私的国語辞典~二文字言葉とその例文~ セレクション104『雑魚(ざこ)』
作者駐:
『私的国語辞典』は全文無料で閲覧が可能です。ただ、これらは基本『例文』となっておりますので、そのほとんどが未完となっています。
基本的にそれらの『例文』は続きを書かないつもりではおりますが、もしどうしても続きが気になる方は、投げ銭して戴ければ有料部分に続きを執筆いたしますので、よろしくお願いいたします。
セレクション104『雑魚(ざこ)』(285文字)
「なんだよ、雑魚ばっかじゃん」
画面が戦闘シーンに切り替わるなり、彼が心底嫌そうにぼやいた。
「そんな簡単には出ない、って」
私が背後で腕を組んでドヤ顔をしていると、「いやそりゃもう解ってんけどよ、」とこちらも見ずに目の前の雑魚スライムの固まりをざっくざくと倒していく。
「ま、のんびりやるしかないね、こればっかりは」
覗き込んだ私がぽつり、とつぶやくと、そうだな、と彼が前を向いたままで答える。
「仕方ない、そうすっか。――ま、いくらプロポーズをしてもOKしてくんないお前を攻略するよりゃ楽だろ」
彼の楽しそうな声に顔が真っ赤になるのを感じながら、私は背後から彼の頭をひっぱたいた。
(285文字)
『雑魚(ざーこ)』
《「ざっこう(雑喉)」の音変化》
1 いろいろな種類の入り交じった小魚。また、小さい魚。じゃこ。
2 地位の低い者、取るに足りない者をたとえていう語。小物。
「―は相手にしない」
雑魚の魚交じり
《雑魚が大きな魚の中に交じっている意》
小物が大物の中に交じっていること。
能力にふさわしくない地位にいることなどのたとえ。
[補説]この句の場合、「魚交じり」を「うおまじり」とは読まない。「とと」は「さかな」をいう幼児語。
ざこね【雑魚寝/雑居寝】
[名](スル)
1 大勢の人が雑然と入り交じって寝ること。
2 節分の夜などに、村の老若男女が神社などに集まって共寝した風習。《季 冬》
ざこば【雑魚場】
江戸時代、大坂で最大の魚市場の通称。また一般に、魚市場のこと。
(大辞林より引用)
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