赤い人(実話怪談)

突然だけど、生家(生まれてから15歳まで住んでいた家、実家とは別)周辺には『人が死ぬと近いうちに近所で1〜3人亡くなる』という話がある。

コンビニは徒歩圏内にあるが、皆兼業で田んぼをやっている様な田舎である。小学校も5校あったのが今では統合され2校しか残っていない。過疎化と高齢化が進んだ田舎だ。

15歳くらいまでそんな町の家に住んでいたんだけど、まぁこれがリアルお化け屋敷(外見的な意味ではなく)で、ある些細な事がきっかけで家族もこの家怖い!無理!ってなって隣町に建てていた家に移り住んだ。

今回はこの家ではなく、周辺に纏わる話。冒頭で書いた通り、人の死が続くって話があった。正直、近隣の人達は皆年老いた人が多かったし、タイミングが重なっただけだろうと思っていた。だが、実際に見てみるとそうなのだろうか…と疑問に思う。

13か14歳位の時だった。当時、地元から離れた中学に通っていたので帰りは部活をしない日でも18時位になり、最寄りの駅までは親に車で迎えにきてもらっていた。

その日も車で迎えにきてもらって帰っていた。家はT字型の道のl部分に面している。すぐ家のそばに来た時にT字路の突き当たりに赤い色をした、人並みの大きい物体が見えた。親に何か向こうに何か立ってるか?と聞くと何も見えないよと言うので、自分にしか見えないやつか、放っておこうとあまり気にしなかった。ちなみにこの時点で1週間ほど前にも近隣で葬式があったが、まさかこう続くと思わなかったから死因まで覚えていない。

翌日もまた同じ位の時間帯に帰ってきたが、家に続く道に入る手前に葬式の案内看板が立っていた。あの赤い人が立っていた家だ。亡くなったのか、と深く考えずにいたが、家に近づくとまたT字路の突き当たりに赤いやつが立っている。今度は昨日立っていた場所とは反対側に立っていた。もしかして関係あるのかな?と思ったが、悪いものかもしれないから関わるのはやめようと無視をした。亡くなった方は特に病気だったわけではなく、前日までは元気だったのに朝起きたら…という感じ。老衰かな、と思う。

予想出来るかもしれないけど、翌日にその赤い人が立っていたところの目の前の家でまた葬式。死因は鴨居にロープをかけて首に巻き…。その家は家族の半分くらいが公務員の裕福な家で、庭に池があるし、その池に橋も掛かっているような広々とした庭があるところ。悪い噂も、お金に困ったやら不治の病にかかったとかそういう話もなかった。今でも理由は分からない。

だがこれが終わりだったのかその後、続けて死人が出ることはなかった。

もう赤い人は見ることはないだろう、と安心して深夜徘徊(と、言ってもコンビニに行くくらいだが)出来る!と深夜11時ごろに自転車で走っていたら、家を出て1分も立たず赤い人を見ることになったが、特に何も起きず。この話を兄にしたらその場所に怖くて行けない!と、学校に行く際に友達に家まで迎えにきてもらう様になった。

自分が見た赤い人が関係あるか分からないけど、その以前から死人が続くという話があったので何かしらあるのだろう。全然関係ないけど、その家に住んでいた時、土曜日に必ず近所のおじさんが来て、遊びにきたついでに仏壇拝んでお経も唱えるって謎習慣あった。おじさんは親戚でもない。その人も亡くなって習慣はなくなった。未だに謎。あと死人が続く〜って話、うちの家ではそれに関係する様な人が誰一人も出ていない。


オワリ

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