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心配するな

主治医から父が胆管癌だと言われたあと
廊下のすみで母、兄に連絡。声が震える。
それから少しして、母は入院準備をととのえ
病院にやってきた。2人で椅子に座り
待っていると、検査を終えた父が車椅子に
乗り戻ってきた。
まだ何も知らない父に、「検査お疲れ様」と
声をかけた。
私の顔に何か書いてあったのだろう。
「オレは大丈夫だ。心配するな」
逆に励まさることに。

そうだ、そうだ、父はこういう人なのだ。

コロナ禍で、病室への出入りが不可だったため
病室のある8階まで、一緒にいき、母が用意した
入院セットを簡単に説明して、廊下でわかれた。
看護士さんに車椅子を押してもらう姿が見えなくなるまで、見届けた。
長い長い一日だった。

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