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2017年の夏に結婚生活史上最大の大げんかをしてから、
夫はちょっと反省したのか、「ものの言い方」をソフトにする、
すぐキレない、ということを意識しているのが感じられる。
でもまだときには「なぜ、今?」というときにキレる。

価値観が正反対で、私の修行が足りないからなのだけど、
2021年が明けた1月半ば、久しぶりに夫がキレた。
なぜキレたか書いてたら本題を忘れそうなので割愛。

モヤモヤしたまま数日が過ぎ、その日は図書館に本を返しに行く日だった。
図書館へ向かう途中、信号待ちで交差点に止まった時、思い出した!
「今度何かあったら、漢方薬だ!」
気になっていた漢方専門薬局が目の前に!
私は何かあったらヨガ(アサナ、呼吸法、瞑想)で精神を鎮めていたけど、
本格的な漢方薬をずっと試してみたかった。

そうなると早い。
図書館に本を返すと来た道を引き返し、これで救われるかもしれないという期待と決意ですごい勢いで店へ入っていった。

その店は開業して50年近い老舗で、創業者のお父さんの跡を娘さんが継いでいる。娘さんは薬剤師として病院に勤めた後、家業に入った。西洋医学の薬と漢方薬の両方を知っているのがいいね。お父さんも現役。

店を訪ねたのは午前中で、私が一番乗り。
漢方薬を処方するため、娘さんが私の体調をいろいろ聞いてくれた。
まだ30代と若いのに、話を聞くのが上手で、私も夫とのことをかなり詳しく喋った。運よく次のお客さんが来なかったので1時間半ぐらい話した。

あとで思ったけど、店にいたのがお父さんでなくてよかった。
うちの夫と1歳違い。お父さんだったら本音で話せなかっただろうな。
話を聞いてくれた娘さんもあの世代の傾向をよく把握していて、
「その感じ、よ~くわかります~。」と話が盛り上がった。

今回、話をしたなかで印象的だったことがいくつかある。
まず、漢方薬は中国の薬と思われているけど、本当は、日本の伝統医学である「漢方」で使う薬。ルーツが中国医学だということ。

ヨガの考え方と共通する部分が多くて気になっていた漢方薬。
やはり、身体全体の状態を診て処方する。本人が訴える症状(例えば眠れないとか、血圧が高いとか)の原因を探っていくから、普段の暮らし方のヒアリングに時間をかける。西洋医学の睡眠薬や降圧剤のように、病気そのものを抑える、という発想ではない。

「漢方薬は効いているのかどうかよくわからない」とか「値段が高いのに長く吞み続けないといけない」といった話を聞くけど、これも誤解されている部分が多いそうだ。一つの漢方薬の中には即効性と体質改善の二つの役割があって、1、2か月で改善する症状も多い。服用する期間も症状に合わせて変えていく。とにかく薬剤師さんと相談しながら自分の身体の状態を自分でチェックすることが大切になる。

私の場合、夫との関係で「肝を冷やす」状態になっているため、そこに対処する生薬を処方してくれた。
1回に購入するのは、1日3回(3包)を14日分(42包)。1日あたり約400円。もう少し高い薬局もあるそうだ。最初の1か月は1日3回飲んでいたけど、少し気分が落ち着いてきたので1日2回に減らしてしばらく続け、今は吞んでいない。無理やり勧めてこないのもよかった。
体調と相談しながら調整するという考え方がヨガと通じる。
御守り代わりに持っておく人もいるそうだ。

薬の形も錠剤、顆粒状、煎じ薬などがあり、薬効が一番ストレートに届くのは煎じ薬。でも、煎じる時にかなり匂うので、匂いにうるさい夫がいるウチの場合はダメだな。顆粒状にしてもらった。今はドラッグストアでもツムラの漢方薬などが買えるけど、話を聞いていたら物足りなく感じてきた。

子どもが精神的に不安定になっている場合、母子同服といって、
お母さんの漢方薬も同時に処方することがあるそうだ。
「夫婦同服」はないですかね~と聞いたら、ふふっと笑ってた。

面白かったのが処方箋の話。処方された生薬の名前がどこにも書かれていなかったので、教えてもらえないかと聞いたら、あまり積極的には伝えないようにしている、と。以前、男性のお客さんに処方した生薬の名前を伝えたら、今の時代だからネットで調べて、慌てて連絡があった。
それが、婦人科系の症状を軽減する生薬だったから。おじさんの慌てようにちょっと笑えるが、一つの生薬もいろいろな症状に効果があり、ネット情報ではすべてを網羅していない場合が多く、混乱の元なので積極的には知らせないことにしたそうだ。

漢方薬と一緒に、定期的に発行しているという「薬局だより」を20号分ぐらいもらった。詳しく、わかりやすく漢方薬のことが書かれているので、これからじっくり読もう。
急性期の医療や手術などが得意な西洋医学と、慢性期の医療や体質改善が得意な東洋医学。それぞれの良さを知って上手に取り入れればいい。

今手元には御守り代わりの1包だけが残っている。
「またお話しに来てくださいね。」と言ってくれたし、「あの薬局がある。」と思うだけで、欝々とした気分が軽くなる気がするのよね。


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