私的国語辞典~二文字言葉とその例文~ セレクション95『芥(ごみ)』
作者駐:
『私的国語辞典』は全文無料で閲覧が可能です。ただ、これらは基本『例文』となっておりますので、そのほとんどが未完となっています。
基本的にそれらの『例文』は続きを書かないつもりではおりますが、もしどうしても続きが気になる方は、投げ銭して戴ければ有料部分に続きを執筆いたしますので、よろしくお願いいたします。
セレクション95『芥(ごみ)』(567文字)
ピンポーン。
『ほら、起きろ早瀬!』
ピポピポピポピンポーン。
がちゃ。
「……んあ?なんだよもう、隆明じゃん」
「なんだじゃねえよ!ぎりぎりまで家に居たいから迎えに来い、って言ったのお前だろ!」
「……んあ、そうだったな。すまん、寝てた」
「いや多分そう言う理由だろうと思ってましたよ、ったく。
……まあ良いや、支度終わるまでお邪魔する…
…ってなんだよこの芥溜めみたいな部屋はよ!」
「ああ、汚いとこだけど、遠慮しないで」
「いやお前こそちょっとは大家さんに遠慮しろよこのリアル夢の島状態」
「なんとかしようとは思うんだけどさあ、片付ける時間がもったいなくて……」
もそもそ。
「いやいやお前拗ねたふりして布団に潜り込むなよ!早く着替えろって!」
「……なあ隆明、」
「ああ?!なんだよ」
「俺さあ」
「ああ」
「こんな芥溜めみたいな世界から、早くどっかに飛び出したいんだよね」
「ああはいはい、いい子だから早く着替えて、こんな芥溜めみたいな部屋から飛び出そうね~」
「あ、上手い」
「上手いじゃねえよ!早くしねえとお前も『燃やせるゴミ』に捨てるからな!」
「……40リットルの袋に入らないじゃん」
「うるせえよなんでドヤ顔してんだよほらさっさと行くぞもう」
「いやだって着替え」
「もう待てねえ!早瀬、今日からお前の普段着はそのハルヒ柄の痛パジャマだ!」
ずるずる。
じたばた。
「違うこれはハルヒじゃなくて唯ち――」
ばたん。
(567文字)
『芥(ごーみ)』
1 利用価値のないこまごました汚いもの。ちり。あくた。塵芥(じんかい)。「―の山」「―捨て場」
2 水底にたまった泥状のもの。
「水田(みづた)の―深かりける畔(くろ)の上に」〈平家・九〉
[用法]ごみ・[用法]くず――
「ごみ」は不要になり捨てられた物や、その辺にある汚いものをいう。「粗大ごみ」「川にごみを捨てる」などを普通「くず」とは言わない。◇「くず」は、切ったり削ったりして、良いところをとったりしたあとに残る役に立たない部分をいう。「パンくず」「糸くず」のように他の語に付いて、役にも立たないかけら、切れ端であることを示し、また、役に立たない意から比喩的に「あいつは人間のくずだ」などともいう。
(大辞林より引用)
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