私的国語辞典~二文字言葉とその例文~ セレクション48『缶(かん)』
セレクション48『缶(かん)』
静かな誰もささやかな風の精すらも居ない静かな夜の公園の噴水の淵で空き缶が木々の隙間から差し込む月の柔らかな光に照らされて噴水から跳ねた水しぶきで全身をキラキラと輝かせながらまるでステージに立つ俳優のような立ち姿で一人淋しそうに見上げた先の空には満天の星空が手招きするように瞬いていたので空に行きたいと思うが缶なので行く事が出来ずに更に淋しくなったから今度は木々の隙間から見えるまあるい月に星になりたいと願ってみると公園の入口から入ってきたほろ酔いのおじさんにつまみ上げられて少し離れた所に在ったごみ箱に向けて放り投げられたために缶は一瞬だけ願いを叶える事が出来て幸せだったと言うささやかな幸福のお話。
(300文字)
『缶(かーん)』
《(英)canまたは(オランダ)kanから。「缶」「罐」「鑵」は当て字》
1 金属の薄い板で作った容器。特に、ブリキ製のものをいう。「石油―」
2 「缶詰」の略。「鮭(さけ)―」
(大辞林より引用)
ここから先は
0字
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?