとしてはいけません。その人が自分で気づき、納得しないと多分変われない。それでは、いつまで経っても、こちらがしんどいばかりでは?!

そこで、こちらが相手の気持ちを想像して、変わるんです。
「何で、私が変わらないといけないの?!」私も以前はそう思っていました。相手は何の反省もなく、私だけが変わるなんて、相手に負けたみたい!ずっとそう思って、変われませんでした。

でも、相手の気持ちを推し量って「そういう考え方もあるんだあ。」と客観的に受取り、相手に合わせると、不思議と相手が変わってくるんです。反省していないように見えても「ちょっと言い過ぎたかな。」という違和感や後ろめたさが、相手の心の奥底にあるのだと思います。

きつい言い方で言われる。腹が立ち、きつい言葉で言い返す。それを続けている限り、憎しみは募るばかり。時間のかかることだけど、変わることは負けることではない。相手に合わせて変われるのは、成長した、余裕のある大人だからこそだと自分に言い聞かせています。


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