私的国語辞典~二文字言葉とその例文~ セレクション16『独活(うど)』
セレクション16『独活(うど)』
――大人って。
狡くて、
鈍くて、
いつもどこか痛がって、
いつも忙しい振りをしてて、
見えているものしか見なくて、
見えないものを本能で拒否してて、
自分の常識から外れた理屈は屁理屈と言いきって、
言いきられると腹を立てて、
流行を追う若者を馬鹿にして、
自分は無意識のうちに流行に流されて、
昔の事なんて都合の良いところしか覚えて無いのに「昔は良かった」などとのたまって、
同じ話ばかりして、
肝心な話はしなくて、
突っ込まれるとまた腹を立てて、
すぐに思考停止して、
トラブるとパニクって、
いきあたりばったりの行動をして、
社会のため、と建前を声高に叫んで、
実際は自分のためにしか行動しなくて、
保身の為には平気で嘘をついて、
子供には偉そうな事を言って、
自分の事は「もう良いんだ」とごまかして、
何か高尚な事を考えている振りをして、
実はガキンチョと何ら変わらないことを考えてて、
しなくても良い悩み事で頭を抱えて、
結局解決出来ずに投げ出して、
ただの揚げ足取りを論戦と呼んで、
仕事は戦いだと言いながら実際はただの部品に甘んじてて、
ストレスと言う言葉に敏感になりすぎたせいでかえってストレスを抱えてて、
「癒し」と言う言葉に縋り付くように自分の欲望を吐き出して、
他人に振り回されて、
家族を振り回して、
普段は家族なんて二の次だけど、
危ない時は家族を真っ先に守る。
大人って、
そんなただの独活の大木。
『独活(うーど)』
ウコギ科の多年草。山野に生え、高さ約1.5メートル。茎は太く、葉は羽状複葉で、互生する。夏、薄緑色の雄花と雌花とが球状につく。若芽は柔らかく、香りがあり、食用。栽培もされる。《季 春 花=夏》「―の香や岨(そば)に下駄はく山の児(ちご)/白雄」
※ 独活の大木
《ウドの茎は木のように長くなるが、柔らかくて材としては使えないところから》からだばかり大きくて役に立たない人のたとえ。
(大辞林より引用)
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