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不審者?

数日前、学校から不審者情報メールが来た。
校区内の公園に「不審者」が出たらしい。
中年男性が、中学年の女の子二人に「何してるの?」と声を掛けた。「怖がらなくてもいいよ」とも。
女の子たちは自転車で逃げた。

女の子たちは怖かっただろうと思う。逃げて正解だと思う。

と同時に、その「不審者」の事を思う。
なぜ、声をかけたのかな?何がしたかったのかな?

私の知り合いのHさん。50才を過ぎたイケメン男性。ピュアなまま大人になった人。
街中、どこででも、私の姿を見つけると、近寄ってきて話しかけてくれる。
出会ったその日もそうで、戸惑った。よく知らない人から、いきなり、物理的及び精神的距離を詰められると引く。構える。
女の子たちもきっと、そこが怖かったのだろうと思う。
実際Hさんも、子どもに話しかけて、不審者として通報される事があるらしい。

朝、てらの登校を尾行する私。
てらは、一人で歩きながら、テイラー・スイフトのWelcome to New York を熱唱する。
がらがら声で、不明瞭な発音で、自由な音程で。
私にはWelcome to New York にしか聞こえないが、他の人には、がなり立てているようにしか聞こえないだろう。
てらは、小学校の制服を着てランドセル背負って歩いてるから、恐怖心を持たれる事は少ないだろうけど、これが、社会人になってからだと、そうはいかない。
大声で歌うてらを、周りは、警戒し避けようとするだろう。

私は、Hさんと会うたび、彼をよりよく知るようになった。町の事業所(ショップ)で、店員さんとして真面目に働いている事、関東に住む、姪っこや甥っこの事を嬉しそうに話す姿、お父さんとお母さんが大好きな事、そして家族からとても愛されている事を知っている。
Hさんは、もはや私にとって「変な人」じゃない。
Hさんは、Hさん。短い立ち話で、なぜかホッコリさせてくれるHさん。

てらのある日の登校中、熱唱するてらと出くわしたクラスメートのK君。「お!てらくん🙋」

10年後、てらが社会人になって、通りを大声で歌いながら歩いていたら・・・
「お、てらくん、今日も元気だね」
「あら、てらくん。楽しそうね。」
「てらくん、いってらっしゃ~い」
って、思って言ってもらえるように。

てらが、沢山の人と出会う機会を奪い取らないようにする。親として。

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