私的国語辞典~二文字言葉とその例文~ セレクション105『笹(ささ)』
作者駐:
『私的国語辞典』は全文無料で閲覧が可能です。ただ、これらは基本『例文』となっておりますので、そのほとんどが未完となっています。
基本的にそれらの『例文』は続きを書かないつもりではおりますが、もしどうしても続きが気になる方は、投げ銭して戴ければ有料部分に続きを執筆いたしますので、よろしくお願いいたします。
セレクション105『笹(ささ)』(230文字)
「わあ、ちまきがいっぱいだ!」
実家の居間に入るなり、孝美が奇声を上げながらテーブルに駆け寄る。
「こおら!ちまきは逃げないから!」
慌てて口にした私の叱責も、文字通り山のような好物を目の前にした娘の耳にはまったく届いていない。
「おばあちゃん、ありがとお!」
孝美は台所から姿を見せた母に元気良く感謝の言葉を言い、母はなんもさ、と笑いながら湯呑みを孝美の前に置いた。
「遠慮せんと、な?」
母の言葉に孝美はうん!と元気に応えて、笹の葉に包まれたちまきを一つ、つまみ取った。
(230文字)
『笹(さーさ)』
1 イネ科の多年生植物。一般に丈の低いタケ類をいう。山野に群生し、クマザサ・アズマネザサ・ミヤコザサ・ネザサなど種類が多い。葉は長楕円形で先がとがる。かご・ざる、その他細工物を作るのに用いられ、実が食用になるものもある。
2 紋所の名。笹の葉や枝などを図案化したもの。
(大辞林より引用)
ここから先は
0字
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?