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私がこの人と結婚した理由。

娘が中学生の頃かなあ、
「なんでお父さんと結婚したのか、自分でもよくわからん」と私がぼやいていたら、「じゃ、私が生まれた意味は何なん?」と娘が言った。

「いや、お母さんは誰と結婚したとしても、あんたを産んだ。」と言ってはみたものの、やはり、それはおかしい。そして私は、しばし考えた。

そうだ。私はこの子を産むために、あの人と結婚したんだ 。
それに気づいてからは、あの人と結婚した理由が、ほかに思い浮かばない。

親バカだが、夫のDNAが入っているにもかかわらず優秀な娘・M子。
私と一緒にいる時間が圧倒的に長かったし、夫の超保守的な、面白くもなんともない脳内構造に気づいてからは、なるべくそれに汚染されないように気を配ってきた。

私たち夫婦、親子、そしてこの家族は、かなり珍しいケースだとM子は言う。普通ならとっくの昔に別れている夫婦。父親に嫌気がさして家に寄りつかない娘。その結果、家族バラバラ。

そうではない今現在、仮面夫婦のようだがそうとも言い切れず、M子もまた、今どきの子にしては珍しく客観的に物事を見て、周りの環境に翻弄されることなく、自分の道をしっかりと歩こうとしている。

我が家で一番大人なM子。精神年齢は父親のほうがはるかに下だし、「私が産んだんだから親の言うことを聞きなさい。」という気にもならない。
M子がいなかったら、それこそとっくの昔に別れていただろう。

あらゆることが正反対の男女が結婚しているケースがあるが(ウチのように)、そうすることで人類全体のバランスをとっている。
似た者同士のカップルばかりだと子どもの思考や体質も偏り、
種の保存という点では弱くなってしまう。
そんな研究結果があることを知って、妙に納得してしまった。

我が家ってレアケースだけど、ある意味、理にかなった組み合わせなのか?
そうかどうかは、本当に、あの世に行く時にならないとわからないような気がする。


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